アオチビキはどんな魚?沖縄などで釣れる高級魚の釣り方食べ方をご紹介!

アオチビキはどんな魚?沖縄などで釣れる高級魚の釣り方食べ方をご紹介!

アオチビキは南九州や沖縄などでは知る人ぞ知る高級魚です。ではアオチビキとはいったいどんは魚なのか?どれくらいの大きさになるのか、場所はどこで獲れるのか。釣り方やさばき方、料理法や美味しい食べ方などをじっくりと解説していきます。

記事の目次

  1. 1.アオチビキとはどんな魚?
  2. 2.アオチビキは隠れた高級魚?
  3. 3.アオチビキの釣り方やタックルは?
  4. 4.アオチビキは地方によっては高級魚、食べ方・料理法は?
  5. 5.まとめ

アオチビキとはどんな魚?

アオチビキは、ブルーグレーのスマートな魚体に鋭い歯と大きな尾ビレが特徴的な南方系の肉食魚です。大きさは成魚になると体長1メートル以上、体重15キロにもなります。大きな群れを作ることは少なく、単独または数匹の群れで行動することが多いようです。沖縄地方など、場所によってはオーマチやクロマ、アオマチ、ギンムツなどの地方名で呼ばれています、特にアオチビキが身近な存在の沖縄ではいくつもの呼び方があるようです。

アオチビキの釣れる場所は?

アオチビキを釣ることのできる場所は、本州は伊豆半島以西の太平洋岸・伊豆諸島・九州・沖縄や琉球諸島の岩礁帯、特に珊瑚礁帯です。特に、熱帯海域に行くほど個体数も多く、沖縄地方では釣りの対象魚としても広く知られています。大きな尾ビレを見ても分かるように、非常に遊泳力が高く釣りの対象魚としては、高級魚としての食味だけでなく、針がかりした際の引きの強さもこの魚の魅力です。水深10メートルから180メートルくらいまでと行動範囲は広く、船からでも陸からでも釣ることはできます。

アオチビキの特徴・食性は?

アオチビキはとても好奇心が旺盛な魚です。ダイビングの最中にアオチビキに出会っても逃げたり隠れたりすることは少なく、ダイバーの周りを回遊したりもします。食性のほうは肉食で小魚をメインにイカやタコなどの頭足類やエビなどの甲殻類など幅広く食べます。

アオチビキは隠れた高級魚?

アオチビキは獲れる場所が南日本の太平洋岸に限られ、大きな群れを作ることもないので漁獲量は非常に少なくなっています。そのため、市場価値はあまり高くはありませんでした。ただし、生息数の多い沖縄地方など場所によっては高級魚として扱われています。もともと関東地方には出回らなかったことと、青い色合いの見た目が好まれず安い値段で取引きされていました。最近はまったりとした上品な白身で色んな料理法に合うことが評価されるようになり、東京の卸値でキロあたり2000円〜3000円で取引きされ隠れた高級魚といえます。

アオチビキの食べ方は?

アオチビキは見た目の青い色合いと、いかつい顔つきに似合わず、さばき方は比較的簡単で食べ方も豊富です。皮はしっかりとした厚みがあり、身のほうは上品な白身に控えめな血合いがあり、小型のものは脂の乗りも控えめです。中型から大型になると適度に脂が乗り、釣りたてのアオチビキの刺し身はしっかりした食感と歯応えが楽しめます。また4日〜5日ほど熟成させた刺し身は、ねっとりとした食感と甘み、旨みが増して絶品です。また、火を通しても身が硬くなったりパサついたりすることもないため、いろいろな料理や食べ方で楽しめます。

アオチビキの釣り方やタックルは?

アオチビキは主に小魚や甲殻類を捕食しているフィッシュイーターです。釣りにおいてもその食性を利用した釣り方で狙います。釣り方は大きく分けるとエサ釣りとルアーフィッシングの2種類の釣り方になります。エサ釣りでは生きた魚をエサにした泳がせ釣り。ルアーではキャスティング、ジギングなどで狙います。エサ釣り、ルアーフィッシングともに陸地からも船からも釣ることができます。タックルは場所や釣り方によって変わりますが、10キロを超えるものは引きも強烈なのでそれなりに頑丈なタックルが良いでしょう。

アオチビキ釣りのシーズンは?

