イワシを手開きでさばくときの注意点
イワシを手でさばくにはいくつか注意点があります。イワシは、手で触ると手の温度やつかみ方で身が痛む小さく弱い魚です。骨の処理は、手で行うより道具で行うほうが見栄えが良くなります。イワシの特徴をつかみ、注意点を覚えて手開きでイワシをさばきましょう。
イワシの手開きは手の温度に注意する
イワシの身を直接手で触る手開きでは、体温の高い人・手の温かい人は注意が必要です。イワシの身は弱く、人の体温くらいでやけどのような状態になり、身が崩れやすくなります。手を冷水に漬けたり、冷たいおしぼりで手をぬぐうなど、手を冷たくして調理に入りましょう。手からしっかり水気を取るのも大切です。
イワシの手開きは力加減に注意する
イワシの身は柔らかく小さいので、つかむ場所と力加減が重要です。丸のままのイワシは頭を指先で持つか、体全体を手のひらで包むように持ちましょう。手開きした後で身を持つときは、持つ力加減に注意し身をつぶさないようにします。はしで持つより、包丁などですくうように持つと身を痛めません。
手だけのさばき方にこだわらない
イワシの下ごしらえを手だけで行う必要はありません。イワシの手開きはイワシの下ごしらえの方法で、目的はイワシをおいしく料理し食べることです。包丁やスプーンなどの道具を使うさばき方が見栄えも良く、身の痛みも少なく素材を生かせる場合もあります。目的にあわせて、臨機応変に道具を使いましょう。
手開きしたイワシにピッタリの料理
手開きしたイワシは簡単に料理できます。手開きの状態のイワシは、腹開きの状態のイワシか、皮を引いたイワシです。皮を引いたイワシは、刺し身や酢の物にするのがピッタリですし、腹開きのイワシは、天ぷらと蒲焼きが代表料理でしょう。料理法を簡単ですから、おいしくイワシを食べてください。
イワシの刺し身
イワシは弱い魚で、鮮度が落ちやすいためなかなか刺し身で食べられない魚です。釣ったイワシは鮮度を保って持ち帰り、イワシの手開きの方法で皮を引いたイワシの身を使います。刺し身の見栄えが気になるなら、包丁を使って身の形を整えるときれいに仕上がります。
イワシの刺し身の作り方
- 皮を引いたイワシの身の気になる小骨は、手か骨抜きで取る
- 立て塩(約3パーセントの塩水)で洗い、水気をふき取る
- 小さいイワシは1枚で1つ、大きいイワシは一口大に切り分け、皿に盛る
- おろししょうがとしょう油をそえる
イワシの天ぷら
イワシを手開きした状態で、衣をつけて揚げても天ぷらにします。おすすめは、梅肉と大葉を一緒に揚げる天ぷらです。3枚におろしたイワシの身に梅肉を挟み込み大葉で巻いて揚げる天ぷらと、梅肉を置いた大葉を腹開きにしたイワシの身で巻いて揚げる天ぷらがあります。イワシのにおいが苦手な方もおいしく食べられます。
大葉で挟んだイワシの天ぷら
- イワシの片身を2枚ずつ組にする
- 梅肉をイワシの身の中骨側に塗り、もう1枚の身を重ねる
- 大葉を軸を中心に2つ折りにし、間に2のイワシを挟む
- 天ぷらの衣(小麦粉と水、卵を溶いた液)をつける
- 180度の油で、きつね色になるまで揚げる
- 器に盛り、塩を添える
梅シソ巻きのイワシの天ぷら
- 手開きで腹を開いたイワシの身に大葉をおく
- 大葉の上に梅肉を塗る
- 頭の方から尾に向かって巻き、ようじで留める
- 天ぷらの衣(小麦粉と水、卵を溶いた液)をつける
- 180度の油で、きつね色になるまで揚げる
- ようじを抜き、器に盛り、塩を添える
イワシの蒲焼き
イワシの蒲焼きといえば、缶詰も売られていておなじみのイワシ料理です。イワシの蒲焼きは、イワシをタレに漬けこみ網で焼く方法とフライパンでタレを絡めながら焼く方法があります。手開きをしたイワシを使いフライパンで焼く料理は家庭で簡単に作れます。
イワシの蒲焼きの作り方
- 手開きで腹開きにしたイワシに小麦粉をふる
- フライパンに油を塗り、イワシの両面を焼く
- イワシを一度取り出す
- フライパンにしょう油と砂糖と酒を2:2:1の割合で入れて煮立てる
- イワシをフライパンに戻し、タレを絡めながら焼く
- 照りが出たら皿に盛り、タレをかける
イワシのさばき方は手開きが簡単!
イワシのさばき方として、手で行う開き方が適しています。すべてを手で行う必要はありませんが、慣れると簡単な下ごしらえの方法です。うるめイワシはなかなか生では手に入りませんが、真イワシ・片口イワシが生で手に入ったらぜひ手開きを試してください。おいしいイワシ料理を楽しみましょう。
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出典:PhotoAC