ネンブツダイはおいしい魚!
ネンブツダイはエサ取りになるため外道と呼ばれる魚で食べたことがある方は少ないのではないでしょうか。しかし実はネンブツダイはおいしい魚です。骨が多く耳石もあるため、食べにくい魚、食べられない魚と判断してリリースする方がほとんどですが、調理の方法次第で簡単においしく食べられます。
簡単に釣れるネンブツダイ
ネンブツダイは岩場やテトラポットの辺りにいることが多く、一度釣れると続けてどんどんと釣れてしまうこともよくあります。狙っている魚がいる時に釣れ始めると邪魔な魚だと嫌われてしまうことも多いです。
ネンブツダイの大きさは10センチ前後と小さく食べられる部分が少ない魚のため、持ち帰って調理しようと考える人は少ないかもしれません。
あっさりとした白身魚
ネンブツダイは淡白な風味の白身の魚です。クセが少ないのでつみれや干物にしてもおいしいですし、ネンブツダイで味噌汁の出汁を取ればとても上品な味わいが出るのでいろいろな料理に活用できます。水分が多くふわふわとした食感のネンブツダイの身は唐揚げやフライにした時にも楽しめるのでおすすめです。
あっさりとしていて魚の特有の臭みもほとんどないため子どもでも食べやすいです。
ネンブツダイの下処理のポイント
ネンブツダイは実は簡単に下処理できる魚です。ネンブツダイの大きさは10センチ前後と小さな魚なので、下処理が面倒だったり複雑だったりすると調理もしたくなくなります。しかしネンブツダイは刃物を使わなくても大まかな処理ができてしまうほど簡単なので、大量に釣れたとしてもどんどんと処理をしていけます。
早めに下処理をする
どんな魚にも共通して言えることですが、釣ったらできるだけ早く下処理を行いましょう。特にネンブツダイは弱りやすく身が柔らかい魚なので、早めに下処理を行うことがポイントです。
ネンブツダイのトゲ
ネンブツダイには背びれ、腹びれ、胸びれのところに硬いトゲがあり、刺さると怪我をしてしまうため注意が必要です。唐揚げやフライなど油でカラッと料理する場合はトゲを取らなくても問題ありませんが、下処理や調理の工程で気になる方はハサミなどでトゲを落とすといいです。
ネンブツダイの頭
ネンブツダイの頭は包丁を使わなくても簡単に取れます。エラの後ろの部分から頭をつかんで折ると内臓も一緒にくっついて取れ、下処理の半分以上が一気に終了です。やりにくく感じられる方は包丁やキッチンバサミで少し切れ目を入れると作業しやすくなります。
ネンブツダイの耳石
ネンブツダイは頭が大きいので、頭をとってしまうと食べるところがほとんど残らないように感じられます。しかしネンブツダイの頭には耳石があり、口当たりが非常に悪いです。耳石を噛むとジャリッとした砂を噛んだような食感があるため調理する際には頭を落とすことをおすすめします。
ネンブツダイの内臓
ネンブツダイの内臓はとても小さく、頭を落とすときに引っ張ると一緒にくっついて取れるため非常に簡単に処理できます。
ネンブツダイの内臓は臭みが強いため調理する際には内臓をしっかりと取ることをおすすめします。味噌汁など汁物を作るときには血や内臓の一部が残っていると風味が落ちたり出汁が濁ってしまう原因になるのでしっかりと処理をしてきれいに洗いましょう。
ネンブツダイの骨
ネンブツダイには骨が多くありますが大きさが10センチ程度の魚なので1本1本骨を取ることは難しいです。
刺身にしたい場合はピンセットなどを使って取り除く必要がありますが、唐揚げやつみれは細かな骨がついたままでも食べられるため、調理の時間や手間がかからずおすすめです。ネンブツダイは大量に釣れることが多いため下処理の手間を考えると加熱調理に向いている魚と言えます。
ネンブツダイのうろこ
ネンブツダイのうろこは取れやすのでスプーンなどでも簡単に処理できます。尾びれから頭の方にかけてスプーンの側面を当てて動かしていくと大きなうろこが取れていきます。
しかしたくさん釣れた時はうろこを取るのにもかなりの時間がかかるため、うろこがついたままでも食べられる唐揚げやフライなど加熱調理をするのがおすすめです。
ネンブツダイのおいしい食べ方①:味噌汁
