釣り方の前にキスとはどんな魚なのか知っておこう!
キスはスズキ亜目キス科キス属の魚です。日本沿岸ではシロギス、アオギス、ホシギス、モトギスなどが生息していますが、釣りの対象とされているのは、ほとんどがシロギスになります。
シロギスは北海道から九州地方までの、砂底の沿岸部に多く生息しています。体長は15センチ~25センチくらいまでがメイン。30センチを超えるものもまれに釣れます。
キスの習性は?初心者にも釣れるの?
キスは砂底の海底から5センチ~20センチくらい上を、エサを探しながら群れで行動しています。主に砂底に潜むゴカイなどの多毛類をエサとして捕食しているので、イシゴカイやアオイソメなどをエサにした投げ釣りで釣ることができます。
臆病な魚ですがエサには積極的にアタックしてきますので、初心者にも比較的簡単に釣ることができるでしょう。
キスの釣れる時期は?いつが釣りやすい?
キスは6月~10月ごろ、産卵のため浅場に接岸します。産卵がピークをむかえる7月~8月は、水深が1メートルほどの波打ち際でも釣れることがあります。キスの好む海水温は15度~25度。20度を超えると産卵が活発になります。地域にもよりますが、3月頃から釣れはじめ10月末くらいまでが釣期でしょう。
キスがよく釣れる時間帯は?
一日のうちでキスが釣りやすい時間帯は、日の出直後の朝まずめと日暮れ前後の夕まずめです。積極的にエサを食べるので釣りやすくなります。もう一つは、満潮前後の時間帯。キスは潮が満ちてくると岸近くに接岸してくるので、近距離にも個体数が多く集まります。
つまり、ちょい投げなど比較的岸近くを釣る場合は満潮の前後も狙い目ということです。
キスは何を食べてる?エサは何がいいの?
キスのエサはおもにイシゴカイ、アオイソメなどの多毛類。海底からそれらが顔を出しているのを見つけて、おちょぼ口で吸いあげるようにエサを捕食します。多毛類の他には、小エビなどの甲殻類も食べます。
投げ釣りで釣ることが多いキスは、投げてもちぎれにくいゴカイ類をエサにするのが最適でしょう。最近ではワームやルアーを使って「キッシング」といわれるルアーゲームもあります。
初心者でも釣りやすいキス釣りポイントは?
キス釣りは決して難しい釣りではありません。釣りをするポイントは外洋に面した場所より、内海の波の穏やかなポイントが中心になります。投げ釣りで狙うことになるので、初心者の方は周囲に障害物の少ない広めの堤防や砂浜などが釣りやすいでしょう。河口など汽水域も、エサとなる多毛類が多くキスの好ポイントです。
キスを釣るには砂底の釣り場が最適
キスは泥底や砂利底より砂底を好んで回遊しています。潮の流れがあまりないような湾奥の海底は泥が溜まっていることが多いので、ある程度、潮の動きのあるポイントが有力です。
キスの釣果があるところは大きな工事や水害などがない限り、海底の状況も大きく変わらないのでねらい目。また、釣り場近くの釣具店で情報を集めるのもよいでしょう。
堤防からはちょい投げでも釣れる
堤防は足場がよく水深もそれなりにあるので、ちょい投げでキスが釣れるポイントです。堤防では漁船の通り道となるミオ筋が最有力ポイント。
また、波止や堤防は足元にテトラポッドや捨て石が入っていることが多くなります。テトラや捨て石と砂地の境目あたりは魚が集まりやすく、キスも好ポイントです。ちょい投げで積極的に狙ってみましょう。
ロケーションは最高!砂浜からは投げ釣りで狙おう
キス釣りで狙っていただきたいのが砂浜です。特に、夏場に海水浴場になるような砂浜は、砂底でキスの好ポイント。海水浴場がオープンする前の4月~6月、海水浴が終わった9月~10月はじっくり釣りを楽しめます。
海水浴客が訪れる前の早朝に砂浜で釣り、8時からは堤防に移動するなども有効でしょう。朝に満潮になる潮回りの日は狙い目です。
キス釣りに適したタックル選びは?
