弓角とは?日本の伝統的なルアーの特徴やおすすめの使い方をご紹介!

弓角とは?日本の伝統的なルアーの特徴やおすすめの使い方をご紹介!

海に囲まれた日本は古くから漁業が盛んです。弓角は日本古来の伝統的な疑似餌のひとつです。餌木なども日本の伝統的な疑似餌ですが、最近はエギングなどと言われすっかり定着しました。今回はそんな日本に古くから伝わる弓角の特徴や使い方などを解説していきます。

記事の目次

  1. 1.和製ルアーといわれる弓角とは?
  2. 2.弓角ではどんな魚が釣れるのか?
  3. 3.弓角の使い方や仕掛け、タックルは?
  4. 4.弓角での釣り方とポイントは?
  5. 5.まとめ

和製ルアーといわれる弓角とは?

弓角は日本古来の疑似餌で元々は動物の角や骨、貝殻などに釣り針を埋め込んで作られていました。大きさは4cm~6cm程度で、現在のようにロッドやリールがなかった時代はこの弓角を船から引っ張ったり、糸を手で手繰ったりして魚を釣っていました。現在では角や骨などではなく、アクリル樹脂などのプラスチック素材で作られています。またロッドやリールなどの道具も発達したことでサーフトローリングなどで使用されています。

弓角の特徴は?

ルアーとは違った弓角の特徴とは針が本体に直接埋め込まれていることです。ルアーのようにフックを付けるフックアイ、ラインやスナップを付けるラインアイなどがなく、非常にシンプルな構造です。ボディーは文字通り弓のように少し湾曲しており、その微妙なカーブが引いてくるときに水の抵抗を受けて回転することによりアピールしたり波動を出して青物などのターゲットの魚を誘います。

弓角のメリットは?

弓角のメリットとしてはルアーと同じく疑似餌なので、エサ釣りのようにエサの準備やエサ取りに悩まされることはありません。またサーフなどから青物を狙う時の代表的なルアーとしてメタルジグがありますが、ベイトがシラスなど小さくてメタルジグに反応しない時でも、大きさが4cm程度の弓角ならそういったマイクロベイトに見せかけて食わせることが可能になります。またトレーラーというマウスやオモリを使うことで、通常なら飛ばせない距離まで小さくて軽い弓角を飛ばすことが出来ます。

弓角のデメリットは?

デメリットとしては弓角自体の重さがあまりないので、メタルジグのような縦の動きで魚を誘うことが出来ないこと。トレーラーといわれるマウスや投げ釣り用の天秤を使うので、仕掛けがやや複雑になること。そのトレーラーが支点になることで、魚がヒットした際のやり取りがルアー単体の釣りと比べると、やや面白味に欠けることなどがあります。また強度はメタルジグや他のルアーに比べると劣るので、大型の青物とやり合うとランディングできる確率はやや悪くなります。

弓角ではどんな魚が釣れるのか?

弓角はシラスやキビナゴの新子などのマイクロベイトに似せている疑似餌なので、それらを捕食している魚はすべてターゲットと言えます。トレーラーといわれる仕掛けを飛ばすためのオモリをマウスなどの中層を漂うものや表層に浮くものを使うか、ジェット天秤などの底まで沈むものを使うかで弓角を泳がせる水深が変わります。水面近くを引けば青物などの回遊魚、ボトム近くを泳がせれば海底を棲家にする魚を釣ることが出来ます。

表層から中層で青物が釣れる

弓角で釣れる代表的なターゲットは青物です。ツバスやハマチといわれるブリの若魚、マルソウダやヒラソウダといったソウダガツオ。サバやシオといわれるカンパチの若魚、ペンペンと言われるシイラの若魚などシラスやキビナゴの新子などを捕食している中小型の青物全般が狙えます。他にも中層付近ではスズキや型の良いアジ、カマスなども釣れることがあります。これら回遊魚は基本的にはトップから中層付近をただ巻きで狙います。

ボトム付近や根回りで釣れるターゲットは?

