美味しいシーバスを食べれる旬はいつ?
冬のヒラメ、春のマダイ、夏のスズキ
各季節の旬の魚を表現する言葉で、冬のヒラメ、春のマダイ、夏のスズキはよく使われる言葉です。この言葉にもあるように、シーバスの旬は夏です。夏のシーバスがおいしいとされる理由は、春に産卵を終え身がやせてしまい、夏に向けて体力回復を図り脂がのるためです。一般的には旬は夏とされていますが、冬の産卵間近の個体も脂がのっており非常においしいとされています。
食べるのに適したサイズ
シーバスは出世魚で大きさにより呼び方が変わる魚です。また、関東と関西で呼び方が違うのもシーバスの特徴と言えるでしょう。関東での呼び方では、20~30cmは“セイゴ”、40~60cmは“フッコ”、それ以上の大きさを“スズキ”と呼ぶのが一般的的です。食べておいしいと言われているのは“フッコ”サイズです。大きな個体はその分歳を重ねているので大味になりがちです。自分で釣る以外に購入して食べる際は40~60cm程度のものを見分け方の基準として選ぶことをおすすめします。
シーバスの味に大きく影響する“釣れた場所”
居着き個体と回遊個体、食べるならどっち?
シーバスは色々な場所で釣れる魚です。そのため、シーバスは釣れた場所と同じ味やにおいがして環境に大きく影響される魚といえます。しかし、シーバスの中には居着きの個体と回遊個体が居るため環境の良くない場所で釣れたからと言って一概に質が悪いとは限りません。回遊個体は体全体が銀色で、身が締まっており、においが気になりませんが、居着き個体は茶色や緑がかった色をしており、身に締まりがなく、臭いにおいがします。これは、水質や食べている物の違いが影響していると言われています。このことから、食べるのに向いているのは回遊個体と言えるでしょう。
サーフ
サーフは塩通しが良く環境がいいことが多いです。急深サーフなどでは、まれに居着き個体がいることがありますが、ほとんど回遊個体のため食べるのに適していると言えるでしょう。また、居着き個体であっても環境がいいため臭みがない個体も多いと言われています。
磯
磯も潮と押しも良く、波も打ち寄せてはひいたりして、常に水は変化し動いております。したがって磯はむしろサーフより環境がいい所が多いです。サーフよりも居着き個体が多いですが、環境の良さから居着き個体の状態は極めて良いので、磯で釣れたシーバスは文句なしに食べるのに適しているといえます。
河口
河口の場合、ベイトフィッシュを追いかけて来た回遊個体と、河川の居着き個体が入り混じるポイントとなります。河川の居着き個体でも都市部を流れている河川でなく、きれいな川であれば臭みも強くないので食べられない個体はそんなに多くはないです。ベイトフィッシュを追いかけて上流にシーバスが来るタイミングとしては、春先の稚鮎を追ってくるパターンと、秋の落ち鮎やコノシロを追っているパターンが一般的です。春と違って、秋パターンは大型のシーバスが釣れやすのでおいしいシーバスを食べるならこの機会を狙うのがチャンスです。
湾奥
湾奥は、いままで説明したフィールドの中で一番人間の生活圏に近く水質が悪く、環境も良い所はは少ないです。他のフィールドの居着き個体より臭いがきついことが多く、食べられないと言った話も多いです。しかし、回遊個体がいないわけではないため、回遊して早々に釣った個体であればおいしく食べることが出来ますが、確率が低いため食べるのはあまりおすすめできません。
釣ってから持ち帰るまでの処理について
ここまではフィールド別に大まかなシーバスの一般的な個体差をご紹介しましたが、シーバスを釣った後の処理も味に大きな影響を与える要因です。誤った処理で保管した場合せっかくのおいしい魚が食べられない事もあります。また。海の生き物ですので寄生虫などにも注意が必要ですので適切な処理することをおすすめします。
おいしく食べるためのに① “活き締め”
