ラインの結び方の重要性
ラインとは何か
まずはラインについて簡単に解説します。そもそもラインというのは、釣りで使われる糸のことをいい、釣りをするのに必ず必要な道具です。ラインには1号、2号というように規格がありますが、これはラインの太さを表し、数字が大きいほど太くなりそれだけ強度も増します。また、太さとは別にラインの強度を示す規格も決められており、lb(ポンド)で表記されます。日本ではあまり使われない単位ですが、現在の基準だと1lbが約453gです。
ラインの種類
ラインはいくつかの種類があります。ロッドの穂先から出ている、もしくはリールに巻くメインのラインを道糸といい、そこからいくつかの仕掛けを介して先端の針やルアーに繋がるラインをリーダーライン、もしくはハリスといいます。現在代表的なラインの種類はナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインの3つです。ナイロンラインは素材に伸びがあり柔らかいので癖がつきにくく、かつ比較的安価で製造できるのが特徴で、主に道糸に使われています。しかし他の素材と比べ劣化が早いのが欠点です。フロロカーボンラインは比重が高く劣化が少ないほか、衝撃や摩擦に強いため主に海水の中に常にさらされるハリス(リーダー)に使われます。PEラインは細い繊維を組み合わせて作られており、素材に伸びが無いので魚の手応えを強く感じられるほか、引っ張りに対する強度があります。しかし摩擦に弱く、波風の影響を受けやすいという欠点があります。
ラインの結び方は釣りの基本
釣りに必須なものといえばロッドとライン、針などが挙げられます。しかし、道具選びに重点を置きすぎて、基本であるラインの結び方が甘かったために魚に逃げられてしまうと元も子もありません。ラインの結び方は、それだけ魚を効率的に釣るうえで重要なことなのです。初心者でもラインの結び方さえしっかりしていれば、楽しく魚を釣ることができます。最近では針結び機など簡単にラインを結べる便利な道具も多く出ていますが、基本の結び方を押さえておけばどのシーンでも役立ちます。初心者のうちは便利な道具に頼らず、結び方を覚えていくことをおすすめします。
ルアーなどへの結び方
ラインを結ぶ場所
ルアーやクリップ、サルカンなどにはラインを結べるように金属で輪になっている部分があります。クリップやサルカンはライン同士をつなぐのに使う道具です。ルアーやクリップ、サルカンなどにラインを結ぶときは金属の輪に結ぶと覚えておくのがおすすめです。これらのルアーなどはこれから釣りをするにあたって使う機会が多いので必ず結び方をマスターするようにしましょう。
ルアーへの結び方①:パロマーノット
パロマーノットは簡単で早く結べ、そのうえで結束強度が高いのが特徴です。そのため、初心者の方にもおすすめできる結び方です。まずはラインを折り返して2重にし、ルアーなどの穴に通します。この後重要になるのでここではラインを折り返すときやや長めに折り返すようにしてください。その後そのまま緩く結びます。そして最後に折り返した部分を広げ、出来た輪にルアーやクリップなどを通してそのまま締めれば完成です。ラインを2重にするのでルアーやクリップなどの穴が小さいと難しくなります。
ルアーへの結び方②:ダブルクリンチノット
ダブルクリンチノットはルアーフィッシングでよく使われる結び方で、ルアーやクリップなど仕掛けの種類に関わらず使える万能性が特徴です。まずはルアーなどの穴にラインをそのまま通した後折り返し、もう一度穴にラインを通します。次に輪の形を維持したまま本線部分に先端を5回ほど巻き付け、そのまま折り返し最初に作った輪の部分に通します。今度は巻き付けた部分からもう一つ輪ができるのでそこに先端を通して締めれば完成です。手順は複雑ですが覚えれば便利な結び方なので初心者の方はぜひマスターしましょう。
ルアーへの結び方③:漁師結び
漁師結びはその名の通り漁師が使う結び方の種類の一つです。完全結びとも呼ばれ、結束強度が強いという特徴があります。まずルアーなどの穴に下からラインを通し、その後折り返してループを作りそのままもう一度上から穴にラインを通します。次に元糸とループを結束するように端糸を数回巻き付けます。最後に先端を最初に作ったループに通して締めれば完成です。
ルアーへの結び方④:ユニノット
ユニノットはクリンチノットと同じくルアー釣りからエサ釣るまで幅広く使える万能性が特徴です。また、手順も簡単で覚えやすく初心者の方が最初に覚えるにもおすすめできます。まずルアーなどの穴にラインを通しその後折り返してループを作ってください。作ったループ部分に先端を通して4~5回ほど本線ごと巻き付けていきます。最後に先端部分を引っ張り巻き付け部分を締めた後、先端を持ちながら本線を引っ張って結び目を穴部分に移動させ完成です。
ルアーへの結び方⑤:ループノット
