さっぱとは
さっぱとはニシン科の魚で体長は10〜15cmです。名前の由来は笹の葉っぱのように小さい魚(笹魚)からさっぱと呼ばれるようになりました。関西でよく流通していますが、関東では市場にはほとんど出ていません。岡山県ではママカリと呼ばれ、酢漬けや酢飯と一緒に握ったママカリ寿司が郷土料理としてあります。
コノシロとの違い
さっぱとコノシロはよく似ていますが、パッと見て二ヶ所違いがあります。一つ目の違いは体表にある模様です。コノシロにはお腹の真ん中から背中にかけて横一列に斑点模様があるので、見分けられます。二つ目の違いは背鰭の形です。コノシロの背鰭は一本だけ長く飛び出ているのでさっぱと見分けがつきます。
さっぱはどこにいる?
さっぱを手に入れようと思った時、スーパーに行っても関東ではなかなか見当たりません。最も簡単に手に入れる方法は、自分で釣りに行くことです。さっぱはサビキ釣りで釣れるので買うより釣った方が簡単です。堤防や河口の汽水域に群れていて、夏の終わり頃から秋までによく釣れます。
さっぱの締め方と下処理の仕方
さっぱを釣った後は締めて下処理をします。きちんと下処理をしないと、魚に生臭みが出たり、場合によっては食中毒を起こす可能性もあります。おいしく、安全に食べるために正しい処理の仕方を身に付けましょう。
さっぱの締め方
魚の締め方はたくさんありますが、さっぱなどの小魚は氷締めが1番です。氷締めとは、海水を氷で冷やし、魚を直接入れて絶命させる締め方です。クーラーボックスに氷を入れて、釣れた魚をそのまま入れれば簡単にできます。氷は直接入れると海水の塩分濃度が下がるのでペットボトル氷や、保冷剤がおすすめです。
血抜き
もしも、少し大きなさっぱが釣れたときや、他の大物が釣れた時は血抜きをしてみましょう。血抜きをすると魚の臭みが減りおいしく食べられます。画像の黒丸部分にナイフを入れると出血するので、海水に入れて5〜10分ほど置いて血を出します。血が止まったらクーラーボックスに入れて保管します。
さっぱの持ち帰り方
釣ったさっぱの持ち帰り方ですが、氷締めした場合はそのまま自宅に持ち帰っても問題ありません。クーラーボックスが重くなるので、海水はある程度捨てて氷に浸かった状態にしましょう。もし血抜きをした場合は、ジップロックや新聞紙に包んで魚をクーラーボックスの下に入れ、上から氷を入れると鮮度を保てます。
魚と氷の間にタオルを敷くと身を傷めず持ち帰れます。
ウロコの取り方
さっぱのウロコは硬くびっしりとついているので丁寧に落としましょう。右手で包丁の刃先を魚に垂直に当てて、尻尾側から頭の方に向かってスライドさせます。左手は頭を軽く抑えて、魚を安定させます。胸鰭と背鰭の部分はウロコが残りやすいのでよく確認しましょう。
魚のウロコは飛び散りやすいので、大きいビニール袋などに入れて作業すると、周りを汚さずに済みます。
臭みの消し方
さっぱの臭みが気になる方は、一手間加えることで臭みをなくせます。三枚に卸したさっぱをザルやバットに並べ塩を軽くふります。10〜15分ほどおくと魚から水が出てくるのでキッチンペーパーでよく拭き取ります。これだけでかなり臭みが減ります。表面に滑りがあるものは水で洗うだけでも違います。
釣った魚以外にスーパーで買った魚にも効くのでぜひ一度試してみてください。
さっぱのさばき方
さっぱは小さい魚なのでさばくのが難しく思われますが、コツをつかめば簡単にできます。使う道具は専門的な物は必要なく、家庭にある三徳包丁やペティナイフで対応できます。大量に釣れた時などは効率を重視して、大きい魚とは違った処理をし、魚をなるべく常温で放置するのを避けましょう。
頭と内臓のさばき方
