ダンゴウオはどんな生き物?ちっちゃくてかわいい魚の生態を解説!

ダンゴウオはどんな生き物?ちっちゃくてかわいい魚の生態を解説!

ダンゴウオはちっちゃくてかわいい魚で、丸い小さな体と必死に泳ぐ姿がダイビングや水族館で人気です。昼間はおなかにある吸盤で海の底に貼りつき、周囲の色に溶け込んでいます。ダンゴウオは青森~三重の太平洋沿岸に分布していて、冬になると浅場で見られます。

記事の目次

  1. 1.ダンゴウオはどんな生き物?
  2. 2.ダンゴウオの生態
  3. 3.ダンゴウオのかわいい仲間たち
  4. 4.ダンゴウオの飼育は難しい?
  5. 5.ダンゴウオが見られる水族館は?
  6. 6.ダンゴウオはちっちゃくてかわいい魚!

ダンゴウオはどんな生き物?

フリー写真素材ぱくたそ

ダンゴウオは海に住む小さな魚で、かわいい見た目と少しだけ変わった生態で人気のある生き物です。テレビ番組でもたびたび取り上げられていて、取り上げられるたびに話題を呼びました。ダンゴウオは日本の近海では冬になると浅場で観察でき、いくつかの水族館でも見られます。

ダイバーに人気のかわいい魚

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ダンゴウオはとくにダイバーの間で人気が高く、「ダイバーのアイドル」「真冬のアイドル」などとも呼ばれます。丸い小さな形やカラフルな体、くりくりした目がかわいらしく、不思議な泳ぎ方も愛らしいです。ダンゴウオはぬいぐるみやワッペンなどのグッズもあって、キャラクターとしても好まれています。

スズキ目の魚の1つ

出典:写真AC

和名 ダンゴウオ
分類 スズキ目ダンゴウオ科ダンゴウオ属

ダンゴウオはスズキ目の魚のひとつで、カジカ亜目のダンゴウオ科ダンゴウオ属に属します。ダンゴウオ科には6属28種がいるとされ、日本の近海にいるのはフウセンウオ・コンペイトウ・ホテイウオなどの約10種です。ダンゴウオをはじめ日本の近海にいる種は多くが小型種ですが、他地域には60センチを超える種もいます。

ダンゴウオの生態

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丸い小さな体

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ダンゴウの体は丸くて小さく、体長は成魚でも2~4センチにしかならず、幼魚は数ミリです。体の表面はすべすべしていて、顔の形は正面から見るとスライムのようで、ひれは胸・背・尾にありますが小さくて目立ちません。オスは背びれが大きめでとげとげしており、メスは背びれが小さく丸みを帯びています。

おなかの吸盤で海底に貼りついている

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ダンゴウオはおなかに吸盤が1つあり、日中は海底の岩や海藻に貼りついてじっと身を潜めています。水槽で観察すると、吸盤で岩や底にくっついている様子はマスコットのようでかわいいと評判です。吸盤は腹びれが進化したもので、ダンゴウオは泳ぎがうまくないので吸盤で海底に貼りつくことで急流から身を守っています。

夜行性で肉食性

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ダンゴウオは夜行性の魚で、夜になるとエサを探して海底を動き始め、小さな甲殻類や軟体動物、動物性プランクトンを食べます。

泳ぎ方は魚としては変わっており、海底を跳んだり、滑ったり、漂ったりするように動くので、必死に見えて愛らしいと評判です。食べる様子は豪快であり、エサに静かに近づくと吸い込むようにして丸ごと食べてしまいます。

カラフルでかわいい

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ダンゴウオの体の色は個体によって異なりカラフルで、ダンゴウオがかわいいと人気を集める理由の1つです。体色の種類が多いのは貼りついた場所に擬態をするためで、散らばって身を隠すことで子孫をより多く残します。

体色は緑色・赤茶色・褐色・黄色・白色・紫色などがあり、同じ親から生まれても環境やエサによって異なるそうです。

冬に浅場で産卵する

出典:写真AC

ダンゴウオは冬になると浅場に出てきて、12~1月ごろには岩礁や潮だまりにある小さなくぼみを巣穴にして卵を産み付けます。巣穴はフジツボやせん孔貝の抜け殻が主で、抜け殻を掃除して整えるのはオスの役割です。卵は直径1~2ミリの大きさで数十個の塊で産み付けられ、メスは1シーズンに2~3回産卵します。

オスが卵を守る

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ダンゴウオのメスは卵を巣穴に産み付けるといなくなり、オスがつきっきりで卵を守ります。オスの役割は巣穴の入口に貼りついて卵を外敵から隠しつつ、卵に新鮮な水を送ることなどです。オスは卵がふ化するまで、1か月前後の間エサを食べずにひたすら卵を見守り続けます。

幼魚には「天使の輪」がある

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ダンゴウオの幼魚は生まれてすぐの間だけ、頭部に「天使の輪」と呼ばれる白い輪の模様があります。天使の輪のある幼魚はかわいいと話題で、模様はふ化してから約7~10日後までには消えるせいもあってとくに人気が高いです。

幼魚も生まれたときからすでにおなかに吸盤があり、ふ化するとすぐに巣穴から出て岩や海藻に貼りつきます。

寿命は1年

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  日本の近海にいるダンゴウオの一生
12~1月ごろ 成魚が浅場に出てきて産卵し、一生を終える
2~3月ごろ 浅場で天使の輪の付いた幼魚がふ化する
4~5月ごろ 浅場で幼魚が成長する
6~11月ごろ 深場にもぐる

自然界で生きるダンゴウオの寿命は1年しかなく、雌雄ともに繁殖のために力を使い果たしてしまうと考えられています。ダンゴウオを水槽できちんと管理して飼育した場合でも、寿命はうまくいって2年のようです。

ダンゴウオは寿命が短いので成長も早いですが、日本の近海の浅場では水温の都合で12~5月ごろまでしか見られません。

青森~三重の太平洋岸に分布

出典:Pexels

ダンゴウオは青森県~三重県の太平洋岸に分布し、冬になると浅場の岩礁や岩だまりに出てきますが、夏の生息場所は不明です。宮城県では水温が低いためか、例外的に1年を通して浅場で姿を確認できる場所もあります。

青森県~長崎県の日本海岸に生息する種もダンゴウオとされていましたが、サクラダンゴウオという別種だと判明しました。

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ダンゴウオのかわいい仲間たち

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