ネンブツダイの味噌汁はネンブツダイがたくさん釣れた時にもおすすめの食べ方です。頭、内臓と軽くうろこを取ったネンブツダイで出汁を取るととても上品な味わいの味噌汁ができます。ネンブツダイは小さな魚なので少量では十分な出汁を取ることが難しいため、10匹以上まとめて出汁を取ることをおすすめします。
ネンブツダイの味噌汁の材料
- ネンブツダイ……10匹以上
- 水……1リットル
- 味噌……適量
- ネギ……お好みで
ネンブツダイの味噌汁の作り方
- スプーンなどでネンブツダイのうろこを取る
- 塩で全体をこすりヌメリを取る
- 頭と内臓を取る
- 水できれいに洗う
- 1リットルのお湯を沸かし、ネンブツダイを入れる
- 煮たったら灰汁を取って弱火で5分ほど加熱する
- 火を止めて味噌を入れる。お好みでネギを入れる
ネンブツダイのおいしい食べ方②:唐揚げ
ネンブツダイの唐揚げは簡単に作れるのでたくさん手に入った時も一気に作れるおすすめの調理です。ネンブツダイは骨が多く、身体が小さいのでうろこ取りにも時間がかかりますが、唐揚げにすれば骨やうろこも全部食べられるので細かな作業を省いて作れます。
小骨を一緒に食べられるのでカルシウム摂取にもなり、子どもでも食べやすい淡白な白身魚の味わいを楽しめます。
ネンブツダイの唐揚げの材料
- ネンブツダイ……20~30匹
- 塩コショウ……少々
- 片栗粉……適量
- 小麦粉……適量
- 揚げ油……適量
ネンブツダイの唐揚げの作り方
- ネンブツダイの頭と内臓を取り、水で洗う
- 水気を切ったネンブツダイに塩コショウをして下味をつける
- ビニール袋に片栗粉と小麦粉、ネンブツダイを入れてまんべんなく付くようにする
- 油を170~180度に熱する
- ネンブツダイを揚げていく
- カラッとしてきたら弱火にでさらに1分ほど加熱して骨まで火が通るようにする
ネンブツダイのおすすめ料理③:干物
ネンブツダイの干物は一度作れば日持ちする調理法です。ネンブツダイは小さな魚なので開くのには少々時間がかかりますが、みりんに漬け込んだ干物はとてもおいしいのでおすすめです。お酒のおつまみにもなるのでぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
ネンブツダイの干物の材料
- ネンブツダイ……10〜20匹
- みりん……大さじ4
- 酒……大さじ2
- しょうゆ……大さじ4
- 砂糖……大さじ1
- ごま……少々
ネンブツダイの干物の作り方
- 下処理したネンブツダイを開く
- 開いたネンブツダイを調味料に漬け2時間ほど置く
- ネンブツダイのタレを軽くふき取りザルに並べる
- ごまを振りかけて風通しがよい場所で2,3時間ほど干す
ネンブツダイのおいしい食べ方④:つみれ
ネンブツダイのつみれは釣り人の間でも人気の食べ方です。ネンブツダイは骨が多いため食べにくく人気のない魚ですが、つみれにすれば骨の処理も必要なくネンブツダイのおいしさを楽しめます。
フードプロセッサーがある方はさらに簡単に調理できるため、大量に釣れてしまっても心配いりません。つみれにすれば揚げたり汁物に入れたりとさまざまな料理に生かせるのも嬉しいですね。
ネンブツダイのつみれの材料
- ネンブツダイ……10匹程度
- 塩……少々
- 片栗粉……小さじ1
- ネギ……お好みで
ネンブツダイのつみれの作り方
- ネンブツダイの頭と内臓を取る
- フードプロセッサーにネンブツダイ、塩、片栗粉を入れてミンチにするか、すり鉢を使ってすり身にする
- みじん切りにしたネギと2のすり身にしたネンブツダイをあわせる
- お好みで味噌汁に入れたり揚げたりして加熱する
ネンブツダイをおいしく食べる
ネンブツダイは大きさ10センチ前後と小さく、骨も多いため人気のない魚です。しかし下処理のポイントと簡単な調理方法をおさえておけばおいしく食べられます。たくさん釣れることが多い魚なので、見方を変えれば家族に喜ばれるお土産として持ち帰ってもいい魚ではないでしょうか。
今までネンブツダイを食べずにリリースしていた方はぜひ一度ネンブツダイの料理を試してみてください。