穴子ってどんな魚?
穴子は世界中の温帯、熱帯域の浅海から深海に生息していてウナギに似ていますが、アナゴはアナゴ科、ウナギはウナギ科で区別されています。
アナゴはウナギよりもたんぱくな味ですが、しっとりした食感が好まれているので、さまざまなレシピに活用されている人気の食材です。蒲焼や寿司のネタ、てんぷらなど誰でも知っている料理の主役として活躍します。
穴子はまだまだ謎が多い!?
穴子は身近で人気のある魚にもかかわらず、まだまだ研究中の魚で、穴子の生態は謎が多く残っております。天然の穴子が収獲できる場所なのに産卵前の穴子が見つかっていないなど、不明な点があります。
穴子の旬の時期は?
穴子の旬の時期は夏、または冬と言われております。夏の時期の穴子は脂が少なくさっぱりとしていて人気があります。穴子本来の味といえるでしょう。対象的に冬の穴子もおいしいとされています。脂が乗っていて夏とは違った味わいが人気です。好みは個人差がありますので食べくらべてみましょう。
おいしい穴子の簡単な見分け方は?
おいしい穴子を見分けるためには、鮮度の良い穴子を探すことが大事です。穴子の鮮度は簡単に見分けることができます。鮮度の高いものは表面のぬめりに透明感と光沢があります。皮にある白い斑点模様がしっかり出ているものも鮮度がよくおいしい穴子でしょう。
穴子の皮の色は薄い褐色です。この皮が黒っぽくなっていたり白っぽくなっているものは、鮮度が落ちていますので注意してください。
穴子の下処理方法は?
穴子の下処理の方法はお湯をかけて包丁でこそげ落とす方法です。この方法で簡単にぬめりを取ることができますのでお試しください。
穴子の皮はぬめりが多いので、まずはこれをしっかり取り除かなければいけません、水洗いだけではぬめりを取ることができません。ぬめり取りは一番大事な下処理で、おこなわないと料理のときに生臭さが残ってしまいます。絶対にぬめりは取るようにしましょう。
穴子の簡単なさばき方は?
穴子のさばき方①目打ちをする
さばき方の最初の項目は目打ちです。目打ちとはするどい先端を持った金具のことで、目打ちをするとは金具を突き刺し魚を固定することです。しっかり穴子を固定することによって、簡単に開きにすることができます。
しかし、自宅に目打ち道具がある家庭は少ないとは思いますが、ぬめりで滑りやすい魚なので、安全のためにもぜひ目打ちして開くことをおすすめします。
穴子のさばき方② 背側から開き、内臓を取る
さばき方の次の工程は、背側から開き、内臓を取ります。目打ちした側の背から包丁を入れて中骨に沿って尻尾まで開きます。穴子は目打ちで固定されているので、包丁をスライドさせるだけで切れるでしょう。開き終わったら内臓を取り除きます。指で内臓をつまみ、くっついている部分を包丁の先で切り取ります。
穴子のさばき方③ 背びれ、中骨、頭を取る
最後に背びれ、中骨、頭を取ります。包丁の刃先で背びれを取り、中骨に沿って尾びれまで逆さ包丁を入れましょう。中骨と身の間に包丁を入れて中骨を取り、最後に頭を切り落とします。
しっかり洗う!血には毒が含まれているので注意!
穴子には毒があります。さばく時は穴子についている血をしっかり洗い流してください。穴子の血には毒がふくまれているため、傷口に血が付着してしまうことのないようにしましょう。刺身として食べる時はもちろん、しっかり血抜きし洗った上で調理してください。
血にふくまれている毒は加熱すれば無害化できるので、さばき方の途中さえ注意すれば、焼き方は気にしなくても大丈夫です。
穴子のおいしい食べ方は?
穴子は白身魚で脂が少なくあっさりとした風味です。穴子のおすすめの食べ方は、その風味を活かすため焼き方にこだわった蒲焼、煮穴子を使った穴子飯、揚げ物、寿司のネタなどがおすすめです。
穴子の料理レシピは?