さっぱのウロコを取ったら頭と内臓を落とします。写真の黒線の部分を落とします。頭を落とす際は胸鰭を頭側に残しましょう。マグロやブリなどの大きな魚は胸鰭をカマとして使いますが、さっぱなどの小魚は食べるところがほぼないので、頭と一緒に落とします。
次にお腹の部分を落として内臓を落とします。最後に包丁の刃先を使って残った内臓をかき出します。
三枚おろしのさばき方
魚のさばき方に三枚おろしがあります。手順は、まずさっぱの頭を左にして頭と内臓を落とします。次に頭側を奥にして腹から包丁を入れます。中骨に沿って尻尾まで入れたら、次は背中から同様に尻尾から頭まで包丁を入れます。最後に尻尾側から頭に向かって包丁をスライドさせ身を切り離します。
反対側も同様にします。包丁を入れる手順は、上身は腹側、背側、下身は背側、腹側の順番です。
大名おろしのさばき方
さっぱなどの小魚には大名おろしでさばきましょう。尻尾から頭まで包丁を1回で下ろすやり方です。手順は、まず頭と内臓を落とし、写真の様に尻尾の付け根、もしくは頭を落とした側から包丁を入れ中骨に沿って一回で身を剥がします。
三枚おろしよりも手数が少なく済みます。中骨に多少身が残りますが、大量に魚が釣れた時など効率よくさばけます。
開き
さっぱをフライにするには開きにします。お腹から中骨に沿って尻尾まで切り開きます。次に中骨を中骨を丁寧に取り除き、最後に腹骨を包丁で削ぎ落とします。開きには2種類あり、お腹側から開く腹開きと、背中側から開く背開きがあります。
関東では腹開きは切腹を連想させるので、嫌う人もいますが簡単なやり方なので、気にならない人は腹開きをおすすめします。
さっぱの人気の食べ方
さっぱは淡白な味なのでいろいろな調理法との相性がいいです。よく小骨が多く食べづらいと言われますが、調理法や食べ方を工夫すれば、骨も気にならずに食べられます。郷土料理にもありますが、お酢との相性はバツグンなので試してみましょう。
さっぱの刺身
釣った魚を刺身で食べれるのは釣り人の特権です。さっぱも刺身でいただきましょう。刺身にする際の注意点はニシン科の魚は皮目に小骨が多くあります。皮を引いた後皮目に隠し包丁を入れると骨が切れるので食べやすくなります。一手間加えるだけでとてもおいしくなるので一度試してみてください。
さっぱの酢漬けのレシピ
大量にさっぱが釣れた時は保存の効く酢漬けにしましょう。しっかり酢に浸かれば、骨まで柔らかく食べられます。さっぱの酢漬けのレシピです。
- さっぱは三枚におろしに軽く塩を振り15分ほど置き余計な水分を出します。
- 表面についた塩と水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
- タッパーにさっぱを並べお酢をひたひたになるまで入れます。
- 2時間ほど置いて身が白っぽくなれば完成です。
- お好みで砂糖を入れてもおいしいです。
さっぱのフライのレシピ
さっぱはフライとの相性もバツグンで人気の食べ方です。弱火でカリッと揚げれば小骨も気にならず食べれます。さっぱのフライのレシピです。
- さっぱを開きにします。
- 軽く塩をふり小麦粉を薄くつけます。
- 溶き卵に潜らせます。
- パン粉をつけます。
- 170〜 180°cの油で4分ほど揚げます。
- お好みで千切りキャベツやレモンを添えます。
さっぱはおいしい
魚の締め方、さばき方はたくさんありますが、さっぱにあった方法をとると効率よく作業できます。紹介した方法は簡単で人気のやり方なので真似してみてください。さっぱの食べ方についても人気の物をチョイスしました。丁寧な下処理をして、おいしくさっぱを食べましょう。
出典:photo-ac.com