ガン玉とは?
ガン玉は釣りに使用するオモリの一種でウキ釣りやミャク釣りなど、比較的軽い仕掛けで釣りをする際には大いに役立ってくれます。球状で中心に切れ込みが入っており、切れ込みにラインを挟んで押し潰して使います。大きさは大きくても直径1センチ程度、小さいものは直径1ミリ程度。重さは0.07~2.65グラムで、素材は鉛で出来ています。ラインやハリスなどどこにでも打てるので、その日の釣り場や魚の活性などの状況によってサイズや打つ位置や重さを変えて使用します。
ガン玉はウキ釣りの強い味方
ガン玉は磯からのグレ(メジナ)釣りなどのウキを使った釣り、特にフカセ釣りと言われる軽い仕掛けを、撒きエサと同調させる釣りで大いに活躍してくれます。同じラインを使い、同じウキに同じハリの仕掛けを使っていたとしても、ガン玉の打ち方や打つ位置が違うだけで釣果に差が出ることも珍しくはありません。重さのバリエーションが豊富で、0.1グラム以下の微妙な調整も可能です。警戒心が高くウキの浮力の抵抗で、刺しエサを吐き出してしまうような、魚が食い渋った状態の時のウキの浮力調整には欠かすことのできないパーツです。
ガン玉のサイズと重さについて
一般のオモリは号数で重さの単位を表示していますが、ガン玉の場合は少し変わっています。数字の後にBをつけて数字が大きくなるにつれて重くなるB表示と、Gの後に数字をつけて数字が大きくなるにつれて軽くなるG表示があります。お店で売られている商品には、Gを省いて単に数字の号数表示だけで売られているものもあります。B表示の重さの物もG表示の重さの物もガン玉には変わりありませんが、G表示のものを区別するためジンタンと呼ぶこともあります。ガン玉のG2号とジンタン2号は同じということになります。
ガン玉の重さとオモリの重さの比較
ガン玉と一般のオモリでは重さはどれくらい違うのかを比較してみました。一般のオモリは1号あたり3.75グラムで、号数がひとつ上がるごとに3.75グラムずつ重くなります。大きいものだと船釣り用で300号を越えるものもあります。それに比較してガン玉は最大のサイズでも6Bで2.65グラム。最小のG8サイズになると0.07グラムという小ささです。警戒心の強い魚が食い渋っている時にウキの抵抗を少しでも無くすための浮力調節などに大いに活躍してくれます。
オモリの号数と重さ(グラム)
号数 | 重さ(グラム) |
---|---|
10号 | 37.5g |
5号 | 18.75g |
3号 | 11.25g |
2号 | 7.5g |
1.5号 | 5.62g |
1号 | 3.75g |
0.8号 | 3g |
0.5号 | 1.87g |
ガン玉のサイズと重さ(グラム)
大きさ | 重さ(グラム) |
---|---|
6B | 2.65g |
5B | 1.85g |
4B | 1.2g |
3B | 0.95g |
2B(BB) | 0.75g |
B | 0.55g |
G1 | 0.4g |
G2 | 0.31g |
G3 | 0.25g |
G4 | 0.2g |
G5 | 0.16g |
G6 | 0.12g |
G7 | 0.09g |
G8 | 0.07g |
ガン玉の重さと割ビシの重さの比較
ガン玉と同じようにラインやハリスに挟み込んで、締め付けて固定するタイプの小型のオモリで割ビシというものもあります。形がガン玉の球形に対して楕円形をしているので、きっちりとラインの中心に固定しないと海中で回転することがあるので注意が必要です。ガン玉と比較すると重さとサイズ展開がガン玉ほどは細分化されていません。どちらを使うかは好みですが、繊細な浮力調整などは0.1グラム未満でも調整できるガン玉のほうが有利になります。
割ビシのサイズと重さ(グラム)
大きさ | 重さ(グラム) |
---|---|
特大 | 2.1g |
大大(大々) | 1.35g |
大 | 0.9g |
中 | 0.75g |
小 | 0.4g |
小小(小々) | 0.25g |
極小 | 0.2g |
ガン玉の上手な使い方は?
ガン玉は仕掛けを構成する上で重要なパーツのひとつですが、では上手なガン玉の使い方とはどういったことなのでしょうか。状況によってサイズや号数をどう変えていくのか?仕掛けを作る上でのガン玉の有効な使い方を具体的に説明していきます。
ガン玉の打つ位置は?