ループノットは主にプラグ系のルアーに結ぶときに使います。直接ルアーの穴に結ばないのでルアーの動きを邪魔しません。ただ、逆にクリップやサルカンなどを結ぶには向いておらず、またクリップ使用時と比べると強度が落ちるので状況によって使い分ける必要があるので注意してください。ループノットでは先程解説したユニノットを使うのでユニノットをきちんと覚えてからチャレンジしましょう。まず先端を長めに出して後ろの方で片結びを作り、先端をルアーの穴に通した後そのまま片結びの輪の中に通します。そのまま引っ張ることで片結び部分が先端に移動するのでもう一度本線上にループを作ってください。その後、ユニノットで本線上に2回結び、最後に本線を引っ張って締めて1センチほどの輪を作ることでループノットの完成です。
ハリス(リーダー)の針への結び方
ハリスと針を結ぶ場面
エサ釣りをする際や釣りに慣れてきて仕掛けを自作する際などにはハリスと針を直接結ぶことになります。ハリスと針を結ぶ際はどうしても素手で行うことになるので針で指や手を傷つけないよう細心の注意を払って作業するように集中して行いましょう。
ハリスの結び方①:外掛け結び
ハリスと針を結ぶ際基本となるのがこの外掛け結びです。太いハリスでも比較的簡単に結べる方法なので大物釣りの際によく使われます。まずハリスを長めに折り返し針と重ね、そのまま先端部分を針と元線に巻き付けます。その後針の尖っていない方(チモト)に向かってきつめに5回巻き付け、最後に最初に作った折り返し部分が輪になっているので先端を通して完成です。
ハリスの結び方②:内掛け結び
内掛け結びは外掛け結びと同じくハリスと針を結ぶ基本の方法です。外掛け結びより難易度は高いですが、その分細いハリスでも使うことができます。まず針の曲線部分(フトコロ)側からハリスを長めに出して折り返し、その後針を通り過ぎたあたりでもう一度折り返し、針のチモトに這わせ指で押さえます。次に針のチモト部分からフトコロ部分に向けて本線と針に巻き付け、そのまま5回ほど巻き付けていきます。最後にチモト側の本線を引っ張って締めれば完成です。
道糸とハリス(リーダー)の結び方
道糸とハリスを結ぶ場面
仕掛けを自作したり、もしくはPEラインを使う際は、道糸とハリスを結び合わせることでショックリーダーと呼ばれる結び目を作る必要があります。道糸とハリスを結び合わせることができるようになれば、細くて強度の高いPEラインを使えるだけでなく、釣りの幅を広げることができるのでしっかりとマスターしていきましょう。
道糸とハリスの結び方①:FGノット
FGノットはライン同士を結ぶ代表的な方法です。高い強度と安定感を誇る分最初はとっつきにくいですが、慣れれば簡単にできるようになるのでぜひチャレンジしてみてください。まずハリスを道糸に直角に下、上に絡ませ、その後逆側に伸ばし再度下、上に絡ませます。これを15~20回繰り返します。1回ごとにリーダーを引っ張り編み込むのがコツです。次に、道糸側の先端で道糸の元線とハリスごと片結びし、その後先端を後ろに回し、折り返した後再度前に持ってきて輪の中に通します。これを5回ほど繰り返します。(ハーフヒッチ)道糸の本線にも同じようにハーフヒッチで5回ほど編み込んでいき、最後に2回ハーフヒッチを追加して完成です。
道糸とハリスの結び方②:SCノット
SCノットは強度と結ぶスピードを両立した結び方で、その場で結ぶ際などに役立ちます。まず道糸側を二つ折りにし、ハリスを重ね二つ折りした道糸をそのまま20~30回ほど巻き付けていきます。次に、ハリスの先端を道糸でできた輪に通し、ハリス、ハリスの先端、道糸の3方向から締めあげたら完成です。SCノットは手早く結べる反面、すっぽ抜けてしまうことがあるので、不安な方は先ほどFGノットで解説したハーフヒッチを最後に加えるのもおすすめです。
道糸とハリスの結び方③:電車結び
電車結びは先の2種類に比べて簡単な結び方で、なおかつ小型の魚を釣るのに適した結び方なので初心者の方も気軽に覚えられます。まずハリスを下にしてその上にメインラインでループを作り、その後メインラインの元線とハリスごとメインラインの先端を5回ほど巻き付けていき、軽く締め上げます。その後、ハリスの方も同じ手順で結び目を作り、最後に両側を引っ張って締めれば完成です。
ライン結びに便利な道具
ライン結びは大変な作業
ライン結びはどうしても細かい作業が必要になります。そのため、手先が不器用な方や忙しくて時間が無い方は苛立ちを覚えることもあるでしょう。しかし、最近はライン結びに使える便利な道具も増えてきています。最後に、ライン結びに使える便利な道具をいくつかご紹介します。
マルチツール
一つ目にご紹介するのはフィッシングプライヤーなどのマルチツールです。主にラインを切るのに使う道具ですが、多機能なものも増えてきており、ラインを結ぶときに使える便利な機能を持つ製品も多く出てきています。そのため、手先が不器用な方にもおすすめできますし、一つ持っておけば釣り以外の場面にも活用できるのでぜひ検討してみてください。
針結び機
2つ目にご紹介するのは針結び機です。所定の操作さえすれば誰でも簡単にラインを結べるように作られており、手先が不器用な方や忙しい方もライン結びに手間をかけずに済みます。ただ、手順が複雑で使い方を覚えるのには少々時間がかかる可能性があります。二千円ほどで買える安い製品もありますが、不具合があったりマニュアルが分かりにくかったりする場合もあるので、レビューなどを参考にしっかりした製品を選ぶようにしましょう。