PEラインとは
まず初めに、PEラインについて解説しておきましょう。PEラインの特徴を把握しておかないと、巻き付けも上手くいかない事もあります。注意点を含めて、解説してみましょう。
複数の繊維を編み込んだライン
PEラインは、ポリエチレン素材の繊維を複数本、編み込んで作られたラインです。多くは原糸4本か、8本で作られた物が主流です。強度が強く、細いラインを使えるのが特徴です。さらに、伸びのない低伸度の素材のため、高感度のラインになっているのが、現在のルアーフィッシングで主流になった理由です。
PEラインのデメリット
しかし、そのメリットの反面、デメリットもあります。擦れに弱い事と、滑りが良いために結び方が非常に難しいという事です。初心者を悩ませるのが、ここです。もちろん、リールにラインを巻き付ける場合も、しっかりと固定をしなければ、巻き付ける事さえできません。新しいラインへ巻き替える際は、スプールへ結べる事が大前提にです。
巻き方ポイント① PEラインをスプールへ巻き止める
ここが自分でPEラインを巻き替える場合の最大のコツです。しっかりとスプールへ結べる事が、初心者でも簡単に新しいPEラインに巻き替えが可能です。結び方がしっかりと出来なければ、PEラインの場合にはラインがスプールを滑り、巻き付けていく事も出来ません。初心者は確実に巻き止めできるように結び方をまずは習得しましょう。
スプールの工夫を利用
リールのスプールには、メーカーや商品によって変わりますが、ラインを巻き付ける工夫がされているものもあります。ラインのノット止めがあれば、それを有効利用するのが手っ取り早いです。多くの場合が、結び目が収まる小さな窪みがあります。そこに結び目を収める事で、簡単にラインが滑らなくする事ができます。
リールの説明書などを参考に
この場合、いろいろな止め方があります。そのため、結び方もそれに合わせる必要があります。基本的にはループで締め込む方法で、結び目を窪みに収める形です。しかし、ベイトリールなどはループを引っ掛けるタイプや、結びコブを引っ掛けるタイプなどもあります。ここは説明書などを確認して下さい。
基本的な結び方
基本的なスプールへの結び方をご紹介します。最初の巻き止めに関しては、ループを作って締め込む結び方です。このループノットは、可動式でなければなりません。初心者でも簡単に結べるノットをここからご説明します。
ループを作ってユニノット
最も簡単で、確実なのは、輪っかを作って、本線に対してライン端でユニノットで結ぶ形です。しっかりと締め込める上、PEラインの結び方としては解けにくい結び方です。ループの可動もできるので、初めての方でも簡単に結べる方法だと思います。これを、まずはスプールを気にせず作りましょう。初めての場合、新しいPEラインは結びにくいので、少し慣れが必要ですが、すぐに結べるようになれます。
ラインローラーを通してセット
スピニングリールの場合、必ずラインローラー部を通ってからスプールへ巻き止めする事が大切です。ここを通さなければ、ラインをスプールへ巻くことは出来ませんので。そのため、スプールへ巻き止めするさいは、ベールを起こした状態で、先に作ったループを巻き止めしましょう。ただし、もし通し忘れても、一度スプールを外せば通し直す事は可能です。
ラインの可動方向に注意!
では、スプールにラインを止めるのですが、この時にも注意が必要です。ループ1周で締め込むよりも、スプールを2周して締め込んで下さい。さらに、本線と結び目の位置、方向にも注意して下さい。リールのベールが回転する方向にラインは巻き付けられるのですが、最初の巻き止めだけは逆にする事で、よりしっかりと巻き止めが可能になります。これでPEラインの滑りもかなり激減します。
スプールの窪みも活用
前述した、スプールに結び目が収まる窪みがある場合には、しっかりとそこへ結び目が収まるように締め込む事が大切です。これを行う事で、より楽に初めてでもラインを巻き始められます。
ベイトリールはライン通しが面倒
ベイトリールの場合、スピニングリールの様にループを作ってからスプールへ結び止めができません。そのため、レベルワインダー部を通し、その後、スプールを一周させてからの本線へユニノット。結び方は一緒ですが、スペースが狭いので、長めにラインを出して行うと楽に結べるはずです。あとは締め込むという作業手順です。狭い隙間を通す必要があるので、PEラインだとかなり苦労はしますが、基本はスピニングリールと同じ結び方でOKです。
巻き方ポイント② PEライン巻き取りはハンドル回転
初心者でも簡単に新しいPEラインをリールへ巻くためには、スプールへの巻き止めが出来れば、あとは簡単に巻く事ができます。リールのハンドルを回してあげればラインはどんどん巻かれていきます。ここで、ワンポイントをご紹介しておきます。
ロッドにリールをセット
初めてのライン巻き替えでなくても、リールのみを握ってラインを巻き替えるのは、意外に苦戦します。握り具合が悪いのと、軸となる部分がないので、ラインローラー部分のライン角度も常に変化し続けます。これだと均一な糸巻きができません。そこで、ロッドグリップを活用しましょう。初心者であれば、こちらの方が断然、PEラインをきれいに巻く事が出来ます。