料理レシピ①:穴子の蒲焼
材料
- 穴子:1匹
- 醤油:350㏄
- みりん:300㏄
- 酒:100㏄
- 砂糖:250グラム
①下処理をする
穴子を開き下処理をおこないます。穴子の皮に熱湯をかけ包丁の背でこすり、ぬめりを取りましょう。
②塩で臭み、ぬめりを取る
臭み、ぬめりを取ります。穴子の開きに塩をもみこんでいきます。もみこみをしっかりしないと臭み、ぬめりが取れないのでしっかり塩をもみこんでください。もみこみ終わったら洗い流し、水分をふき取ります。
③穴子を焼く
焼き方のコツは、焼く前に穴子に串を通すことです。火を通した際に縮んでしまうので、串を通して阻止しましょう。自宅で蒲焼をする時に一番いいのはグリルですが、グリルがない場合はフライパンで代用可能です。
フライパンの場合は少し小麦粉をまぶしてから油をひいて焼いてください。フライパンでの焼き方のコツは、皮側をしっかり焼くことです。
タレの作り方
タレを作ります。みりんと酒を混ぜ合わせて、鍋にかけ沸騰させます。沸騰したら砂糖を溶かし、醤油を入れて再度沸騰させましょう。そのまま弱火で20分ほど煮詰めて完成です。
料理レシピ②: 人気で定番!煮穴子
材料
- 穴子:1匹
- 水(300ml)
- みりん(大さじ3)
- 醤油(大さじ3)
- 砂糖(大さじ2)
- 料理酒(大さじ3)
①穴子の下処理をする
穴子を開き下処理をおこないます。穴子の皮に熱湯をかけ包丁の背でこすり、ぬめりを取りましょう。
②煮汁を作る
材料をすべて鍋に入れ煮汁を作ります。火加減は中火です。
③穴子を煮て完成
煮汁がにたってきたら水を入れて穴子の開きを入れます。落し蓋をし火が通るまで中火にかけましょう。汁にとろみが出るまで20~30分煮ます。これで完成です。最後にお好みでワサビをトッピングするのがおすすめ。さっぱりしておいしくなります。
料理レシピ③:さっぱりおいしい 穴子の酢の物
材料
- 穴子:1匹
- キュウリ:2/3本
- ワカメ:適量
- 砂糖:一つまみ
- お酢:大さじ2
- 醤油:少々
- ごま油:少々
①きゅうりの下準備
きゅうりを輪切りにしておきましょう。輪切りにしたら海水より少し薄いぐらいの塩水にひたしておきます。乾燥ワカメを使用する場合は水にひたしてワカメを戻しておきましょう。
②穴子の下準備
きざんだ穴子を使います。煮穴子や市販の穴子を使用すると、香りや食感があまりよくありません。その場合は、一度フライパンで焼いておくと穴子が香ばしくなるのでお試しください。
③最後にすべてを混ぜ合わせる
塩水にひたしておいたキュウリを取り出し、しっかり水分を絞ります。絞ったキュウリ、ワカメ、穴子をボールに入れて、砂糖、お酢、醤油をお好みの量入れ、すべてを混ぜ合わせましょう。味付けが決まったら、最後にお好みでごま油をかけるとさらにおいしくなります。これで完成です。
料理レシピ④:穴子のソテー
材料
- 穴子の開き:1匹
- キュウリ:半分
- トマト:1個
- ピーマン:1個
- ニンニク:適量
- 塩、コショウ、オリーブオイル、小麦粉、サラダ油:各適量
①穴子の下処理
穴子の下処理を行います。穴子の皮に熱湯をかけ包丁の背でこすり、ぬめりを取りましょう。
②穴子をソテーする
穴子を5センチぐらいの長さに切って、塩、こしょう、小麦粉をまぶします。焼き方はフライパンにサラダ油を入れ、にんにくを軽く炒めて穴子を入れソテーします。
③最後に盛り付け
皿に穴子を盛り付けて、キュウリ、トマトをお好きな形にカットして盛り付けます。オリーブオイルに塩、コショウを混ぜて穴子にかけて完成です。
料理レシピ⑤:意外と簡単!穴子の炊き込みご飯
材料
- 穴子:1/2匹
- 米:1合
- 醤油:小さじ1
