ズバリ言います。シーバス(スズキ)はおいしく食べることができる魚です!
ただし釣った場所によってはまずい(臭い)個体も!
東京湾や大阪湾の湾奥でのシーバス釣りはキャッチ&リリースが基本
問題なのは汚染です。東京湾や大阪湾の湾奥や河口部にに居ついているシーバスには、臭いの強い個体が多いといわれています。しかし、臭い以上に一番注意しなければならないのは、このような環境に生息している魚は、シーバスに限らず、PCB、重金属、放射能などに汚染されている危険性が高いと言うことです。
大雨のあと大都市の沿岸や河川が臭い理由
ネガティブなテーマですが、釣りをする人(特にキャッチ&イートのアングラー)は知っておくべきなので、あえてとり上げました。下水道には合流式と分流式の二つのタイプがあります。問題なのは合流式下水道です。この方式では汚水と雨水を同じ下水管に流すので、少しでも強く雨が降ると下水の量が処理場の許容量を超えてしまいます。このとき、し尿を含む未処理の汚水は処理されることなく、専用の排出口から河川や運河に放出されているのです。大都市など早い時期に下水道が整備された地域では合流式が多くなっています。東京区部では80%以上、大阪市ではほぼ100%がこの合流式下水道になっています。
シーバス(スズキ)は本来おいしい魚です
シーバス(スズキ)は昔からおいしい魚として人気の食材です。寿司ネタでもタイやヒラメと並び白身の代表的な魚になっています。また、西洋料理でもよく使われており、スズキのムニエルは有名ですね。また、ランカークラスのシーバスはおいしくない、と言う人もいますがよい環境で育ったシーバスなら、大きな成魚でも旨みが乗っておいしいですよ。特に夏のシーバスはおすすめです。
シーバス(スズキ)をおいしく食べるために
おいしく食べるには釣り場での処理が肝心
シーバスに限らず釣った魚をおいしく食べるためには、釣った後すぐに〆て十分に血抜きをすることが重要です。〆方や血抜きの仕方はいろいろありますが、動画などを見て研究してください。釣り上げてすぐにハサミでエラを切り、さらに尾の付け根を骨まで切り込みをいれ、血を絞り出すように何度か魚体をひねると手軽に血抜きができます。獲物をおいしく食べるポイントですから、今までのやり方を見直してみるのもよいでしょう。生きている魚をそのままクーラーに放り込むのはよくありません。
シーバス(スズキ)をおいしく食べる方法!
シーバスを刺身で食べる
きれいな魚体のシーバスが釣れたら、ぜひ刺し身で味わいたいものです。きちんと処理すれば、夏のシーバスの刺身は、旨みがあり香りもよく絶品です。言葉での説明は難しいのですがシーバスは脊髄の骨が丸いため、3枚に下ろすのに少しコツがいります。また、下ろしているときにどうしても身が割れてしまいますが、身が割れやすいのはこの魚の特徴なので気にしないで下さい。また、下ろした後の頭は、縦割りにして湯通ししてから細かい鱗などをよく洗いおとし、酒、醤油、砂糖、みりんであら炊きにすれば立派なひと品ができますよ。
シーバスを洗いで食べる
鱸(スズキ)の洗いは夏の風物詩ともいえるもので、昔から人々に親しまれてきました。造り方は、柵にした身を薄めにそぎ切りにし、氷水に5分ほど浸してからキッチンペーパーなどで十分に水気を切り、器に盛りつけるだけです。酢味噌や梅肉醤油、わさび醤油などが合います。洗いを造るときのポイントは、死後硬直の始まる前の釣ってすぐの魚を使うことです。死後硬直前と死後硬直後のものでは食感が全く違います。
シーバスをソテーして食べる
フランス料理などのレストランのメニューに鱸(スズキ)のムニエルがありますが、家庭でも簡単にできます。作り方は、大型の魚の場合、三枚おろしにした身を切り身にして塩コショウをして、小麦粉をまぶします。バターかオリーブオイルをひいたフライパンで両面をソテーして、仕上げにバターを加えて出来あがり。別にソースを作っておいて、付けあわせと共に添えれば立派な一皿の完成です。
シーバスをマリネする
