釣り用語の英語表現で注意する点
ルアーフィッシングやフライフィッシングは元々欧米発祥ですので、用語や単語自体は日本で使われているものと同じ場合が多くあります。ですが、英語圏でも北米とヨーロッパで意味が異なる単語や、地域によって全く違うスラングなどもありますので、注意が必要です。また、本来英語にはない和製英語を間違いに気づかず使っていることもあります。海外の方との会話の際には伝わっていない場合もありますので気をつけてください。
釣り用語の英語表現①ブラックバス
ブラックバスという名称は、コクチバス(スモールマウスバス)の稚魚の体色が黒いことが由来となっています。現在でも日本ではブラックバスというと、バス全般を差しますが、本来ブラックバスという種類の魚はいません。日本と同じように、海外でもブラックバスやバスで意味は通じます。
オオクチバス(ラージマウスバス) Largemouth Bass
いわゆる日本で言うブラックバスのことです。アングラー同士であれば、Largemouthと言えば伝わります。特定外来種として騒がれていますが、水温15度以下では孵化しないので、生息地は温暖な止水域や下流域に限られています。オオクチバスを差して在来種を食い荒らす悪者とする傾向にあります。間違いではありませんが、どちらかと言えば生息域の広いコクチバスのほうが影響は大きいです。
コクチバス(スモールマウスバス) Smallmouth Bass
ブラックバスという名前の由来にもなったコクチバス。こちらも、Smallmouthで理解してもらえます。オオクチバスよりも低水温に適応しているため、渓流と呼べるほどの上流域まで生息しています。オオクチバスより引きが強いので、ゲームフィッシュとして人気のある魚です。他にBronzebackや、Brown Bassなどとも呼ばれています。
釣り用語の英語表現②トラウト
トラウトとは鱒のこと。ブラックバスと並びゲームフィッシュとして非常に人気が高いですね。トラウトを狙うアングラーは、同じ鱒でも細分化して呼ぶ傾向にあります。古くから釣魚対象として親しまれているということも一つの理由です。
ニジマス Rainbow Trout
おなじみのニジマスは、レインボートラウトや、レインボーなどと略して呼ばれます。比較的成長が早く大型化するので、世界中で釣魚として人気の魚です。日本でもニジやレインボーと呼ばれて親しまれています。
スティールヘッド Steelhead
スティールヘッドとは、降海型のニジマスのこと。銀化し、頭部から背中にかけて鉄のように黒いことが名前の由来です。日本でもテツなどと呼ばれています。産卵のために遡上するスティールヘッドを釣ることはかなりの難易度。そのため、海外アングラーの間ではスティールヘッドをキャッチするのは、一つのステータスとなっています。Steelheadingというスティールヘッドを釣ることを差すスラングもあります。
カットスロート Cutthroat
アメリカロッキー山脈周辺に生息している鱒です。ニジマスの亜種と思われている方も多いですが、実は間違いで厳密には別の種類の魚となります。のど元が赤く、まるで血が流れ出しているように見えることから、カットスロート(のど切り)と呼ばれています。放流され繁殖した鱒ではなく、ロッキー山脈周辺地域原産のネイティブトラウトということで人気があります。
ブラウントラウト Brown trout
日本にも放流され生息している地域もある、ヨーロッパ原産の鱒。引きが強くゲームフィッシュとして非常に人気が高いですが、食べても美味しいです。BrownやBrownieなどとも呼ばれます。
ブルックトラウト Brook trout
北米原産のブルックトラウトはイワナの仲間です。特にフライマンからの人気が高く、日本にも輸入され一部地域で生息しています。Brookieなどの愛称でも親しまれています。
釣り用語の英語表現③タックル
釣竿 Fishing rod
こちらは世界共通ですね。もちろん単にrodと言っても伝わります。他にfishing poleやpoleと言う場合もありますが、釣竿を意味する言葉なので覚えておくといいです。
リール Fishing reel
リールもそのままreelです。釣竿と同じく、アングラーであれば、fishingを付けなくてもreelで伝わります。