ジェット天秤などの底まで沈むタイプのトレーラーを使い底付近を泳がせるとヒラメやマゴチ、エソなどの海底を棲家にするフィッシュイーターが釣れることが多くなります。青物に比べると遊泳力が劣るので青物狙いの時よりややスローリトリーブすることがコツです。また根回りや海藻付近を引くとアコウ(キジハタ)やメバル、ガシラ(カサゴ)、ハタ類などの根魚が釣れることもあります。仕掛けを投入したら一度底に着底させ、底から1m程度上を弓角を泳がせるイメージでリトリーブします。ただし根がかりが多くなるので注意が必要です。

弓角の使い方や仕掛け、タックルは?

弓角の特徴は小さくて軽いところなので単体でキャストしても遠くまで飛ばすことが出来ません。通常はトレーラーといわれるオモリやマウスの重みを利用して弓角を飛ばします。特にサーフからのサーフトローリングでは遠投力が釣果を左右します。ここからは弓角の有効な使い方や仕掛け、タックルはどういったものが良いのかを解説していきます。

弓角は単体使いよりマウスや天秤を使う

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弓角を遠投するためのトレーラーでもっともポピュラーなのは投げ釣り用のジェット天秤です。飛距離を出すにはジェット天秤が一番ですが、表層を引く際は巻くスピードが速くなり過ぎないように注意が必要です。もうひとつ、マウスといわれる飛ばしウキに天秤が付いたものもあります。これはフローティングタイプやシンキングタイプなど浮力のバリエーションが選べるのが特徴です。根がかりを避けたい時や中層から表層をスローに引きたい時に使います。ただし飛距離はジェット天秤に分があります。

ロッドは投げ竿がメイン

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弓角を使ったサーフトローリングで使用するロッドは主に投げ竿を使います。常にロッドを手持ちで巻き続けることになるので、置き竿で大物を狙うようなごつい投げ竿は必要ありません。狙う魚の大きさとオモリの大きさにもよりますが、長さが390cm~425cmくらいまでの振り出しタイプの投げ竿でオモリ負荷が20号~25号くらいのものが持ち重りもなく使い勝手が良いでしょう。

ルアーロッドはショアジギ用がおすすめ

弓角を使ったサーフトローリングは投げ竿だけでなくルアーロッドでも楽しめます。ただしトレーラーと言われるオモリが20号だと75グラムに相当するので、シーバスロッドやエギングロッドでは柔らか過ぎてキャストが難しかったりロッドの破損の恐れもあるのでショアジギング用のロッドがおすすめです。長さが10フィート前後で対応するルアーの重量が60グラム以上のものが良いでしょう。

リールの種類や大きさは?

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リールはスピニングリールが良いでしょう。大きさはロッドとのタックルバランスを考えて選びます。投げ竿を使う場合は投げ専リールがタックルバランスとしては良いですが、投げ専リールはドラグ機能がないものも多いので、出来ればドラグ機能付きのものを選びましょう。ショアジギング用のロッドの場合は4000番~6000番クラスの大きさのリールがおすすめです。ただし必ずしも投げ竿には投げ専リール、ルアー竿にはルアー用のリールということもないので、所有しているタックルの中で一番バランスの良いものでかまいません。

弓角を遠投する為のラインは?

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仕掛けを遠投するためにはライン選びも重要です。ラインは細ければ細いほど飛距離は伸びますが、ラインブレイクや絡みやすくなるなどリスクも高くなるので釣れる魚の大きさやタックルバランスを考えて選ぶのが良いでしょう。通常サーフトローリングの場合だとナイロンラインの場合は4号~5号を巻いてその上にテーパーラインといわれる力糸。PEラインの場合は1号~1.5号がバランスが良く遠投出来るでしょう。

弓角を遠投するためのトレーラーは?

弓角を遠くまで飛ばすためのトレーラーのおすすめは何といってもジェット天秤です。重さはロッドやリールとのタックルバランスを考えて10号~20号を使い分けるのが良いでしょう。もうひとつのおすすめがマウスといわれる飛ばしウキです。重さは10号~20号でフローテイングタイプとシンキングタイプがあります。同じ号数でもマウスのほうがシルエットが大きくなるので大きさがある分空気抵抗を受けるため飛距離はジェット天秤に比べるとやや劣ります。

弓角におすすめの仕掛けは?

