ハモってどんな食材?
よく食べられる地域 | 京都府・大阪府・兵庫県 |
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味 | 上品でくせがなくおいしい |
旬 | 7月と10月 |
加工品 | そうめん・かまぼこ・ちくわ |
調理するときの注意点 | 小骨が多い、血液に毒がある |
ハモはくせのない淡泊な白身魚で、ウナギやアナゴと比べると脂質が少なく低カロリーなのが特徴です。夏バテに効くビタミンB1や、疲労回復に効果のあるたんぱく質が含まれているため、関西では夏の滋養強壮に重宝されています。
ハモは調理するときに骨を細かく刻む「ほねぎり」をして、骨と身を一緒に食べるので、カルシウムが豊富に摂取できます。
関西では夏に欠かせない食材として人気
ハモは京都の祇園祭や大阪の天神祭など、夏の関西で行われるお祭りに欠かせない食材です。京都では7月を「ハモ月」祇園祭を「ハモ祭り」と呼び、ハモを使った懐石料理などで観光客をもてなします。
関西では、夏バテをしないための滋養強壮にもハモが欠かせません。ハモは料亭だけでなく一般家庭でも多く食べられているため、関西では関東の約10倍ハモを消費すると言われています。
味は上品でくせがなくおいしい
ハモは恐ろしい顔や気性の荒い性格からは想像できないほど、味は上品でくせがなく食べるととてもおいしいです。高級感のあるきれいな白身をしており、焼き物・揚げ物・鍋物などさまざまなレシピで食べられます。ハモの身にはたんぱく質やビタミンB1が、皮にはコラーゲンが豊富に含まれています。
旬は晩夏と晩秋の2回
ハモは8月~9月にかけて産卵する魚で、産卵前後の7月と10月に旬を迎えます。7月頃のハモは梅雨の雨水をたっぷり飲み、栄養を豊富に摂っているので脂の乗りが抜群です。10月頃のハモは「落ちハモ」などと呼ばれ、産卵後でエサを大量に食べるため、大型のサイズが増える傾向にあります。
そうめんなどの加工品が豊富
部位 | 加工品の種類 | 値段 |
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身 | そうめん(50g) | 800~900円 |
かまぼこ(1枚) | 600~900円 | |
ちくわ(5~6本) | 400~600円 |
ハモの身はすり身にして、そうめん・かまぼこ・ちくわなどの加工品としても利用されています。鮮度のよいハモはすり身にすると、身の色が白からピンクに変わり弾力のある食感に仕上がります。加工品は種類も豊富にあり、高級魚のハモをお手頃な値段で味わえるので、お土産などにもおすすめです。
小骨が多く調理前の下処理に手間がかかる
ハモは背骨から身に向かって短く伸びる肉間骨という小骨が多く、食べるには「ほねぎり」という下処理が必要です。ほねぎりとは骨を細かく刻む調理方法のことで、ほねぎりを行うことによって食感がよくなり、ハモをおいしく食べられます。
ほねぎりは、ハモの身に1センチの間に8回包丁で切れ込みを入れる難しい技術なため、習得には10年かかるとも言われています。
血液には毒がある
ハモの血液には、ウナギ目特有の「イクシオトキシン」という毒が含まれているので、刺身などの生食は控えましょう。毒は体内に入ると下痢や嘔吐などの症状を、目や傷口に入ると炎症を引き起こす場合があります。しかし、たんぱく質性の毒で熱に弱いため、60度で5分以上加熱すれば除去できます。
活きたハモを家で調理して食べるときは、必ず加熱処理してから食べるようにしてください。
出典:photoAC