サバにはどんなさばき方がある?
サバのおもなさばき方は3つあり、2枚おろし・3枚おろし・開きの3つを料理にあわせて使い分けます。刺身や身の崩れにくい料理は3枚おろしで、身の崩れやすい煮魚・焼き魚には中骨を残す2枚おろしが最適であり、干物によく使われる開きは1尾を切り分けないさばき方です。
サバは身の傷みが早く、寄生虫のいる可能性も高いので、内臓は手早く処理して冷凍します。
サバの簡単なさばき方
必要なもの
- 包丁(切れ味を確認)
- まな板
- キッチンペーパー
- 布巾
- バット(下処理をする前と後で使い分ける)
サバの簡単なさばき方である3枚おろしに必要なものは6つで、大切なのは寄生虫や細菌を広げないために、サバを触る前に出しそろえることです。
用途は、キッチンペーパーはサバの水気をふき取るためで、バットは下処理をする前と後のサバを分けて置くためです。包丁は刃の切れ味が悪いと身が崩れて料理がしにくくなるので、事前に切れ味を確認してください。
下処理①:うろこをそぎ取る
サバの下処理は大きく3工程に分けられ、1つ目の工程はうろこをそぐ作業で、さばきやすくするために必要です。やり方は身を少しだけ起こし、尾びれから頭に向かって包丁の刃先でうろこを逆なでるように動かします。身に刃を入れる前に行うのが大切で、雑菌の多くついたうろこやぬめりを身に付けないためです。
下処理②:頭を切り落とす
下処理の2つ目の工程は頭を切り落とす作業で、簡単なやり方では頭を一直線に切ります。胸びれをめくって付け根に刃先を入れたら、腹びれの付け根までを結んでまっすぐに切ってください。サバを裏返したら同じように2つのひれを一直線につないで刃を入れて、中骨も切って頭を落とします。
下処理③:内臓を取り水ですすぐ
下処理の最後の工程は、内臓を取りのぞいて身の内側をすすぐ作業で、雑菌・寄生虫の対策にまな板や包丁まできれいにしましょう。
内臓の取り方は、腹側の小さな穴(こう門)から刃先を入れて頭側の切り口まで切り、刃先でかき出します。中骨近くに残る血合いは束ねた竹串でこそぎ、水でしっかりと洗い流しますが、身を水にさらすとうまみが逃げるので手早く行ってください。
おろし方①:2枚におろす
魚を切り分ける作業には大きく2つの工程があり、1つ目は2枚におろす作業で、煮魚をつくるときは一般的に2枚おろしまでです。
おろし方は腹側のこう門~尾までの皮を切り、切っ先が中骨に届くまで刃を入れ中骨伝いに引き切ります。背側を手前にして中骨までの皮と身を切ったら、尾の付け根近くを貫通させ、刃の向きを変えて身と中骨を切り離していき、尾で切って完成です。
おろし方②:中骨を切り外して腹骨を取る
おろし方の2つ目の工程は骨を取りのぞく作業で、中骨を切り離して3枚におろし、身に残った腹骨をすき取ります。
さばき方は2枚おろしと同じ方法で、身を下面にして、背の頭側から皮を切って中骨伝いに切り、腹側は尾の付け根から同じように行ってください。内臓のあった部分に付いている腹骨は、包丁の峰(背側)で皮状にはがし、刃先で身に沿ってそぎます。
サバを簡単にさばくコツ
サバは直前まで冷やしておく
サバを簡単にさばく1つ目のコツは、さばく直前までサバをしっかりと冷やしておくことです。サバは身が柔らかいのでさばくときに身が崩れやすく、冷えているほうが身が引き締まって刃がとおります。冷凍した身であれば冷蔵庫で5~8時間かけて解凍させ、芯が残るくらいの状態がおすすめです。
うろこは切り口になる部分を入念にそぐ
サバを簡単にさばく2つ目のコツはうろこのそぎ方で、切り口になるひれの付け根を入念にそぐことです。理由は、うろこが身に付くと透明で取りのぞきにくいためであり、胸びれの根元にあるうろこは硬いので刃のとおりを悪くします。
サバのうろこは基本的にあまり硬くなく、そぐときに飛び散りにくいですが、キッチンペーパーを下に広げておくと捨てやすいです。
力まずに少しずつ切り進める
