福井の釣り場は観光名所の「雄島」がおすすめ!
福井の釣り場として一番のおすすめが「雄島・オシマ」です。雄島は「越前海岸」と人気を二分する有名な磯釣りのスポットで、特に、大型魚の魚影が濃く、1~2月の冬の時期を除けば、年間を通して安定した釣果が期待できます。また、風光明媚な場所で観光客にも人気があり、福井を代表する観光名所となっています。
福井県は磯釣りの天国
福井県は、北部には隆起海岸である越前海岸、また南部にはリアス式海岸の若狭湾があります。その海岸線415kmの大半が岩場で、磯釣りの有名ポイントが多数あります。週末になると地元北陸はもちろんのこと、関西、中部方面からも、多くの釣り人が来県し、いたる所で釣りを楽しむ姿が見られます。福井県はまさに「磯釣りの天国」と言えます。
福井の大きな無人島「雄島」の地形
雄島は福井県坂井市三国町安島にあり、有名な観光名所「東尋坊」の北隣りにあります。標高27メートル、周囲2キロの、越前地方では一番大きな島で、日本海に突き出た形となっています。島全体は粘性の高いマグマが冷えて固まった「柱状節理」と呼ばれる構造が見られ、観光客も多く訪れます。島へは227mの朱色の橋がかかっていて、徒歩で渡ることができます。また、橋のふもとには駐車場とトイレも完備され、気軽に渡れる「大きな無人島」と言えます。
雄島への行き方と周辺情報
北陸自動車道金津インターチェンジを降りて、一般道を約30分ほど走ります。雄島周辺は「東尋坊」や「越前松島」などの名所もあり、一帯が観光地となっています。飲食店や宿泊施設も多数ありますが、コンビニエンスストアは最寄りでも約3kmほど離れているので、事前に食料や飲み物を調達をして雄島に向かうことをおすすめします。
4つのポイントと釣れる魚種
島の周囲は水深が深く、潮の通りも抜群に良いので、回遊魚、根魚はもちろん、タイやアオリイカ、タコも含め、釣りでターゲットとなるほとんどの魚種が釣れます。雪が降る1月~2月の冬の時期の釣りは難しいですが、3月~12月あたりまでは釣果が十分に期待できます。また、雄島の外周の大部分が釣り場となることから、その時の風や波の状態によって安全な釣り場所を選ぶこともできます。その雄島の中でも、特に釣果が安定するのが「三ツ岩・馬の背・中の島エリア」、「ビョウブ岩」、「トッタン」、「ネコの小判」の4か所で、ルアーマン、餌釣り師問わず人気の釣り場となっています。
三ツ岩・馬の背・中の島エリアの釣り方(福井県・雄島)
エリアの特徴と釣れる魚種
雄島北側の三ツ岩・馬の背・中の島エリアは、全体的に潮通しが良く、海底が起伏の激しい岩礁帯となっていて、根魚やベイトフィッシュの溜まりやすい場所です。周辺ではアジ、スズキ、青物、クロダイ、根魚などが釣れます。穏やかな日はアジや青物の数釣りが楽しめ、また、少し波気のある時はスズキも活性があがり狙い目となります。ただし、北向きの釣り場となるため、北風が強い冬の時期は荒波が足元を洗い釣りができません。ぜひ、春から秋の比較的穏やかな日に釣行することをおすすめします。また、このエリア全体は、秋のアオリイカの時期も実績の高いポイントです。2号から3号のエギを丹念にシャクっていくことで、アオリイカの数釣りが楽しめ、ときどきマダコも混じります。
根魚の宝庫「三ツ岩」
一番北側の「三ツ岩」周辺は根魚の宝庫です。ここは柱状節理の岩場がそのまま海底へ続いていて、岩と岩の隙間が根魚の絶好の棲み処となっています。釣り方はジグヘッドリグやテキサスリグでワームをセットし、ボトムを丹念に探っていくのがおすすめです。数回キャストして、少しずつ移動しながらボトムを探っていきます。魚種はカサゴ、ムラソイ、メバル、キジハタで、釣れるサイズも大きく、思わぬビックワンが釣れることがあります。いきなり「ゴーン」という衝撃がロッドに伝わり、まるで「宝さがし感覚」の釣りが楽しめます。また、ほぼ一年じゅう釣ることができますが、フグの活動が活発となる夏場は、ワームが簡単にかじられてしまうので、避けた方がいいです。
回遊魚やスズキが狙える「馬の背」