キスは小さなおちょぼ口で海底から顔を出してるゴカイなどの多毛類を捕食しています。釣りの場合もエサを海底に這わせたほうが有利になるので、投げ釣りやちょい投げなど、海底にエサを這わせるようなタックルで釣りをするのがおすすめです。
投げ釣りとちょい投げの違いとは?
キス釣りは投げ釣りやちょい投げで狙うのが良いといいましたが、投げ釣りとちょい投げの違いは何でしょうか?それはタックルの違いです。
投げ釣りは投げ竿と投げ釣り用リール、投げ釣り用の天秤を使い、遠投して釣る釣りです。ちょい投げは万能ロッド、ルアーロッド、ちょい投げ用の投げ竿で、近距離をちょっとだけ投げる釣りということです。
初心者にも扱いやすいちょい投げタックル
はじめてのキス釣りはちょい投げから始めるのがおすすめ。近距離を釣るちょい投げタックルは、本格的な投げ釣りタックルに比べロッドも軽く、リールも小型でオモリも軽めのものを使います。初心者の方や女性、子供さんにも扱いやすく、タックルの価格も比較的低コストで抑えられます。
ロッドは2メートル~3メートルがおすすめ
ロッドは2メートル~3メートルまでのちょい投げ用ロッドがおすすめです。オモリ負荷が10号~15号くらいのものが扱いやすいでしょう。この程度のタックルでも投げ釣り上級者が使うと60メートル~80メートルは投げられます。ちょい投げロッドがなければサビキ釣りで使う万能竿でも代用できます。
ルアーロッドでの代用もOK!
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ルアーフィッシングをやっている方がちょい投げでキスを釣りたい時は、ルアーロッドでの代用も可能です。長さが8フィート~9フィート程度でルアーウエイトが20グラムほどのシーバスロッドやエギングロッドが最適でしょう。
ルアーウエイトが50グラム~60グラムくらいまで耐えられるショアジギロッドなら、投げ釣り並みの飛距離も可能です。
リールは小型のスピニングリールがおすすめ
リールは小型のスピニングリールがおすすめです。2000番~3000番クラスの大きさがあれば、ちょい投げロッドとのバランスもバッチリ。高価なものは回転も滑らかでトラブルも少なく扱いやすいのですが、3,000円ほどの価格帯のものでも十分楽しめます。
ちょい投げタックルでの道糸やオモリは?
リールに巻くライン(道糸)は3号のナイロンラインか、PEラインなら1号~1.5号を150メートル巻いておけば良いでしょう。オモリはロッドの強さにもよりますが、5号~15号までのものがおすすめです。ロッドの取り扱い説明に書いてある、オモリ負荷の範囲の中間あたりの重さのオモリを使うのが無難です。
本格的な遠投も可能な投げ釣りタックル
キス釣りに限らず投げ釣りの楽しさの一つに、仕掛けを遠くまで遠投する爽快さというものがあります。本格的な投げ釣りタックルを使いこなせれば、100メートル以上の遠投も可能。遠投の爽快さと、他の人が攻めきれていない遠いポイントも釣ることができるのが投げ釣りタックルの魅力です。
ロッドは4メートル前後の投げ竿がおすすめ
投げ竿は並み継ぎタイプと振り出しタイプがあります。飛距離と強さは並み継ぎがおすすめ。振り出しタイプは持ち運びのしやすさと軽さが武器になります。
キスの投げ釣りの場合は、振り出しタイプの4メートル前後の長さのものがおすすめです。オモリ負荷が20号~30号程度のものが飛距離とアタリを感じる穂先の柔らかさのバランスが良いでしょう。
リールは投げ専リールがおすすめ
リールは投げ専リールが遠投もしやすくおすすめです。なければ4000番~6000番クラスのスピニングリールでも代用が可能です。ロッドがそれなりに長さと重量感があるのでそれに合うバランスのリールが扱いやすくなります。
投げ釣りタックルでの道糸やオモリは?
