セルロースセメントの成分
セルロースセメントの成分は、植物繊維の主成分であるセルロースがニトロ化したニトロセルロースと、他の溶剤が混合したものです。溶剤が蒸発すると乾燥する仕組みで、早いと1時間ほどで固まります。
セルロースセメントは厚塗りできない・せっかく塗った色を溶かしてしまう・白濁化するなど注意点がいくつかあります。使い方のポイントを確認して正しく使えるようになりましょう。
セルロースセメントの使い方
セルロースセメントの用途は、ハンドメイドルアー作成の型をとった木材の下地や、塗装あとのコーティングです。下地もトップコーティングも表面の強度・光沢や滑らかさを出す・色を美しくみせるなどの目的があります。
しかし、やみくもに「つけてかためればよし!」というわけではないので、各工程のポイントやセルロースセメントのうすめ方をみていきましょう。
使い方①:ルアー作成の下地に使う
ルアーの下地としてセルロースセメントを使用するのは、木材の強度を上げて装飾や塗装をしやすくするためです。ルアーの原型が完成したら、セルロースセメントが入った容器に浸してください。引き上げたら乾燥させ、再度、容器に戻しセルロースセメントに浸します。
重ねていくうえで一部が出っ張ったら、やすりがけをしてください。ルアーの上下を入れ替えてまんべんなく行いましょう。
ドブ漬けは10回以上おこなう
ルアーの強度を高くするにはセルロースセメントにドブ漬けします。ドブ漬けは、ビンなどの入れ物に入ったセルロースセメントにルアーを浸すことです。木材の表面に光沢が出てくるまで乾燥とドブ漬けを繰り返すので、回数は10回以上がおすすめです。
間隔が48時間以上あくとセルロースセメントの新しい層とかたまった層の収縮率に差ができ、ひび割れてしまいますので注意してください。
使い方②:ルアー作成のコーティング剤になる
塗装が終わったルアーのコーティング剤としてセルロースセメントを使う場合は、最初にセルロースセメントをうすめてエアブラシなどで軽く吹きかけてください。いきなりドブ漬けすると溶剤の特性と重力で塗装が流れてしまいます。
うすめたセルロースセメントを吹きかけ、乾燥させる工程を繰り返し、だんだんセルロースセメントを濃くしていくと色止めできますので、手順を守りましょう。
塗装後のコーティングはゆっくり行う
塗装後のルアーにうすめたセルロースセメントを吹きかけ終わったら、下地作成の要領でドブ漬けします。勢いよく引き上げると色が流れてしまうので、表面のセルロースセメントが少なくついてくるようにゆっくり引き上げてください。
ドブ漬けも、うすめたセルロースセメントから、だんだん濃度を上げると色落ち対策になります。さらに、水性塗料だと色落ちしにくいので試してみましょう。
使い方③:セルロースセメントのうすめ方
セルロースセメントのうすめ方は簡単です。セルロースセメントにリターダーとうすめ液を混ぜるだけでうすまります。うすめ液は、使用しているセルロースセメントと同じメーカーが出しているものを使いましょう。
トップコーティング前のエアブラシの吹きつけ用として2倍程度にうすめるなら、専用のうすめ液じゃなくてホームセンターなどで売っているラッカーシンナー剤でも代用できます。
使い方④:メタルジグの色落ち防止に使う
セルロースセメントは自作ルアーだけでなく、購入したメタルジグのコーティングにも使用できます。うすめていないセルロースセメントに1回ドブ漬けするやり方が主流です。メタルジグは鉄に塗装されたルアーなので、その塗装の保護や強度アップの目的で行います。
ウレタンコートでもできますが、セルロースセメントのほうがうすくかたい膜が張れるのでおすすめです。