ルアー Lure
スプーンやミノーなど一般的なルアーを差しますが、本来「疑似餌」という意味なので、フライフィッシングの毛バリもlureと表現される時があります。
Fishing line ライン
ここまででわかるように、fishingを付けておけば概ね伝えることができます。lineもそうですね。
釣り用語の英語表現④その他の釣り用語
Angler 釣り人
fisherやfishermanという表現も間違いではないのですが、どちらかと言うと職業漁師の意味合いが強くなります。ですので、趣味や楽しみとしての釣り人は、anglerを使ってください。
フライマン Fly angler
日本ではフライフィッシングをする人のことを、フライマンと呼ぶことが多いですが、英語圏の方との会話ではfly anglerを使いましょう。
Native 固有種
もとからその河川や湖沼などに生息している魚のこと。固有種は大切にされますが、海外でも保護活動が活発に行われています。
釣り用語の英語表現⑤釣りに関する使えるフレーズ
釣り場でよく使われる表現や、会話をご紹介します。アングラー同士の会話であればかなりシンプルな言い回しでも通じるので、海外釣行や外国の方とご一緒する時に使ってみてください。
Let's go fishing ! 釣りに行こうよ!
まずは釣りに誘ってみましょう。Let's go fishing !と言えば釣り好きはみんな反応するはずです。
What's up ? どんな調子?
釣り以外にも日常的によく使われるフレーズ。「どう?」、「どんな感じ?」と、比較的くだけた表現になります。
Fish on ! 魚がかかった!
フッキングした時の表現です。Fish !と略しても問題ありません。Strike !という場合もありますが、意味は同じです。
Any fish ? 釣れた?
Did you catch any fish ?「魚釣れましたか?」の略ですが、釣り場ならAny fish ?だけで理解してもらえます。
Nice fish ! いい型だね!
とにかく魚が釣れたら、Nice fish !です。「いい型だね」、「上手だね」など褒め言葉として幅広く使えるので便利です。ですが、あまりに小さなサイズを釣り上げた時に言うと、嫌味ととらえられてしまう場合もあるので注意してください。
He's gone ! バレた!
魚に逃げられてしまった時に言いましょう。Gone !と略しても大丈夫です。魚は男性名詞なのでHeを使っているだけで、性別は特に関係ありません。
Awesome ! すごい!
釣りに限った表現ではありませんが、「とんでもなく素晴らしい」、「めちゃくちゃすごい」といった意味になります。同行者が、大きなサイズや綺麗な魚を釣ったら、Awesome !と言ってあげましょう。
Reel it ! 巻いて!
「もっとリールを巻いて!」といった意味です。魚が疲れてきたここぞという時に使ってみてください。
You should change your lure ルアーチェンジしてみたら?
同行者がなかなか釣れない時などに、「そろそろルアー変えてみたほうがいいんじゃない?」といった意味になります。アドバイスして釣れないと険悪な雰囲気になってしまうので、得意なフィールドで使うといいですね。
Fishing 鮭釣り(特殊な表現)
スコットランドなど一部では、fishingというとサーモンフィッシングを意味する地域があります。鮭は魚の王様であり、釣りとは鮭を釣ること、と誇りを持ってfishingと呼んでいるそうです。ですので、鱒がターゲットならトラウトフィッシング、鯉ならカープフィッシングなど、明確に区別しています。スラングとは少し違いますが、歴史と伝統のあるサーモンフィッシングが別格であることがわかりますね。
まとめ
海外でも使える会話のフレーズや用語24選をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。メジャーな用語は日本語も英語もそこまで違いはないので、間違いを怖がらずに使ってみるといいですね。単語だけであっても勇気を出して話すことが大切です。カタカナ英語でも意外と伝わることも多いので、今回ご紹介したフレーズをぜひ参考にしてください。