アオチビキは南の海では1年中狙うことができます。もともと南方系の魚で高水温に強い魚なので、特に6月から10月頃はエサの食べ方も活発で釣りやすいでしょう。高活性の時期は比較的浅場でもアタリが多く、引きも強いためスリリングな釣り味が楽しめます。詳しくは解明されていませんが、夏場が産卵期と言われているので産卵前の荒食いと関係しているかも知れません。

アオチビキの泳がせ釣り

泳がせ釣りは、生きた小魚に針を付けて、自然に近い状態で泳がせる釣り方です。ルアーのような疑似餌ではないので、難しいテクニックは必要ありません。いかにエサとなる魚を弱らせないように素早く急所を外して針を刺すかがポイントです。泳いでいるエサにアオチビキや他の大型魚が接近するとエサの小魚が怯えて、竿先やウキが不自然な動きをする「前アタリ」が表れます。こうなると、釣り人のドキドキ感は最高潮に達します。こういった前アタリから食いつくまでの過程を楽しめるのは泳がせ釣りの魅力のひとつです。

船からの泳がせ釣りのタックル

船からの泳がせ釣りは100メートル以上の深場を狙ったり、潮流の早い場所で釣ることも多いので、ロッドは200号〜300号のオモリ負荷のある2.4m〜2.7mの泳がせ釣り専用ロッドがおすすめです。リールはPEの8号〜10号が300メートル巻けるものが良いでしょう。オモリは50号〜250号を水深や潮流によって使い分けます。ハリスはフロロカーボンの14号〜24号、ハリはヒラマサ針の18号〜20号を使います。

磯からの泳がせ釣りのタックル

磯からの泳がせ釣りは、長さが5m前後で4号〜5号の磯竿か石鯛竿を使用します。リールは大型の両軸リールか6000番クラスのスピニングリールを使います。道糸はPEの6号〜8号を200メートル。オモリ負荷10号〜15号のウキに、ハリスはフロロカーボンの12号〜20号。ハリはヒラマサ針の12号〜18号を使います。

泳がせ釣りの釣り方

釣り方は、船釣りの場合は生きエサの魚を素早く背掛けにして、船頭さんが指定したタナまで仕掛けを下ろすだけです。アタリは竿先に生きエサが怯える前アタリの後、一気に竿先が引き込まれたらアワセます。磯釣りの場合はウキ下を3m〜6mに設定した仕掛けを出来るだけ遠投します。ドラグを緩めに設定し、ウキが一気に引き込まれリールから糸が引き出されたら、ドラグを締めてアワセます。

泳がせ釣りのエサは?

泳がせ釣りのエサは釣りをする海域で実際にアオチビキが捕食してると思われるものがベストです。船釣りの場合は事前に船のイケスにエサを用意してくれている時もあります。なければ、サビキ仕掛けなどでエサになる魚を先に釣り、生かしバッカンか船のイケスに生かしておきましょう。おもにムロアジやサバ、グルクンなどを使います。なければ他の魚でもかまいません。

アオチビキをルアーで釣る

フィッシュイーターであるアオチビキは、格好のルアーフィッシングのターゲットでもあります。遊泳力もあり好奇心旺盛なアオチビキは、トップでもボトムでもどこでもヒットする可能性があります。ひとたびヒットするとファーストランは強烈で、この引きの強さはルアーマンを熱くさせます。

ルアーフィッシングのタックル

ルアー釣りでのタックルは、どれくらいの大きさのアオチビキを狙えるのかによって違いますが、10キロクラスを想定するなら、10フィート前後のジギングロッドかGT用ロッドのPEの6号以上の対応のもの。リールはスピニングリールの6000番以上、ラインはPEの6号〜8号を200m以上を巻きます。リーダーは100〜120ポンドを3m〜5mを使います。

ルアーでの釣り方

ショアからのルアーの場合は、基本的には表層から徐々に狙うポイントを深くしていくのが良いでしょう。朝マヅメなどはポッパーで水面からアピールし、アタリがなければペンシルなどで水面下、さらにはメタルジグやメタルバイブなどでボトムを攻めるのが基本です。船からのルアーの場合は、ポイントの水深が深い場合はメタルジグで底から誘い上げる釣り方が効率的です。
 

アオチビキは地方によっては高級魚、食べ方・料理法は?

