ネンブツダイはどんな魚?味や料理方法、時期、大きさなどをご紹介!

ネンブツダイはどんな魚?味や料理方法、時期、大きさなどをご紹介!

釣り初心者から玄人まで、時期関係なく万人に釣れる海釣り魚で、うれしいと言う人、最悪という人さまざまです。そんな万人に釣られながら、半数は嫌われ者のネンブツダイはよい面も持ち合わせています。ネンブツダイがどんな海釣り魚なのか紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.ネンブツダイとは
  2. 2.ネンブツダイの生態
  3. 3.ネンブツダイに似ている魚
  4. 4.ネンブツダイの名前の由来
  5. 5.ネンブツダイの味は
  6. 6.ネンブツダイ観賞用に飼う人へ
  7. 7.まとめ
  8. 8.終わりに

ネンブツダイとは

「海の金魚」と呼ばれることもあるネンブツダイは、体全体がピンク、赤系統の色をしています。見かけの特徴は頭から背びれ付近にかけて黒い線、そして背びれの先端、尾びれの付け根あたりにある黒色の模様です。釣り人からは「海の金魚」と呼ばれることもありなかなかに鮮やかな見た目をしています。とはいえ毒などは特に持っていません。体長は7から8センチ程度がほとんどで、大きな体長の個体で10センチと少しほどの比較的小さいです。ネンブツダイは釣り初心者からベテランまで誰でも釣ることができますが、ところによってはあまりにも外道で釣れ、食べ方がわからないため嫌われがちです。

ネンブツダイの生態

生活環境と繁殖

ネンブツダイは比較的穏やかな内海の岩礁に主に生息しています。本州中部を境にそれより南部の沿岸に生息していますが、近年では温暖化の影響なのかはわかりませんが、それよりも北部でも釣れるようになってきました。暖かい海を好むので日本南部では時期を問わず釣れます(北部では暖かい時期)。また、内海の岩礁帯などに小さいながら群れを作って生息します。そのため、一回の釣りで多数あがることもあるようです。産卵の時期は主に夏場で、産んだ卵を口の中に含んで外敵から守り、大切に育てるという他の魚とは大きく異なる習性があります。

ネンブツダイの食性

ネンブツダイなどの体長の小さい魚はプランクトンをよく捕食します。食物連鎖では比較的弱者です。小型のエビなどの小型甲殻類や動物性プランクトンを捕食して生活しています。釣りの際はイソメ類、コマセ、オキアミ、アサリ等に食いついてくるため、大体の特徴としては肉食であることがわかります。比較的口が大きめなため、サイズに見合わない針にもかかることがしばしばあり、メジナやクロダイを狙うような針に連発してかかることも珍しいことではありません。そのため、釣り経験者からは嫌われる傾向にあるのです。

ネンブツダイに似ている魚

クロホシイシモチ

オオスジイシモチとクロホシイシモチ

オオスジイシモチとクロホシイシモチはいずれもネンブツダイと非常に似た見た赤い色、体長をしています。オオスジイシモチは体に黒の縦線が4本あるのがネンブツダイと異なる点です。クロホシイシモチはネンブツダイとは異なり背中に黒い線がないのが特徴で、ネンブツダイとはその部分で判別することができるかと思います。ネンブツダイ、オオスジイシモチ、クロホシイシモチはいずれもテンジクダイ科に属しますが、テンジクダイ科は10種以上の魚がおります。似た見た目であるだけに判別は難しいのでネンブツダイの仲間とか、テンジクダイの仲間とくくってしまうことが多いかもしれません。

ネンブツダイの名前の由来

赤をベースにした美しい見た目をしていながらなぜネンブツという名前がついたのか皆さんはご存じでしょうか。おそらくほとんどの人はご存じないと思います。実はネンブツダイは昔より日本の海にいたようですが、正確な名前の理由はわかっていないようです。しかしいくつか説は存在しているようですのでなぜ「ネンブツ」ダイと呼ばれるようになったのかを調べてみました。

ネンブツダイの名前の由来説①:口内保育

普通の魚は卵をどこかに付着させて隠したりしますがネンブツダイは他とは異なります。ネンブツダイは自分の卵がふ化するまでは口の中で大切に卵を育て、外敵から卵をきっちりと保護する口内保育という方法をとります。どうやらその様子がネンブツを唱えているように見えるようです。これは卵によりきれいな新鮮な水を届けるために取る行動で不可欠な行動で、卵の状態をよく保つには必要不可欠のようです。やはり魚のなかでも口の中で卵を育てる口内保育は珍しく、ユニークな行動ですから、そこに昔の人たちも注目したのかもしれないですね。

ネンブツダイの名前の由来説②:音

ネンブツダイは魚であり、生物ですから求愛行動をとります。魚によって求愛行動は異なりますがネンブツダイは音を用いるようです。その求愛行動の際にネンブツダイのオスは「ぶつぶつ」や、「ぼつぼつ」といった音を出すことでメスの気を引こうとするようです。まさにその音こそがネンブツを唱えているようであることからネンブツダイとなったのではないかということです。

魚のことを知って釣りをすると面白いですよ!