釣った魚をおいしく食べるための活き締めの方法はいくつかありますが、神経締めが最も鮮度を保つことが出来る締め方と言われています。手間や道具が必要なことを考えると、難易度も高くなかなか素人には難しい方法です。したがって、今回は簡単な活き締の方法であるナイフ(ハサミ)締めのやり方をご説明します。
ナイフ(ハサミ)締めは人によってやり方が違ってことが多いですが、この動画の方法は非常に簡単でおすすめです。動画内では尻尾部分への切り込みを入れていないですが、切り込みを入れると更に血が抜けやすいです。そして血を抜くために、海水につけるのが重要なポイントです。間違えて真水などで血抜きを行うと身が水っぽくなってしまい、味が落ちてしまうので注意が必要です。
おいしく食べるために② “氷に直接触れさせない”
締めたシーバスを持って帰るさいに注意しなくてはいけないポイントとして、クーラーボックス内で氷を直接シーバスに触れさせないことです。魚体に直接氷が触れてしまうと“氷焼け”という状態になってしまいます。氷焼けを起こすと身が水っぽくなり、魚の身が白っぽくなります。また、溶けた氷の水は真水ですので、更に水っぽくなってしまいます。ベストなのは締めた後のシーバスに新聞紙を巻き、海水をかけて魚体に張り付く状態にして、ビニール袋等に入れてからクーラーボックスに入れるのが最適です。
白身魚の代表格“シーバス”のおすすめな食べ方
ここまではおいしいシーバスの見分け方のお話をしてきましたが、ここからはおいしくいただくための料理についてご紹介します。シーバスは主にイタリアやフレンチで使われる食材として有名です。クセが少ない白身はどんな料理にも使うことができるので、食材としても非常に貴重な魚です。シーバスをたくさん釣って、おいしくいただきましょう。
刺身
まずは何といっても刺身がおすすめです。身質はプリプリしており、淡白な味ながら脂が乗っていて絶品です。クセが気になる方は薄造りにするといいかもしれません。刺身にする場合は鮮度が良くないと食べられません。上手に活き締をしてクーラーボックスで保管して下さい。また、寄生虫などのリスクもありますので刺身でいただく場合は十分に注意してください。
洗い
シーバスの刺身のクセが苦手という方は、洗いにしていただくことをおすすめします。洗いはシーバスの臭みやクセを無くしてくれるので、より純粋な旨味と食感を楽しむ事ができる食べ方です。洗いのやり方は、刺身の状態にした身を氷水ですすぎます。すると、すすぎに使った水に余分な脂が浮いてきます。また、身が白くなり半透明の状態になれば完成です。あまり氷水につけすぎるとうま味まで逃げ出してしまうので注意が必要です。
塩焼き
シーバスの塩焼きは食感がフワフワで、淡白ながらに焼いたことにより旨みが凝縮され非常においしいです。刺身とはまた違った脂の味わいが楽しめるので、おすすめです。
ムニエル
表面をカリッと香ばしく、中はふっくらジューシーに、バターソースが淡白な身に非常にマッチします。バターソースムニエルはレモンとの相性も抜群です。魚のにおいが苦手で食べられない方におすすめの食べ方と言えるでしょう。
カルパッチョ
見た目にも豪華なカルパッチョは、オシャレで食卓に華を添えてくれること間違いなし一品です。見た目だけでなく付け合わせの野菜や、ソースの組み合わせを工夫することで栄養面でも優秀な料理と言えるでしょう。
高級魚“シーバス”を色々な料理で堪能しよう
自分で釣るとおいしさ倍増!
シーバスフィッシングは、非常にゲーム性が高く多くのアングラーを魅了している釣りの一つです。釣りの面白さに加えて食べておいしいのも人気の要因でしょう。シーバスは、非常に淡白な味わいの食材なのでさまざまな料理に使うことができます。季節によって向いている料理は変わってきますので、ぜひいろいろな食べ方を試してみてください。
出典:ライター撮影