まずマリネ液を作ります。酢が2に対し砂糖とオリーブオイルをそれぞれ1の割合で混ぜ、塩とブラックペッパーで味を整えます。あとは、ハーブなど加えてアレンジしてみてください。マリネにする場合、生の身を使うパターンと油で揚げた身を使う場合の2通りのパターンがあります。生の場合は柵にした身を薄く削ぎ切りにして使います。油で揚げる場合は適当な大きさに切った身に塩コショウをして、小麦粉をまぶして揚げてください。生の身を使うパターンも油で揚げた身を使う場合、どちらの場合もオニオンスライスなど細切りにした野菜とともにマリネ液に漬け込み、頃合いを見はかり器にきれいに盛り付けてできあがりです。
まずいと言われている魚の食べ方を紹介します
クロダイ(チヌ)を食べる
クロダイ(チヌ)は、おいしい、まずい、の意見が分かれる魚です。魚の味が濃いので魚好きには好まれるようです。また汚染に強く浅場に生息し、さらに悪食な魚なので釣れた場所によっては臭いことも多いようです。釣りの初心者にとっては憧れの魚ですが、キャッチ&リリースする人もいます。この魚をおいしく食べるには、きれいな海域で釣れた魚を十分に血抜きして持ち帰ることが必須となります。食べ方はシーバス同様で、刺身、洗い、ムニエル、塩焼きなどが一般的です。
ブラックバスは食べられないのか?
ブラックバスは、原産地の北米ではもともと食用にされていた魚です。日本においては、大正時代に食用または釣りの対象魚として芦ノ湖に放流されたのが始まりといわれています。釣れた場所によっては臭くて食べられないという人もいますが、実際にはそのような個体は少ないようです。大型のブラックバスは腹の内側に付く脂が臭いようで、それさえ取ってしまえばおいしく食べられるそうです。淡水魚で寄生虫のリスクがある魚ですから、生食は避けるのが無難です。おすすめの料理はムニエルやフライです。
ボラはおいしく食べられるのか?
ボラはシーバスやクロダイと同様に汚染に強い魚です。大都市の汚い運河や河川でもよく見かけ、また釣り上げたときモーレツに生臭い個体がいたりしてイメージがよくありませんが、本来決してまずい魚ではありません。ボラは雑食性で、砂泥底の有機物を泥と一緒に食べたりするので汚染海域に生息している個体を食べる場合は注意が必要です。釣ったボラをおいしく食べるためには、まず、水質のよいところで釣りをすることが大事です。釣ったボラはすぐに〆て血抜きをしてください。おすすめの〆方は首折り(サバ折り)です。〆ると同時に血抜きもできます。食べ方として、ボラは火を入れると臭みが出る場合があるので、刺身や洗いがおすすめです。
川魚のウグイは食べられるのか?
ウグイもまた汚染に強い魚で、汚い川にもたくさん生息しています。たいていの人はキャッチ&リリースしていますが、水質のよい場所で釣れたものはおいしく食べられます、ぜひお試しください。また川魚ですから顎口虫などの寄生虫のリスクがあります。生食は避けたほうがよいでしょう。料理法としては、川魚の風味を楽しみたい人は、塩焼きで、臭いや小骨が気になる人は、から揚げを試してください。また、甘露煮もおすすめです。素焼きし、さらに干してから煮るときれいに仕上がります。
ベラはおいしく食べられるのか?
ベラはエサ盗りがうまい外道として、釣り人から嫌われることが多い魚です。ベラには種類がたくさんありますが、ここでは一番おいしいとされるキュウセンについて採り上げます。派手な色をしているので食べられないと思う人もいるかもしれませんが、実はこのキュウセン、大阪では評価が高く専用の釣り船も出るそうです。上品な白身で、天ぷらがおすすめです。また鱗とはらわたをとってしっかりと素焼きにし、焼きたてを生姜醤油で食べると抜群です。ぜひお試しを。
まとめ
都会の海にもたくさん生息し、臭い、まずい、と言われることも多いクロダイとボラ、またゲームフィッシュのブラックバスや川魚のウグイについても「食べる」と言う目線で見てきました。結論として、どの魚もおいしく食べることができます。おいしく食べるためには釣った後の処理(〆て血抜きをする)ことが重要です。また、汚い海や河川で釣れた魚でも食べられないことはありません、しかし健康に対するリスクを考慮することが大事です。