- 酒:小さじ1
- みりん:小さじ1
- 水:200ml
- 山椒:適量
- 蒲焼のたれ:適量
①米の下準備
米をとぎ30分程度水につけておきます。こうすることで炊き上がりがふっくらし、おいしい炊き込みご飯に仕上がります。ただし水につけすぎると炊き上がった際にお米がべたべたしてしまいます。注意しましょう、
②蒲焼にした穴子1/2匹を準備
蒲焼にした穴子を準備して、大き目の千切りにします。穴子の量はお好みで大丈夫。多くなっても問題ありません。
③炊飯器に米、穴子を準備
水につけておいた米を炊飯器に入れ水、醤油、酒、みりん、蒲焼のタレを入れ、軽く混ぜて通常通り炊飯をしてください。蒲焼のタレは、普段蒲焼にかける程度を目安に入れましょう。
④米が炊きあがったら、穴子を軽く蒸す。
米の炊飯が終わったら、米の上に穴子を置き軽く混ぜ合わせ蓋を閉め10分程度蒸してください。蒸すことで穴子がふっくらします。
⑤完成
炊飯器の蓋を閉め10分程度蒸したらお茶碗に盛ってお好みで山椒をかけてください。これで完成です。
穴子って何種類いるの?
穴子は世界中に150種類以上、日本周辺には約20種類生息しています。鑑賞魚としても飼われている種類もいてチンアナゴは有名です。食用として流通しているのは「マアナゴ」と「クロアナゴ」の二種類が主です。
マアナゴ
マアナゴは食用の穴子として、もっともポピュラーで25~40センチぐらいが一番おいしいとされます。北海道以外の日本全国の砂泥底に住んでいます。脂肪分が少なく、フワフワした食感でいろいろな食べ方を楽しめるおいしい魚で、一般的に流通している穴子のほとんどがマアナゴです。
クロアナゴ
クロアナゴもマアナゴと同様、日本でよく獲れる穴子です。マアナゴとくらべ大型に成長し1.5メートルを超える個体も珍しくありません。2メートル超えの個体までいるので驚きますね。
しかし、大型になると大味になってしまいます。マアナゴの方がおいしいといわれることもありますが、同じサイズ感であればクロアナゴも味の差はありません。
人気の天然穴子は?
黄金穴子
長崎県沖の対馬近海のブランド穴子である黄金穴子。漁場は対馬近海の深海200メートル付近です。対馬近海は寒流と暖流がぶつかることから穴子のエサとなる小魚が多く穴子にとって恵まれた環境です。そこで育った穴子は脂の乗りが程よく、希少価値が高い人気のある穴子となるでしょう。
三陸穴子
宮城県三陸産の穴子です。三陸は寒流と暖流が流れているため、多種多様な生物が暮らしています。沿岸はリアス式であるため地形が入り組み、これが穴子を成長させるにはぴったりの環境となるのです。おいしい穴子が育ちます。
伝助穴子
明石海峡で取れる伝助穴子はクロアナゴで、300グラム以上に成長した穴子を伝助穴子と呼びます。あっさり味のマアナゴとは違い、脂の乗った伝助穴子はこってりして味わい深いことが特徴です。一般的に取れるマアナゴの旬は夏ですが、伝助穴子の旬は冬となっています。
人気の養殖穴子は?
泉南アナゴ
大阪湾で取れたアナゴの稚魚を育てたのが泉南穴子です。もともと穴子漁が盛んであった泉南市ですが、水揚げ量が減少していました。それに危機感を感じた漁協メンバーが近畿大学で養殖の技術を学び、それを元に養殖され、いまにいたります。
もっともっと穴子を知ってほしい!!
穴子は基本的に一年中食べることができます。旬と言われる季節が夏と冬の2回あり、季節ごとの味わいを楽しむことができることが魅力でしょう。さばき方にコツはいりますが、白身魚でさっぱりしているため食べ方や焼き方の工夫がしやすく、簡単でおいしい食べ方がたくさんあります。
ここで紹介した人気の高い料理にどんどん挑戦していきましょう。
出典:ライター撮影