アオチビキは比較的流通量の多い鹿児島や沖縄などでは高級魚として知られており食べ方も豊富です。小型のものは脂は少ないですが、大型になると腹身と皮目には適度な脂が乗り絶品です。適度な脂とクセのない白身がお刺身は元より焼き物、煮物、揚げ物とどんな料理にも適しています。

アオチビキのさばき方

アオチビキのさばき方は特別に難しいことはありません。大きさにもよりますが出刃庖丁1本で可能です。まずは水道水でヌメリを洗い流しウロコを取ります。次に、胸ビレの後ろから腹ビレの後ろまでに切り目を入れ、頭と身を2つに切り分けます。身のほうは刺し身にする場合は3枚下ろし、煮付けや焼き物にする時は2枚下ろしやブツ切りなど料理しやすい大きさに切り分けます。基本的にはタイやスズキなどと同じさばき方で大丈夫です。

アオチビキの刺し身

新鮮なアオチビキがつれたり手に入ったら、お刺身で味わうのがおすすめです。さばき方は3枚に下ろして皮を引いて切るだけです。釣った当日や翌日は身に歯応えがあるので、薄めに削ぎ切りにしたり薄造りがおすすめです。釣ってから3日〜4日冷蔵庫で寝かせると身の食感がもっちりとしてきて旨みと甘みが出てきます。そうなってくると平造りが絶品です。

アオチビキの塩焼き

程良い塩加減とホコホコした白身の焼き魚は魚料理の王道です。さばき方は2枚におろして、皮に切り目を入れ、両面に塩をして、冷蔵庫で1時間〜2時間寝かせます。塩分によって水気が出てきますので、水分を綺麗な布やキッチンペーパーでふき取ります。再度両面に軽く塩をふり、遠火の強火でじっくりと焼けばできあがりです。

アオチビキの煮付け

それなりの大きさのあるアオチビキは、さばき方にもよりますがかなりの量のアラがでます。これを捨てるのはもったいないので煮付けにしましょう。もちろん身の部分を煮付けても最高です。鍋や深めのフライパンに水、醤油、酒、みりん、砂糖、きざみしょうがを入れ煮汁を作ります。砂糖を少し減らしてハチミツを入れると美しい照りがでます。煮汁に身やアラがひたひたに浸かるようにして、落し蓋をして煮汁が蒸発して焦げ付かないように注意しながら20分〜30分煮込みます。ごはんにもお酒にも合う煮付けになります。

アオチビキの揚げ物

アオチビキを揚げ物にする場合は、3枚に下ろした身を食べやすい大きさに切り分けます。皮は残しても引いてもお好みでかまいません。フライにする場合は身に軽く薄力粉をまぶし、溶き卵にくぐらせた後パン粉を付けて180度の油で揚げます。から揚げの場合は適度な大きさに切り分けた身を醤油、おろしショウガ、おろしニンニク、酒などを混ぜたタレに20分程度漬け込み、片栗粉をまぶしたものを180度の油で揚げます。どちらも衣はサックリ身はフワフワの絶品食感を楽しめます。

まとめ

アオチビキは生息する場所が限られているため、どこでも気軽に釣ったり食べたりすることはできません。それだけに出会える機会があれば是非アオチビキの釣り味や料理を堪能してみてはいかがでしょうか。

T OHARA
ライター

T OHARA

釣り歴は30年以上、磯釣り、投げ釣りに精通。磯釣りはフカセ釣り、カゴ釣り、底物など。現在は紀伊半島中心にフカセ釣りがメイン。皆さんと釣りの素晴らしさを分かち合いたいです。

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