ブルーギルは天皇陛下がアメリカから持ち帰り広まった?経緯と生態をご紹介!

ブルーギルは天皇陛下がアメリカから持ち帰り広まった?経緯と生態をご紹介!

天皇陛下がアメリカからブルーギルを日本に持ち帰ったのは事実ではありますが、天皇陛下がブルーギルを広めた訳ではないという事と現状の外来種問題への取り組みと、なぜブルーギルが日本全国に広まったのかという経緯と生態をご紹介します。

    天皇陛下がブルーギルを持ち帰った経緯と謝罪

    天皇陛下がブルーギルを持ち帰られたのは1960年のことで、外遊で訪れたアメリカで寄贈されたものを日本に持ち帰ってこられました。天皇陛下は当時のシカゴ市長から15匹のブルーギルが寄贈されました。持ち帰ったブルーギルが捕獲された場所はアメリカのアイオワ州グッテンバーグだそうです。

    天皇陛下はブルーギルを水産庁に寄贈した

    天皇陛下は持ち帰られたブルーギルを天皇陛下の希望により水産庁淡水区水産研究所に寄贈されました。食用対象魚としても注目され、娯楽の為の釣りの対象魚として生態の研究がされました。天皇陛下が持ち帰った15匹のブルーギルは研究と飼育を重ねていった結果、3000匹にまで繁殖しました。繁殖したブルーギルは佐賀水産試験場と大阪府淡水魚試験場に分与されました。

    天皇陛下の謝罪と誤解

    天皇陛下がブルーギルによる外来種問題について発言されたのは2007年、滋賀県大津市で開催された、全国豊かな海づくり大会の式典にご出席された時の話になります。天皇陛下は「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰りました」と発言されております。また、ブルーギルの異常繁殖により琵琶湖の在来種の生存危機に対しても「心を痛めています」と謝罪の発言をされています。ですが天皇陛下、ご自身が琵琶湖に放流したわけではありませんので誤解をなさらないようお願い致します。

    天皇陛下はブルーギルを食べてほしいと思っている

    天皇陛下はブルーギルは美味しい魚なので食べてくれればと側近に話した事があるそうです。ご自身が持ち帰られたブルーギルが在来種の脅威となっている事に対して謝罪の言葉を述べられましたが、もともと食用魚として期待され、養殖が行われた魚なので食べられて当然の魚であります。ブルーギルは白身でとても美味しい肉質なのですが、皮や内容物に臭みがある為、調理が難しい事から食材としては遠ざけられていました。

    ブルーギルの試験が行われる『佐賀編』

    佐賀水産試験場では真珠の増殖にブルーギルを用いました。佐賀では真珠の人口増殖にイケチョウガイを用いていました。イケチョウガイは魚のエラやヒレに寄生して増殖します。ブルーギルはイケチョウガイの増殖宿主として試験された結果、最適であることが判明しました。佐賀水産試験場は佐賀県真珠母貝漁業協同組合と協力し、真珠の人口養殖事業を行う事となりました。ですが養殖過程のなかでブルーギルがいけすから逃げてしまう事が多くあった事から、琵琶湖ではブルーギルが大量に繁殖し、広まったと考えられています。

    ブルーギルの試験が行われる『大阪編』

    大阪府淡水魚試験場では26都道府県に配布したほか、食用魚として養殖する試験を行っておりました。養殖の試験場となった場所は農業用のため池と休耕田でした。ですがブルーギルは養殖魚としては成長速度が遅い為、食用には向かないという事がわかりました。また、試験場となった水田から用水路をつたいブルーギルが自然界に流出したと考えられています。

    外来種がもたらす脅威

    外来魚がもたらす脅威の一例をあげると、ブルーギルとブラックバスによる生態系の破壊です。これらの外来種は魚食性が高く、口に入る大きさの魚や甲殻類などを食べてしまう事です。琵琶湖ではワカサギ漁が盛んですが、外来魚がワカサギを食べてしまう事から年々漁獲量が減り、漁師を悩ませています。

    ブルーギルの生態

    ブルーギルの原産地は北米となります。淡水性の魚であり池や湖に生息しています。ブルーギルの生存可能水質域は大変幅広く、酸素がある場所であれば、汚染されている水域でも生存可能であり、水質の悪い環境でも生き残ることが出来る魚です。ブルーギルは己の身を守る為、障害物や複雑な水流地形を好み、そのような場所に密集する傾向にあります。