バットガイドにラインを通す
ロッドにリールをセットすれば、格段にハンドルは巻きやすくなります。さらに、軸ブレも減って均等に巻きやすくなります。ただ、単にリールをセットするだけよりも、バットガイドにラインを通す事で、さらにラインのブレは少なくなり、均一に巻き取りが可能になります。初心者であれば、より実際の使用感と一緒の方が、より新しいラインを簡単に巻きやすいです。
巻き方ポイント③ PEライン巻き取りのコツ
しっかりとスプールへ巻き止めができれば、あとはハンドルを回して巻いていくのみです。ただし、この時にはしっかりとしたテンションが必要です。スピニングリールはしっかりとしたテンションを掛けて巻かなければ、初めてのキャストでバックラッシュの可能性大です。
スプール内のたわみは最小限に
初心者のPEライン巻き付け時、注意が必要です。テンションを掛けずにラインを巻くと、必ずスプール内にラインのたわみが出来ます。スピニングリールはこのたわみが、PEラインでは命取りになります。よって、しっかりとテンションを掛けて巻く必要があります。方法としては、ラインボビンで抵抗を作るか、ラインを指で摘まんで抵抗を作るかになります。一人で巻く場合には、ラインに抵抗が簡単かもしれません。
ボビンを水中へ
ラインはボビンに巻かれて販売されています。それをスプールへ移す訳ですが、軸に固定する場合には一人では慣れが必要です。しかし、そのまま置いてでは、ボビンが暴れて巻きにくいです。そんな時には、洗面器やバケツなどに水を張り、その中へボビンを投入、沈めて巻くとスムーズに巻き取りが出来ます。ただし、PEラインが水を吸い上げるので、乾いたタオルなどでしっかりと抑えて巻き取るようにしましょう。
2人で行う巻き方
2人で新しいラインを巻くのは、断然、楽になります。1人がボビン中心の穴に棒を通し、ボビン自体に指で抵抗を掛けます。もう1人はリールを巻きます。この時、リールを巻く方は一方的に高速で巻くと、ボビンを持っている方が摩擦熱で火傷をする恐れがあります。早く巻くよりも、安定した速度で一定に巻く様に心掛けて下さい。また、ボビンを持つ方も火傷しないようにタオルなどの使用をおすすめします。
巻き方ポイント④ PEラインは巻き過ぎ注意
新しいPEラインを巻く際、必ず注意しなければならないのが、巻き取り量です。スプールに対して、容量を超えてしまえばライントラブルの元になります。特にスピニングリールでは、この症状に悩まされる方は多く、新しいPEラインが無駄になくなる事になります。
ラインキャパシティーを超えない
まず基本ですが、リールに新しいラインを巻く場合、そのリールにどの位のラインが、どの位の量を巻けるか把握して下さい。多くのリールでは、スプールにラインキャパシティーの記載があります。ただし、ラインのメーカーや商品によって太さが異なるので、確実に巻ける量ではない事を頭に入れておきましょう。あくまでも目安ですので、巻きすぎない事が大切です。
少なからず、多からず
どの位がベストなのか?初めてだとわかりにくいです。この場合、ショップの店員さんに聞くのが一番です。実際に巻き取り作業をしている方なら、目安を知っています。ただし、ギリギリで巻ききるのは、避けた方がよいです。新しいPEラインの場合、少な目くらいがちょうど扱い易いです。特に初心者であればなおさらです。
新しいPEラインの場合、より密度を濃く巻くことが難しく、さらにはラインが細い分、摩擦抵抗も少なくなります。そのため、巻き替え初めての釣りでトラブルが起きやすいのです。それを少しでも減らすためには、スプールエッジのギリギリまで巻かず、巻き量は少な目に抑える事が肝心です。これで、初めてのキャストでのラインこぼれがかなり減少します。少し多いかな?と感じたら、ラインが余っていてもストップして下さい。
ライン巻きグッズも沢山
最後に、ラインの巻き替えで、あると便利なグッズをご紹介します。初めてでも一人で簡単に、ラインさえスプールに結べる人であれば非常に楽なアイテムばかりです。
スーパーラインマーキー
リールを固定するグリップと、ボビンを固定するアームが一体になったアイテム。一人で一定のテンションが掛けられ、非常に便利です。ボビンサイズも薄い物から厚い物まで、しっかりとホールド可能です。
ロッドラインマーキー
ラインボビンを固定するアイテム。これにラインボビンをセットして、手持ちのロッドへ取り付けると、一人でライン巻き替えが簡単に出来ます。釣り場で巻き替えが必要な時などにも便利です。
安価で様々
その他にも沢山の便利アイテムがあります。海外製品も多く、手頃な価格帯ばかりです。こういったアイテムは、一つ持っておけばラインの巻き替えも簡単になります。初心者であれば、こんなアイテムを使う方が簡単でしょう。
PEラインの巻き替えは難しくない
PEラインをリールに巻く事は、多少のコツがあります。今回、ここでご紹介した事に注意して、自分での巻き替えにぜひ、挑戦して下さい。スプールへPEラインを結べるようになれば、どんなタイミングでも巻き替え可能になります。また、安い時にまとめ買いしても安心です。次のライン交換には、ぜひお試しを。
出典:ライター撮影