キスを釣った後の注意点
キスをおいしく食べるには、釣った魚の鮮度を落とさないことが重要です。鮮度が落ちると味が落ちるだけでなく、魚が柔らかくなり料理前の下処理がしづらくなります。
キスのハイシーズンは6〜8月の気温が高い時期ですが、鮮度を保つには魚を冷やし続けることが絶対条件です。釣り場には必ず氷をいれたクーラーボックスを持っていき、効率よく冷やしましょう。
クーラーボックスには氷と少しの海水を入れる
キスを入れるクーラーボックスには、氷と少しの海水を入れましょう。海水には塩分が含まれるため、氷と一緒に入れるとクーラーボックスを温度の低い状態で保てます。氷が浸るくらい海水を入れ、魚がちゃんと冷える量、かつ多すぎないように調整してください。
必要以上に魚に触らない
釣り上げたキスには必要以上に触らないようにしましょう。魚に触れば触るほど手から体温が伝わり魚の温度を上げてしまいます。釣り用バケツからクーラーボックスに移す際にフィッシュグリップを使用するのもよいでしょう。
キスはさばく直前にクーラーボックスから出します。常温で放置してしまう時間が増えることも鮮度を落とす原因になるので要注意です。
キスのおすすめ料理法
キスは天ぷらが有名ですが、塩焼きや唐揚げ、刺身などでも楽しめる魚です。新鮮なキスは火を通すと身がふっくら、生だとほどよい弾力がある歯ごたえで、甘みと独特な風味があります。キスの大きさにあわせて料理方法を変えて、いろいろな食べ方でキスを味わいましょう。
塩焼き:内蔵の処理だけで簡単
<作り方>
- さばいた状態のキスの水気をキッチンペーパーで拭く
- 皮に切り目をいれる
- 軽く塩を振る
- 中火のグリルでこんがりと焼く
塩焼きは、キスに塩をふりグリルで焼くだけの手軽な料理法で、20cm以上の大きいキスがおすすめです。さばいたキスでも、頭をつけたままうろこをとり、内蔵を出すだけの最低限の下処理をしたキスでも作れます。火を通しすぎると身が固くなるので焼き加減に注意しましょう。
料理初心者でも簡単に作れるので、たくさん釣れたり、下処理に時間がかけられない時にぴったりですよ。
唐揚げ:小さいキスは丸揚げに
<作り方>
- さばいた状態のキスの水分をキッチンペーパーで拭く
- お好みで片栗粉や小麦粉、市販のから揚げ粉をまぶす
- 170℃〜180℃くらいの油でじっくりと揚げる
唐揚げは、さばいたキスに粉をまぶし、低めの温度でじっくりと揚げます。骨ごと食べる料理方法なので、15cm以下の小さいキスがおすすめです。低めの温度で時間をかけて揚げることで中骨や腹骨にも火が通り、骨も気にならずに食べられます。
キスに水分が残っていると油がはねて危ないので、水分はしっかり拭き取りましょう。
天ぷら:背開きにしよう
<作り方>
- さばいたキスを背開きにする
- 天ぷら衣を作る
- キスに天ぷら衣をつける
- 170℃〜180℃の油に皮目から入れ、揚げる
キスの天ぷらは、背開きにしたキスに天ぷら衣をつけ油で揚げます。天ぷら衣を作る際は守らないといけないことが多いですが、市販の天ぷら粉を使うと手軽で簡単です。油に入れる際は反り防止のために、皮目から入れるとよいでしょう。
王道の天つゆはもちろん、白身の淡泊な味わいを感じられるお塩でもおいしく食べられますよ。
刺身:三枚おろしに挑戦
<作り方>
- キスを三枚おろしにし、皮引きする
- 身を好きな大きさに切る
キスの刺身はシンプルに、三枚おろしにしてお好みの大きさに切るだけです。20cm以上の中型〜大型のキスが釣れたらぜひ挑戦してください。
キスは傷みやすい魚で、刺身で食べられる鮮度での流通量は少ないため、お寿司屋さんでもなかなかお目にかかれない一品です。キスの刺身こそ釣り人しか食べられない特権料理といえます。
キスはさばき方も簡単でおいしい魚
キスはさばき方もおろし方も簡単な魚です。手順にそってさばいたら、食べたい料理を決めて背開きや三枚おろしをしてみましょう。下処理をきちんとすれば、小さいキスも大きいキスもおいしく食べられます。
キスは漢字「鱚」のとおり釣り人である「喜び」を十分に感じられる魚です。キスをおいしく食べるため、さばき方を覚えて釣りの醍醐味を味わってください。
出典:Unsplash