    ブルーギルは悪食

    ブルーギルは悪食であり水生昆虫、エビ、カニ、貝、魚卵、昆虫、小魚などを捕食していますが、これらの餌が無い時は水草を食べて飢えを凌ぎます。大型のブルーギルは天敵であるブラックバスの巣を襲い、魚卵やブラックバスの子供を捕食する事もあります。

    ブルーギルの繁殖力

    日本全国に広まったブルーギルは繁殖力、生命力、捕食力に長けており、その現在ではその存在数の正確なデータはありません。ブラックバスフィッシングがブームとなると、沼地や農業用のため池などに持ち帰ったブラックバスを放流して身近な場所でブラックバスフィッシングを楽しもうと考えた釣り人が、餌となるブルーギルも放流し始めた事から現在ではブルーギルがいない池や沼は珍しいと言えるほどに繁殖してしまいました。

    外来魚の駆除

    外来魚は日本では深刻な問題であり、日本全国の各自治体は外来魚を駆除する為に様々な対策を講じています。主な対策として、ブラックバスやブルーギルは生きたまま持ち帰ることが禁止されています。これにより池や沼への違法放流を未然に防ごうとしています。各都道府県の条例によっては、捕獲した外来魚はその場で駆除をしてリリースを禁止しているところもあります。

    琵琶湖の外来魚対策

    琵琶湖では外来魚の回収ボックスや回収いけすがあり、リリースを禁止しています。琵琶湖での外来魚対策は徹底されており滋賀県では漁業協同組合などと協力して外来魚の徹底駆除を行い、有害外来魚ゼロ作戦事業が展開されております。

    駆除方法

    滋賀県では漁業関係者と連携を取り、網などを利用して外来魚の捕獲と駆除を行っております。また、ブラックバスの稚魚などは群れで行動しており、その習性を利用して群れでいる稚魚をタモ網で捕獲して駆除する事で繁殖を抑える対策もしておられます。

    電気ショッカーでの駆除

    電気ショッカーを使った駆除はブラックバスの産卵期に行われます。ブラックバスは産卵期に入るとフナなどの在来種を大量に食べます。1970年代では在来種がブラックバスに大量に捕食されてしまい、在来種が激減すると共にブラックバスが大量に繁殖してしまいました。その教訓を活かし、産卵期の親バスを捕獲することにより在来種を守っております。

    漁法を活用した徹底駆除

    滋賀県では漁業関係者が網などを使った漁法などで外来種の駆除を行っております。滋賀県も積極的に駆除に強力をしており、県が漁業関係者に直接、漁法や時期を指定して駆除を行っております。

    駆除された外来魚の行方

    捕獲された外来魚は無駄に殺処分される訳ではありません。もとを正せば外来魚達には何も罪はなく、勝手に放流した人間達に非があります。そんな捕獲された外来魚を活用する為に、殺処分された魚は機械を使い、粉末状にして有機肥料として再利用されているケースもあります。

    外来魚を食べて駆除

    琵琶湖に存在する外来魚はブラックバス、ブルーギル、アメリカナマズ、雷魚などがいますが、これらの魚は美味しく食べる事が出来ます。淡水魚は生臭いと言われ日本人には敬遠されがちではありますが、正しい調理法を用いれば臭みを取り除くことができ、美味しく食べる事ができます。

    ブルーギルの食べ方

    ブルーギルやその他の外来種には寄生虫がおりますので加熱調理は必須です。ブルーギルは白身魚なので、料理方法は塩焼きやフライといった一般的な白身魚と同じ料理方法で美味しく食べる事ができます。しかし臭みのある魚なので特殊な下処理を行う必要があります。ブルーギルの臭みの原因は皮についているぬめりと内臓にあります。まずは皮の臭みを取る為に熱湯10秒程にくぐらせます。あとは鱗と一緒にぬめりを取ってあげれば外側の下処理は完了です。あとは内臓を傷つけないように慎重に取り出し、身をきれいに水で流してあげれば下処理は完了となります。

    外来生物に対するモラル

    Photo by rodolfoaraiza.com

    外来魚が広まってしまったのは、食用や研究の為に輸入した事がきっかけです。ですがそれ以外にも、一部のモラルに欠けた釣り人による違法放流もあると言えます。ブルーギル問題が中心となりましたが、外来魚だけではなく外来生物のすべてが日本の生態系に悪影響をもたらしています。近年では海外から珍しペットなどが簡単に輸入できますが、最後には飼いきれなくなり捨ててしまう人が後を絶ちません。全ての生き物に対してモラルある対応を頂けたら幸いと思います。

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