アイナメはどんな魚?
アイナメの特徴
アイナメはスズキ系カサゴ目アイナメ科アイナメ属の海水魚です。比較的低水温を好む魚で適水温は8~15℃と低く、秋の終わりごろから初冬にかけてが産卵期になります。釣れるシーズンは主に1~4月の春先か11~12月の産卵が終わった頃です。普段は海中の隙間に隠れ、甲殻類や多毛類を捕食します。そのため、上から落ちてくるエサに強い興味を示す特徴を持つので釣るときはエサを上から落として誘う「ブラクリ釣り」で釣ると効果的です。アイナメは周囲の環境によって体色を変える魚で赤、紫、黄色などさまざまな色に変わります。
アイナメの大きさ
アイナメは平均30~40センチ前後の魚です。まれに60センチを超える大きさに成長する個体も存在します。アイナメは比較的成長の早い魚で、生まれた時は数センチほどの大きさしかありませんが、オスは1年、メスは2年ほどで成魚になり、どちらも4年ほどで約40センチ位まで成長する魚です。
アイナメの生息地
アイナメはメバルやカサゴ、ハタなどと同じ根魚で岩礁帯の底付近を好み、岩やテトラポッドなどの隙間や、堤防の基礎部についていることが特徴です。アイナメは主に朝方に活動する魚で、昼はあまり活発ではなく夜は眠っているため、釣る際は朝方に釣ると数が狙えます。産卵を終えた回復期のアイナメについては積極的にエサを取るために活動時間が長くなるので夜の時間でも釣りやすくなります。
アイナメのさばき方の手順
さばき方手順①:鱗を取り頭を落とす
まず、他の魚を調理するときと同じように鱗取りで鱗を取ります。しかし、アイナメの鱗は細かいため鱗取りでは取りにくい場合は、包丁を直角に当て鱗の流れと逆方向に撫でるようにして剥がしていくという方法もあります。鱗を取った後は、胸ビレと背ビレが頭側につくように包丁を入れ、反対側も同じように包丁を入れたら背骨を断ち切って頭を落とします。
さばき方手順②:内臓を取り水洗いする
先ほど頭を落としたアイナメをおろす前に、頭の切り口から逆さ包丁で刃を入れ、包丁の先を使って内臓を掻き出します。お尻の部分まで切り開くのがコツです。その後、水洗いをして血合いの部分をきれいに取り除き血抜きをします。血抜きが不十分だと臭みの原因にもなるので、しっかりと血抜きを行うのが大事です。洗ったらしっかりと水気をふき取ってください。
さばき方手順③:三枚おろし
水洗いが終わったらアイナメをおろしていきます。おろすときは三枚おろしが最もメジャーです。まず、目印として背中側からヒレの付け根まで皮だけを切るようにして線を入れ、そこから再度包丁を入れ、背骨まで切り進めていきます。背骨まで切り進めたら、今度は反対側も同じように切り進めます。その後、背骨と身が繋がっているだけの状態になるので、包丁を背骨と身の間に入れ一気に刃を滑らせるようにして剥がし、反対側も同じようにすれば三枚おろしの完成です。
さばき方手順④:骨の処理
最後に、骨の処理を行います。おろした半身の腹骨と小骨の付け根を逆さ包丁で外し、その後、外したところから包丁を入れ、残った腹骨をすいてその部分を切り取れば腹骨の処理は終わりです。後は、残った小骨を抜いていきます。指や目で小骨の位置を確認し骨抜きなどで小骨を抜いていきます。骨の周りの身を押さえながら抜くのがコツです。
アイナメを使った料理
アイナメの味
アイナメは血抜きを十分に行えば、とろりとした食感と上品で優しい味を感じることができます。アイナメは筋繊維が非常に細く、人によって淡泊な味がする、逆に濃厚で上品な味がするなど、意見が分かれる魚でもあります。基本的にアイナメはそこまで味の濃い魚ではないので、濃い味付けにしても素材の味を邪魔せず活かしていくことができます。アイナメは夏から冬の時期が旬で、脂がのるのでその時期に釣れたらぜひ美味しく調理してみてください。
アイナメ料理の種類
アイナメ料理にはさまざまな種類がありますが、アイナメは比較的旨味を感じられない魚です。そのため、刺し身以外では主に火を通す調理法が主流になります。この記事ではアイナメ料理の中でもよく知られており、メジャーなものをピックアップして取り上げていきます。
刺し身
アイナメを刺し身にするときは、なるべく大型のものを使うと小さいものよりも旨味を感じられます。アイナメを刺し身にするときのコツは、よく切れる包丁を使うことと、血抜きや水洗いをしっかり行うことです。刺し身は盛り付けなど見栄えが重視される料理なので、よく切れる包丁を使うことで調理のしやすさだけでなく、きれいな断面になるので見栄えが良くなります。また、血抜きが不十分だと臭みの原因になりますので、血抜きやその後の水洗いをしっかり行うことが重要です。
潮汁
アイナメは潮汁にしても負いしく食べられます。三枚おろしで余ってしまう中骨や頭なども効率よく使えるのでおすすめです。潮汁にするときは、下処理の時に塩を振っておくと臭みがとれます。また、余分な水分を取り除くことができるので、アイナメの旨味をより引き出すことができます。調理時のコツは火加減です。沸騰しない位の火加減に保つことでゆっくり出汁をとるとよりおいしく仕上がります。
ムニエル
ムニエルは白身魚と相性がよく、アイナメにもおすすめの調理法です。ニンニクやスパイス、ハーブなどとも相性がよく、臭いを気にせず食べられます。ソースもタルタルソースなどさまざまなソースと合わせることができます。また、アイナメは皮目もおいしい魚ですので、皮つきでも美味しく食べられます。皮つきにするときは、皮が縮まないように皮に切れ目を入れるのがコツです。
煮付け
アイナメは煮付けにしてもおいしく食べられます。他の魚で慣れている方は手早く簡単に調理できるので複数の料理を用意するときにも覚えておくと役に立ちます。煮付けにするときは、あまりぐつぐつ長時間煮込んでしまうと身の味が飛んでしまうので、強火でサッと仕上げるのがコツです。調理するときに、皮についている汚れがどうしても気になるという方は熱湯に潜らせた後、氷水につけることで汚れをより落とすことができるのでおすすめです。
アイナメを料理するときのコツ
調理するときの注意点
アイナメを調理するときに注意する点で、まず1つ目はヒレのトゲです。調理するときはヒレを取ることになるので、ヒレについているトゲでけがをしないように注意しましょう。けがをしないよう手袋をつけるのもおすすめです。2つ目はアニサキスなどの寄生虫です。アイナメは沿岸の方に生息し、また鮮度も落ちやすいことから、特にアニサキスなどの寄生虫に寄生されやすいです。アニサキスは鮮度が落ちたアイナメに寄生しやすいので、アイナメの鮮度には十分注意してください。
おいしいアイナメを見抜くコツ
アイナメの目利きのコツ
アイナメ料理は鮮度が大事です。アイナメの鮮度は目利きで見分けられる点も多いのでしっかり目利きすることが大切です。まずアイナメの目が澄んでいるかどうか確認しましょう。濁っていたら鮮度が落ちています。次に身をチェックします。ここで重要なのは、全体にぬめりや艶があり、模様、色合いがはっきりしているかどうかです。また、もし触れたらはらを触ってみて緩んでいるものは鮮度が落ちているので注意です。最後にエラを見ます。赤い色が抜けているものは鮮度が落ちているので気を付けましょう。