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基本的な仕掛けはラインもしくは力糸にジェット天秤を結びます。ジェット天秤のハリス側にスナップスイベルを付けます。ハリスは狙う魚の大きさによりますが40cm~50cmのハマチクラスなら4号~5号を1.5m~3m取ります。ハリスは長すぎると投げづらくなります、逆に短すぎるとラインと絡んだりトレーラーと弓角が近すぎて魚が警戒したりします。ハリスと弓角は弓角の先端の穴に内側から外側にハリスを通し、8の字結びなどでコブを作ってそのコブでハリスが穴を抜けないようにします。マウスを使用する場合もジェット天秤がマウスに変わるだけで手順は同じです。

弓角での釣り方とポイントは?

弓角は通常のルアーフィッシングと大きく変わることはありません。トレーラーを使うことで20グラム程度のフローティングミノーなんかと比べるとはるかに飛距離が出ます。またトレーラーが支点になるのでジャークやトゥイッチといった、難しいアクションも必要ありません。どちらかというとルアー初心者にはルアー単体で釣るより弓角のほうが釣果に恵まれる可能性が高い釣りといえるでしょう。ここからは弓角での釣り方とポイントについて解説していきます。

弓角での釣り方(その1)

まずは仕掛けをなるべく遠投します。その際トレーラーが海面に着水する直前に、リールのスプールを押さえてサミングするとトレーラーの沖側にハリスが着水し仕掛け絡みが防げます。活性の高い魚は浮いてくるので、まずは着水後すぐに水面付近をリトリーブします。リールを巻くスピードは1秒間に2回転~3回転を基準に、早めたり緩めたりして、その日の魚の状況を探ります。何投かして気配がないようなら着水後に何秒か待ってから巻きはじめて中層、トレーラーが着底するまで待って底層、というようにレンジを変えて探ります。それでも気配がなければ弓角のカラーや大きさを別のものにチェンジします。

弓角での釣り方(その2)

何投かしてアタリがあったらそのまま巻きアワセの状態になるので改めてアワセを入れる必要はありませんが、アワセを入れてもかまいません。やり取りはロッドが魚の引きで伸されないようにロッドの角度に注意しながら巻き続けます。はじめはドラグをやや緩めに設定しておくと青物ならリールからラインが引き出されますが、ロッドの角度がしっかりキープできていればドラグを締めて一気に魚を引き寄せましょう。回遊魚の時合いは短いので手返しを早くして効率よく釣りましょう。

弓角での代表的なポイントはサーフ

Photo by www.twin-loc.fr

弓角の実力を一番体感できる使い方はサーフトローリングでしょう。日本は海に囲まれているのでまだまだ自然に近い形の海岸線は多数あります。その中でも外海に面した砂浜やゴロタ浜はベイトが集まりやすいという特徴があります。朝夕はそれらのベイトを追って青物が回遊したりヒラメやマゴチなどの海底を棲家にするフィッシュイーターが狙えます。一見これといった特徴のないサーフでも海底に変化のあるところや離岸流は特に狙い目です。思いっきり遠投できるタックルで攻めてみましょう。

波止や磯からも今後は期待!

Photo by mstkeast

最近ではルアーで釣れる魚の種類は格段に多くなりました。弓角も使い方次第ではまだまだ釣れる魚種は広がります。サーフは魚が回遊してこないとなかなか釣果に恵まれないこともありますが、波止や磯ならそんなに遠投しなくても、ダイレクトに岩礁や捨石周りを狙うことが出来ます。ジグヘッド&ワームの代わりに使い方を工夫して、弓角でアジングやメバリングなんていうのもありだと思います。

まとめ

弓角は日本古来の漁具ではありますが、まだまだ発展途上の疑似餌です。新しいフィールドを開拓して、使い方を工夫すればこれからも狙える魚種は増えていくでしょう。あなたも弓角を使って新たな釣りの世界を広げてみませんか。

T OHARA
ライター

T OHARA

釣り歴は30年以上、磯釣り、投げ釣りに精通。磯釣りはフカセ釣り、カゴ釣り、底物など。現在は紀伊半島中心にフカセ釣りがメイン。皆さんと釣りの素晴らしさを分かち合いたいです。

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