では実際の仕掛けでガン玉はどこに打つのが正解なのでしょうか。実はここが正解ですという決まった位置はありません。狙いの魚が釣れればその位置が正解なので答えはひとつではないということです。ただし基本的な考え方としては、ライン(道糸)とハリスのつなぎ目の上に付けるのが基本になります。ウキ釣りの仕掛けはライン→ウキ→ライン→ガン玉→ハリス→ハリという順序です。あとは狙いの魚やポイントによって、潮受けゴムやサルカンなどのグッズをその間に付け、その場その場に適応した仕掛けを作ります。
ウキの浮力調整の為の使い方
フカセ釣りは、極力仕掛けの抵抗を少なくしてハリスをふかせた状態で刺しエサを撒き、エサと同調させポイントまで送り込む釣り方です。この場合はなるべくウキの直下にウキの浮力表示通りのガン玉を打ち、その下の仕掛けは潮の流れに任せて流していきます。こういった釣り方の時はガン玉は仕掛けを沈めるためではなくウキの残存浮力を少なくするために使います。磯のグレ釣りなどでは主流の使い方です。
しっかりタナをキープする為の使い方
棚が深かったり、潮の流れが速くフカセ釣りでは仕掛けが表層を流されてなじまないような時は、ウキとハリの中間の位置に、ウキの浮力表示と同じかやや重めのガン玉を使用して、仕掛けがしっかりタナまで届くようにします。潮の流れが速いと浮力表示以上のガン玉を付けても、潮の抵抗でウキが沈むことはありません。ただし潮変わりなどで潮の流れが緩くなった時は、ウキが沈んでいくようなるので、再度ガン玉位置や重さの調整が必要です。
仕掛けに張りをもたせる為の使い方
ウキ釣りでは潮の流れが複雑な時などは、ウキから下の仕掛け部分がたるんだ状態になることがあります。そういった状態では仮にエサを魚が食ってもアタリが出ないことがあります。知らない間に釣れていたり、エサだけを取られたりということが多くなります。そんな時は段シズといって、ガン玉を2分割とか3分割に分けて打ってみましょう。例えば2B(0.75グラム)負荷のウキで、ウキ下が4メートルの場合は、ハリから1メートルごとにG3(0.25グラム)を3か所に均等間隔で打つと、ウキからハリまでの4メートルの間のたるみが少なく、張りができた状態になりウキにアタリが出やすくなります。
ウキにアタリを出しやすくする使い方
ウキから下がたるまず張っている状態は比較的アタリが出やすくおすすめの仕掛けですが、それでもまだアタリもなくエサだけかすめ取られる時があります。そういった時はウキ下を少しずつ浅くしていき、アタリが出るタナを探すのが一般的です。それでも上手くいかない時の奥の手としてはウキの残存浮力を0にして、少しの抵抗でもウキが沈むように設定します。同じサイズのウキでもメーカーによって、表示通りのガン玉を付けても浮力に余裕があります。それをG8やG7のガン玉を足していき、沈むか沈まないかのギリギリの浮力にするのです。自分の手持ちのウキの浮力表示に対しての余浮力を知っておくと役立ちます。非常に繊細で高等なテクニックですが覚えておいて損のない技です。
少し変わった使い方で腕を上げる
少し変わったガン玉の使い方でハリスやラインではなく、ハリを結んだ時にできるヒゲの部分にガン玉を打ったり、ハリの軸に直接ガン玉を打つという方法もあります。チヌの落とし込み釣りの時によく使う方法です。落とし込み釣りはウキを使ったフカセ釣りとは違い、刺しエサを落としていく時のラインのたるみの変化でアタリを取るので、仕掛けの張りが不要だからです。他にも針の結び目の1センチ~5センチくらいにガン玉を打つ「口ナマリ」という方法もあります。これはフカセ釣りなどで中層のエサ取りの層を強制的に突破して、刺しエサをタナに届けるためのテクニックです。
ガン玉をより使いやすくするためのグッズ
ガン玉は仕掛けを作る、あるいは交換する際には小まめに出し入れをするパーツのひとつです。足場が悪かったり濡れていたりすることも多い釣り場では、スムーズかつスマートにガン玉などのパーツは取り扱いたいものです。最近はガン玉の取り扱いを何かと便利にしてくれるグッズも多数販売されています。自分の釣りスタイルに合ったグッズを探すのも釣りの楽しみのひとつです。ここではそんな便利グッズをいくつかご紹介します。
ガン玉は全ての重さが必要?
ガン玉のサイズは重いものは6Bから、一番軽いものはG8まで14種類の号数があります。全ての号数を揃えて釣り場に持っていくのも良いのですが、効率的にも経済的にも無駄が多くなります。ガン玉を上手に小分けに出来るグッズなどを利用して、8種類くらいの号数を揃えるのが良いでしょう。主に使うウキのオモリ負荷にもよりますが、3B、2B、B、G1、G2、G4、G6、G7くらいを揃えておけばある程度は対応できます。ガン玉を収納するパーツケースなどは8つに小分けできる物も売っているので、それらのグッズを上手に利用しましょう。
ガン玉の保管方法
ガン玉は釣具店で売っている時は号数別に小袋に入れて売ってるものと、円形のガン玉ケースにある程度の号数を揃えて、セットで売っているものがあります。初心者の方やこれからガン玉を揃えるという方はセット商品が便利です。ただセット売りのケースのままベストのポケットや、道具入れに入れたままにしておくと動くたびにガン玉がケースの中でゴロゴロと動き、その振動でガン玉の切り込みが塞がってしまうことがよくあります。B以上のサイズなら塞がった切り込みにナイフやガン玉外しで再び切れ目を広げられますが、Gサイズより小さくなるとかなり手間取ります。パーツケースなどのグッズの底に両面テープを貼り、そこにガン玉を入れておくとガン玉が動きにくくなり切り込みが塞がるのを防止してくれます。
手早く仕掛けを変更するガン玉使い
ガン玉は釣りをしている最中は位置を変えたり、重さを変更したりと比較的交換作業が多いパーツです。特に取り外して交換する時にいちいち仕掛けを切って交換していると手返しが遅くなり効率が悪いです。そんな時に便利なグッズがガン玉外しやプライヤーです。ガン玉を外す時に刃の部分をガン玉の切り込みに当てて、ゆっくりと切り込みを押し広げるように使います。あまり強く押すとラインを傷つけたりガン玉が割れてしまったりするので注意が必要です。一度潰した切り込みをきれいに広げることで再利用も可能です。
まとめ
最近は完全フカセといってガン玉などのオモリを使わずに、ハリと刺しエサの重みだけで、潮に乗せて流していく釣り方も流行っています。しかし気象条件や海流の影響で、オモリがないと釣りにならないような時もあります。ガン玉は直径1センチにも満たない小さなオモリですが、使いこなせるようになると釣果は格段にアップします。反面間違った使い方をすると魚が居ても、釣果に恵まれないこともあります。色々なガン玉の使い方を試してみて、自分なりの釣れるパターンの引き出しを増やしていくと、あなたの釣りの世界が今まで以上に広がります。