ライン(道糸)は細いほうが飛距離が出やすいのでナイロンの3号~4号、PEなら1号~1.5号を200メートルほど巻きます。その上にテーパーラインといわれる力糸を巻くのです。
これは投げた時の衝撃でラインが切れるのを防ぐためのもの。ラインとの結節部分は3号~4号で徐々に太くなり、長さは15メートルほどです。オモリはロッドとのバランスで20号~30号を使います。
キス釣りに適した仕掛けとは?
キスという魚は、さほど大きいものではありません。キス釣りでは1本針仕掛けより、2本~8本くらいまでの仕掛けが使われます。群れで行動していることが多いので1回の仕掛け投入で2匹、3匹と連続で釣ることが楽しみでもあります。
キス釣りに最適な針の大きさやハリスの太さは?
キスは細長い魚体で口が小さい魚です。キス釣りにはフトコロは小さめで軸が長めの針が適しています。大きなエサや大きな針では口に入り切りません。小さな針が有利です。
流線型やキス針の6号~7号が最適。ハリスは1号前後が使い安いでしょう。また、針からエサを大きく垂らすと先だけくわえてエサが取られます。
初心者は仕掛け絡みの少ない2本針仕掛け
キス釣りは1投でたくさんのキスを釣るのが楽しいといいましたが、針数が多いと初心者の方は投げた時に仕掛けが絡まる確率が高くなるので、投げ方が安定してくるまでは2本針仕掛けがおすすめです。
初心者でも釣れる釣り方のコツは?
初心者でも釣れる方法をご紹介します。キスは臆病ですがエサには積極的にアタックしてきます。まずはキスがいるエリアに釣行することが第一条件です。キスがいるであろうエリアに釣行したら、次はキスのいる場所を探しましょう。しっかりエサの付いた仕掛けを絡んでいない状態で海底に置き、キスに見つけてもらうことです。
釣り方のコツその1「引き釣り」のコツは?
キス釣りのコツでマスターして欲しいのが「引き釣り」です。仕掛けを投入したら、一定の速度でゆっくりとリールを巻きます。エサが海底を這っているように見せてキスに食わせます。リールを巻く速度は5秒から6秒。リールのハンドルを1回転させるくらいのスピードがちょうどよいでしょう。
釣り方のコツその2 アタリから取り込みまでのコツは?
キス釣りでのアタリから取り込みまでのコツです。キスのアタリは明快です。キスがエサを銜えて暴れているのブルブルとを感じるでしょう。キス釣りにアワセは不要なので、キスが暴れて仕掛けが絡まないように、そのまま巻き続けます。
キスの群れから少し離れたところまでゆっくりと仕掛けを巻いたら、リールを巻くスピードを上げて針がかりした魚を回収します。
釣り方のコツその3 仕掛け絡みを防ぐ投げ方のコツは?
せっかくキスのいるポイントに仕掛けを投げ込んでも、仕掛けが絡んでいてはキスは食いません。仕掛け絡みを防止するには、投入時にオモリが水面に着水と同時にリールのスプールを指で押さえる(サミング)のがコツです。そうすることで仕掛け、オモリ、ラインが一直線に水中に沈み、仕掛けがオモリに絡まるのを防げます。
釣ってよし食べてよしのキス釣りを楽しもう
キスはスマートでパールピンクの美しい魚体から「サーフの女王」とも呼ばれ、初心者からベテランまで多くの方に人気の魚。砂浜や堤防からも気軽に釣ることができます。また、キスの天ぷらなど食味も抜群です。釣ってよし食べてよしのキス釣り。投げ釣りやちょい投げで楽しみましょう。
出典:ライター撮影