この「馬の背」の沖は十分な潮の流れと水深があるので、大型のアジ、青物、スズキが釣れるポイントとして人気があります。アジに関しては30センチを超える「尺アジ」が狙え、ルアーは1オンス程度のメタルジグが有効です。シーバスロッドでジグを遠投して、最初は表層から速巻きで狙っていきます。表層に反応がなければカウントダウンをして水深を変えて探っていきます。アクションはただ巻きでもいいですが、時折ジャークやストップアンドゴーを交えてジグを動かしていくといいでしょう。また、この釣り場所ではアジの他に青物、スズキも同時に狙えます。ジグでアジを狙っていたら、50センチのフクラギ、80センチのスズキがたて続けに釣れたこともあります。釣果が期待できる時期は4月~12月で、特に初夏は魚影が濃いです。釣れすぎて、魚が重くて持ち帰るのに苦労するということもありますので、大型のクーラーボックスを持参してください。
アジングが楽しめる「中の島」
「三ツ岩」と「馬の背」の間には、小さな湾があり、中心には「中の島」と呼ばれるハナレがあります。中の島周辺も潮通しがよく、小アジが回遊するポイントとなっていますので、ライトタックルと小型ジグ・ワームの組み合わせで、手軽なアジングが楽しめます。おすすめは早朝もしくは夕方で、その時間帯は小アジの群れが湾内に留まっていますので、短時間で十分なおかずの量が確保ができます。また、このエリアは回遊魚から根魚、アオリイカまで様々な魚種が釣れる場所ですので、シーバスロッドにPEラインとフロロカーボンリーダーを組み合わたタックルに、メタルジグ、ワーム、プラグ、エギなど、あらゆるルアーを準備して釣行して下さい。時期と海況がベストならば、様々な魚種の釣果に恵まれる「ルアー五目釣りの名所」と言えます。
ビョウブ岩での釣り方(福井県・雄島)
日本海の大パノラマが広がる「ビョウブ岩」
雄島の北西にあり、一番外に突き出た屏風のような形の岩が通称「ビョウブ岩」です。このビョウブ岩には波の穏やかな日には歩いて渡れます。周辺は、水深は比較的浅いのですが、潮通しは抜群で、アジ、青物、マダイ、クロダイ、アオリイカの好ポイントとなっています。岩の上からは日本海の大パノラマが広がり、まるで「海を独り占め」したようなロケーション抜群の人気の場所なのです。特におすすめは「夕まづめ」の時間帯で、目の前の海に夕陽が沈んでいきますので、とても幻想的な眺めとなるでしょう。ただし、この釣り場も西~北の風に弱く、波高が1メートルを超えると波が足元を洗うようになり危険ですので、その場合は無理して渡らず、手前の左右の岩場からキャストして下さい。
アジ、青物、鯛の好ポイント「ビョウブ岩」
おすすめの釣り方は、シーバスロッドで1オンス~2オンス程度のメタルジグを遠投し、水深を変えて、広く丹念に探っていくことです。とにかく潮がよく通る場所で、群れが回遊してくるのをキャストして待つというスタイルです。釣果が期待できる時期は5月~11月で、穏やかな日にはあちこちにナブラが沸くこともあり、興奮しっぱなしの釣りとなります。ただし、すぐ沖合は東尋坊の遊覧船の航路となっていて、船が接近することで、せっかくのナブラが沈んでしまうこともあります。その場合は焦らずノンビリと構えて時合いが来るのを待ちましょう。また、マダイ狙いに関しては小さめのメタルジグを使います。テールにシングルフックを付け、ボトム付近をゆっくりとただ巻きして探って下さい。するとゴンゴンという激しいアタリがロッドに伝わってきますので、ヒットした瞬間にマダイと分かります。
トッタンでの釣り方(福井県・雄島)
最も魅力的な釣り場「トッタン」
「トッタン」は雄島の中で最も見晴らしが良く、観光名所となっています。そして大型の青物の実績が最も高いことから、釣り人にも人気スポットとなっています。その釣果のよい最大の理由は2点考えられます。まず1点目は、足場が高く南向きなので、北風で時化た時でも十分に釣りができること。そして2点目は、周辺の海底は大きな沈み根が点在していて、水深も深く潮もよく通ることから、アジ、青物などの回遊魚をはじめ、スズキ、マダイ、根魚が溜まりやすい地形となっていることです。この2つの条件が合わさって、素晴らしい釣果を出しているのです。