主に有名で有力な説はこの2つなようです。皆さんの知らない魚はたくさんいます。釣りをするたびにいろいろな魚を学習し、知っている魚がきたらちょっとおもしろいですよね。ほとんど全ての魚にはしっかりと確証はされていなくとも由来はあります。他の魚においても是非調べてみてください。

ネンブツダイの味は

ネンブツダイを食べたことのある人はあまりいないとおもいます。ぜひ食べてみてはどうでしょう。ネンブツダイは時期問わず釣りで簡単に釣れるので、食べれるなら料理して食べたいと思う人もいると思います。しかしこの赤い魚の食べ方がわからない、味がおいしいのかもわからない、そもそも大きさが小さいから骨が多くて大丈夫かという疑問がかなりあると思います。そこでこの体長の小さくて赤いネンブツダイの食べ方、料理法をご紹介します。料理法によってはおいしい食べ方もあるようです。

素材

ネンブツダイは体長が小さく、身はあまりない特徴があります。正直に言うと料理には比較的不向きかもしれません。しかも小骨が目立つようです。この二つが主な料理されない、食べられていない理由のようです。しかし、味についての悪い点の指摘はあまり多くはありません。むしろ、おいしい、淡泊な白身など前向きな言葉が多く見受けられました。そうです、ネンブツダイはおいしいのです。上記した身があまりない、小骨が多いは事実かもしれませんがそれを上回る味のおいしさを秘めているのがネンブツダイなのです。

おすすめ料理方法①:唐揚げやフライ

体長が小さい魚定番の食べ方である唐揚げにするのがよいです。大きさが小さいため一口で食べることができ、子どもにもおすすめです。唐揚げにすると小骨は揚げる前よりも硬くなくなり、刺さることもなくなります。外はサクッと、中はフワッとした唐揚げは体長が小さいが故に絶妙なバランスで仕上がります。下処理をしたら開かずにそのまま揚げれば完成です。手間もかからずおいしく料理できます。是非とも試していただきたい、おすすめの一品です。ネンブツダイに限らず食べ方がわからない小魚は唐揚げという食べ方で解決します。

揚げる前に

ネンブツダイは体長が小さい分、魚自体の味がかなり弱くなりがちです。また、ネンブツダイは小さいだけでなく、そもそもの味が淡泊で白身ということなので、ただ揚げるだけでは味が一つ足りないということになります。ですので内臓を取り除いて水気を拭き取ったら塩とコショウを振るとよいです。当たり前かもしれませんが下味をつけ忘れるとおいしさがかなり変わります。

おすすめの料理方法②:煮付け

淡泊な魚におすすめの食べ方である煮付けで食べるとよいです。白身魚で迷ったらこれと言ってもよい煮付けはネンブツダイの身にも応用可能でおいしく仕上げることができるはずです。ネンブツダイは1尾まるまる煮付けるとちょうどよいサイズです。また、煮付けにすると骨まで確実に火が通り、骨を柔らかくすることができ、骨が気になりません。身を開かず1尾まるごと煮るのが大きさ的にはちょうどよいかもしれません。しっかり煮れればおいしくいただけること間違いありません。

ネンブツダイ観賞用に飼う人へ

ネンブツダイはこのきれいな見た目から飼ってみたいという人もいるのではないでしょうか。美しい見た目のため観賞用に飼育したいという人がいると思います。ネンブツダイは熱帯寄りの温暖な海に生息するものの高すぎる水温では生き延びれないようです。また、水質も重要で、悪条件下で飼育すると病気を起こしやすいです。以上のことからわかる通り、ネンブツダイは水の温度、水の質に敏感な非常にデリケートな魚ですので、飼育の際は水温を20度程度に維持し、水質もきれいな状態を保つようにする必要があります。しっかり条件を維持できれば、非常に観賞用に適した魚と言えるかもしれません。淡水の金魚とは大きく異なりますので、初心者には厳しいと思います。

まとめ

ネンブツダイは赤い、小さい、温暖な場所では時期問わず釣れるということ以外においしく食べられるということがわかっていただけたことと思います。旬の時期などは特にないので気にすることなく食べてください。今まで食べられないと思っていたかもしれませんが是非とも一度は食べてみて欲しいです。また、クロホシイシモチもネンブツダイと同様に食べられます。釣り初心者の人は釣った魚を食べるよろこびを知って欲しいです。これからはネンブツダイが嫌われなくなることを祈ります。生き物としてこのユニークな魚を敬いましょう。

終わりに

ネンブツダイは釣り人の多くから嫌われる傾向にあります。釣りたい魚がいるのにネンブツダイが釣れるし、一度釣れたら止まらないし、針を大きくするなど工夫をしても釣れ続けたり、理由は言い始めたら止まらないです。それ口実に魚にあたり、釣れたネンブツダイを堤防上に放置したり、海に投げ捨てたりする人がいます。イライラするのはわかりますし、あたりたい気持ちはわかりますが、魚に非は全くないですし、むしろ釣られたくないのに釣られるネンブツダイの方がかわいそうなくらいです。仮に外道であっても、リリースする際は優しく海に返してあげて欲しいです。ネンブツダイだけに限ったことではありません。釣り人のマナーとして自然と向き合っていただけると同じ釣り人としてはうれしいです。

徳永 大輔
ライター

徳永 大輔

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