サバを簡単にさばく3つ目のコツは一気に切ろうと力まず、少しずつ切り進めることです。腹側・背側から皮と身を切るときは、片側につき計3回を目安に皮と身に切り込みます。刃の入れ方は皮に対しては斜め、身に対しては水平にし、切り口は反対側の身をおさえると見やすいです。
片身と中骨を切り離すときは、内臓部分の中骨が腹骨とかみあっていて硬いので力を入れましょう。
骨はよく見て取りのぞく
サバを簡単にさばく4つ目のコツは骨はよく見ながら取ることで、腹骨は刃先を確認しながらそぎ、中骨はトゲ抜きの要領で1本ずつ抜きます。
腹骨は身を削りすぎないように、皮状に浮かせた腹骨をめくって切り口を確認しながら刃を進めてください。食べやすくするには中骨も抜くのがおすすめで、身を押さえながらピンセットで抜きます。
サバの刺身のさばき方
さばき方①:半分に切って骨を取る
サバの刺身のさばき方は3枚におろしてから2つの工程があり、1つ目は中骨を切り取る作業です。外側のうすい皮は切る前にはぐのがおすすめで、身の両端をやさしく押さえながらはぎ取ります。皮目を下に裏返して中骨が片側だけに残るように身を半分に切り、中骨の残った身から中骨を切り落としてください。
さばき方②:平造りにする
刺身のさばき方の2つ目の工程は切り身にする作業で、身の柔らかい魚に向いた平造りにするのが一般的です。さばき方は手前に引き切るのが特徴で、刃元を繊維に対して垂直に入れて刃先で切り終えます。
刃先をほんの少しだけ外側に向けて下ろすと、盛り付けたときに角が目立って見栄えがよく、切込みを浅く入れると歯切れがよいのでおすすめです。
サバの開きのさばき方
さばき方①:腹開きにする
サバの開きのさばき方には大きく2つの工程があり、1つ目の工程では身を腹開きにします。
下処理と腹側のこう門から下を開く作業は3枚おろしと同じで、腹を開いたら中骨・腹骨をつなぐ軟骨を切り、背側の身まで腹側から刃を入れてください。背側に刃を入れるときは、背に指を当てて皮を切らないように確認しながら慎重に切り進めます。
さばき方②:骨を切り取る
開きの2つ目の工程は腹骨を取りのぞく作業で、食べやすくしたいときには欠かせない作業です。要領は3枚おろしと同じであり、中骨を取るときは皮目を上にして中骨のついているほうの身だけに切り込んで、身と中骨を分けます。腹骨をとるときは中骨側から包丁の峰を使ってすくい上げ、刃先ですき、切り取ると完了です。
さばき方別のサバ料理レシピ
3枚おろし:しょうが焼き
3枚おろしで作る代表的な料理はしょうが焼きであり、材料は中骨を取ったサバと塩・薄力粉・油で、味付けはしょうが・酒・みりん・しょうゆです。
レシピは簡単で、片身を半分に切り、塩を両面にまぶして冷蔵庫で10分放置して臭みを抜きます。薄力粉をまぶして中火で2~3分焼き、しょうがと調味料を加えて、サバにかけながら2~3分煮詰めて完成です。
刺身:締めサバ
サバの刺身の代表的な料理は締めサバで、材料はサバ・塩・酢のみであり、付け合わせにしょうがの千切りやワサビもおすすめです。
レシピは4つの工程があり、塩で締め、酢で締め、冷凍してアニサキス処理をしたら、解凍して切り分けます。時間の目安は塩締めに1時間、酢締めに15分、冷凍処理に48時間で、半日ほどかけて冷蔵庫で解凍して皮・骨を取って切り分けて完成です。
開き:干物
サバの開きを使う代表的な料理は干物であり、材料はサバと塩水だけで、作り方も簡単です。10パーセントの塩水に1時間漬け、水気をしっかりと取って室内か冷蔵庫で半日~一晩干します。
おいしく焼くコツは低温で時間をかけることで、皮目を上にして中火で焼き、弱火にして皮目も焼いてください。簡単に焼きたいときは、フライパンにクッキングシートを敷いて焼くのがおすすめです。
サバのさばき方をマスターして料理しよう!
サバのさばき方は比較的簡単ですので、料理にあったさばき方とコツ、簡単なレシピを押さえておいしく料理しましょう。サバは食中毒にきちんと注意する必要があり、傷みが早く、アニサキスがいる可能性も高いので、新鮮な身を冷凍または加熱してから使ってください。
出典:写真AC