うなぎの謎多き生態とは?
うなぎはウナギ科ウナギ属に分類され、世界には19種類もの仲間が存在しています。この中で、食用とされているのは4種類です。見た目が似ていることから、別の魚をうなぎを付けて呼ぶこともあるのですが、みなさんはうなぎについて、どのくらい知っているでしょうか?
うなぎは生息地は何処?
この魚の生息地は、世界各地の熱帯から温帯の広い範囲です。日本でも各地に生息し、その生息地の範囲は川のような淡水域から海の海水域まで広く分布しています。また、日本に生息している個体は、産卵のため2000キロ離れたマラリア海峡まで泳いで行くことが確認されました。
うなぎはどんな生活をしている?
日中の明るい時間は、川の石などの隙間に潜んでいます。夜行性のため、夕方から暗くなってくると活発に泳ぎ、魚やカニ、カエルやミミズなどを食べます。淡水魚として広く知られていますが、実は海で産卵し、成長しながら川へ戻ってくる鮭と同じ降河回遊です。
うなぎの仲間?
良く知られているデンキウナギやタウナギ・ヤツメウナギは、見た目の形状がうなぎに似ているだけで、まったく別の生き物です。食べられますが、味はうなぎの方が何倍もおいしいでしょう。うなぎと一番味が近いのは、太刀魚だといわれています。
うなぎの気になる特徴は?
この魚の特徴は、ヘビのような体形と鮭のような淡水と海水の両方を生活の場にしていることです。ここからは、その体の特徴と、なぜ淡水と海水で両方で生きられるのかを、詳しくご紹介しましょう。
うなぎの体の特徴
形状はヘビによく似て、細長い体です。体長は通常20センチ~30センチですが、大きいものだと1メートルになる種類もいます。また、うろこがないように見えますが、皮膚の下に埋まっていてわからないだけです。環境によって性転換されるので、オス・メスの判別も難しいでしょう。
うなぎは淡水・海水の両方で生きられる?
淡水と海水の両方で生活できる魚は、他にも鮭や鮎などが有名ですが、うなぎが、これらの魚と違うのは、海で産卵するところにあります。淡水、海水の両方で生活できるためには、体のぬるぬるの粘液が役に立っています。
うなぎのぬるぬるの秘密とは?
うなぎのぬるぬるは、体を守る役割です。岩などに擦れる時や、外敵からの攻撃にも体が傷つきません。また、海などを泳ぐ時に体の水分を守るのにも必要です。あまり知られてはいませんが、ぬるぬるには毒の成分が含まれていて、この毒も身を守るのに役立っています。
うなぎのおすすめ料理は何がある?
うなぎといえば、蒲焼きやうな重など、料理を連想する方が多いのではないでしょうか。毎年ニュースで丑の日の話題を目にしますので、日本人にとっては、欠かせない食材のひとつです。うなぎには蒲焼きやうな重以外にも、おすすめの料理があります。和食だけでなく洋食もおすすめです。
うなぎのおすすめの和食は?
うなぎ料理の和食の定番といえば、やはり蒲焼きでしょう。しかし、うなぎを使った和食には、他にもたくさんのおすすめ料理があります。蒲焼きはもちろん、ひつまぶしやお寿司をご紹介します。
うなぎのおすすめの和食①:蒲焼き
定番中の定番、蒲焼きは、うな重やうな丼などに使われることが多く、魚を開いて骨を取り除き、タレ焼にする料理です。よく知られていることですが、関東では背開き、関西では腹開きにして調理されます。また、同じように焼きますが、タレを使わずに焼く白焼きも人気料理のひとつでしょう。
うなぎのおすすめの和食②:ひつまぶし
ひつまぶしは、名古屋の名物料理として知られています。おひつに入れたご飯の上に蒲焼きをまぶすことから、ひつまぶしの名前が付いたとされます。このまま、いただくこともできますが、いろいろな薬味を使い味を変えたり、お茶漬けにしたりと、さまざまな味を食べられるのが楽しい料理でしょう。
うなぎのおすすめの和食③:お寿司
うなぎのお寿司には、いろいろな食べ方があります。巻き寿司の中に入れる・ちらし寿司の上に載せる・穴子寿司のように握り寿司にするなどです。蒲焼きやうな重と比べると、あまり知られていませんが、酢飯との相性がとても良いので、おすすめ料理のひとつでしょう。
うなぎのおすすめの洋食は?
うなぎ料理は、日本だけでなく、海外の多くの国で親しまれています。洋食では、スパゲッティやワイン煮など、和食にはない食べ方を楽しめます。日本でもうなぎの洋食を食べられるレストランがあるので、探してみましょう。
うなぎのおすすめの洋食①:スパゲッティ
イタリアでも、うなぎは食べられています。コマッキオという都市では、9月から10月にかけて、うなぎ祭りがあるほど身近な魚です。リゾットやピザもありますが、おすすめはパスタやスパゲッティでしょう。スパゲッティの上に焼いたうなぎを乗せることが多く、パスタは味付けによって、うなぎの味わいも変化します。
うなぎのおすすめの洋食②:うなぎのワイン煮
ヨーロッパのうなぎ料理でメジャーなのが、フランス料理のうなぎの赤ワイン煮・マトロートです。マトロートとは、食材を赤ワインで煮込んだ料理のこと。ベルギーでは、白ワインを使った料理もあります。
うなぎのおすすめの洋食③:焼きうなぎオレンジ添え
みなさんは宗教画の最後の晩餐をご存知でしょうか。実はこの絵の中にうなぎ料理が画かれています。焼きうなぎのオレンジ添えはお店で出している所は少ないので、自分で調理に挑戦してみましょう。手軽に作れるので絵画にある料理を味わってみてください。
このように、洋食でも昔から馴染みのある食材だったことがわかります。
うなぎの調理方法は?
うなぎは、自分でも調理できる魚です。少しの注意とコツがわかれば、問題ありません。あらかじめ、開いて加工してあるものをお店で買ってくる方が簡単ですが、自分で捕まえて調理するのも楽しいですよ。
うなぎ調理の注意点
うなぎには、ぬるぬるした粘液や血の中に、イクチオヘモトキシンという毒が含まれています。強い毒ではありませんが、調理中に目や傷口に入ると危険ですので、注意してください。この毒はタンパク質なので、加熱すると無害になります。
うなぎのさばき方を紹介
うなぎのさばき方は、まず、千枚通しでしっかり頭を固定しましょう。次に、包丁を入れます。一気に切ると切りやすいので、お試しください。この時に、血が目に入らないように注意が必要です。粘液が臭みの原因のひとつなので、さっとお湯をかけると臭いが取りやすくなります。
うなぎの産地は?
まず、知っておきたいことは、普段の生活で食べられているうなぎのほとんどが養殖物であることです。飲食店では、天然物を食べさせてくれるところもありますが、絶滅の危険などの理由から、いまはほとんどありません。生息地が産地ではなく、養殖が盛んな場所が産地となります。
うなぎの代表的な産地
うなぎの三大生産地は、1位鹿児島県・2位愛知県・3位静岡県です。産地には名店と呼ばれるお店も多くあります。愛知県のひつまぶしは、有名なので、産地として納得できるのではないでしょうか。現地で美味しい料理を食べたいですね。
うなぎの旬はいつ?
うなぎの旬は、土用の丑の日です。食用に養殖されたうなぎは、土用の丑の日が一番美味しくなるように育てられます。養殖うなぎの旬の期間は、だいたい6月から8月。一年に二回、土用の丑の日がある年もありますね。天然物は、エサを良く食べて脂がのる、10月から12月が旬だといわれています。
美味しいうなぎを食べに出かけよう!
うなぎについて紹介しましたが、うなぎの謎はまだまだあります。完全養殖が難しい理由のひとつに、生態がわからないことがあげられるでしょう。しかし、うなぎ料理はおいしく、和食だけでなく洋食でもいただけます。旅行をかねて、うなぎの産地に食べに行くのもよいですね。