大型青物が回遊してくる「トッタン」
釣り方はメタルジグを遠投し、水深を変えながら広く探っていき、群れの回遊を待つというスタイルになります。波の穏やかな日は「トッタン」の先端付近まで行け、そこから広範囲にルアーをキャストができます。ただし、うねりが強い日は波が足元を洗うこともあり危険です。先端付近の岩場は、乾いている場所までが釣り場と考えて下さい。ですので、この場所の釣行はスパイクシューズとライフベストの着用が必須と言えます。また最も場所取りの競争率が高い釣り場ですので、既に先行者がいる場合は少し手前の崖の上から南側(東尋坊側)に向かってキャストして下さい。その場合、魚の取り込みには長さ5m以上の大きな磯タモが必要となります。
「トッタン」はハードタックルがおすすめ
大型の青物がヒットする確率が高いので、タックルについてはシーバスロッドよりもハードな「青物用ショアジギングロッド」が望ましいです。大型スピニングリール、2号以上のPEラインに30ポンド以上のショックリーダー。そして2オンスから3オンス程度のメタルジグという組み合わせがいいでしょう。不意に大型がヒットし、根ずれしてラインブレイクするという事態も想定されますので、少々強引にでも巻き上げてこられるタックルが安心できます。そして、確実に取り込む為にも、二人以上で釣行し、同行者にタモ入れを任せるほうが無難です。また、この「トッタン」はイシダイなどの底物やメジナなどの上物も魚影が濃く、餌師にとっても人気の釣り場ですので、ライントラブルの無いように注意が必要です。
ネコの小判での釣り方(福井県・雄島)
中級者以上の釣り場「ネコの小判」
釣り場「猫の小判」はちょうど島の南側にあり、島自体が防波堤の役割を果たすことから、冬の時期でも波が穏やかな釣り場と言えます。周囲は水深があり、潮もよく通ることから、アジ、青物、サワラが釣れるポイントとして人気があります。ただし、釣り場までは、断崖絶壁の岩場を降りなければならないので、中級者以上におすすめのポイントと言えます。岩場が濡れる雨の日や、強風が吹きあれる時期は非常に危険ですので、ぜひ春から秋の穏やかな晴天の日に釣行することをお勧めします。
「ネコの小判」でのおすすめの釣り方と注意点
ここはシーバスロッドに1オンス程度のメタルジグ、もしくはバイブレーションの組み合わせがお勧めです。水深があり、ポイントが絞りにくいことから、手返しのよいタックルで広範囲にキャストし、カウントダウン数を変えてどこに群れが居るかをいち早く探ることが釣果につながります。一旦、群れの場所を把握できれば、しばらく同じ水深で釣れ続けます。魚が安定して釣れる時期は4月~12月と長期間に渡りますが、この場所は「カゴサビキ」でアジを狙う釣り人も多く、その場合、魚はアミエビに夢中になりルアーに反応しなくなってしまいます。したがって、苦労して釣り場にたどり着いても、全く釣れないという残念な結果になるのです。幸い、雄島に渡る際に、橋の上からネコの小判の状況がよく見えますので、その時点で釣行すべきか判断するとよいでしょう。
荒天時の釣り場(福井県・安島漁港西側防波堤)
雄島に負けない釣果の「安島漁港西側防波堤」
天候が悪い場合や強風で時化ている場合は、岩場は滑りやすく雄島釣行は危険が伴います。そのような時は雄島の橋の手前にある「安島漁港」での釣行をおすすめします。この港内は水深が3m程度と比較的浅く釣果は期待できませんが、漁港の西側防波堤から外向きのポイントについては十分に水深があり、雄島にも負けないほどの釣果が期待できる人気の釣り場なのです。釣れる時期は3月~12月で、防波堤の周辺には沈み根が点在し、根魚はもちろんのこと、スズキ、青物も回遊する好ポイントで、秋の時期にはアオリイカが釣れる場所としても有名です。
「安島漁港西側防波堤」でのおすすめの釣り方と注意点
1オンス程度のメタルジグやバイブレーションプラグをシーバスロッドで遠投し、広範囲にアタリを探っていくのがおすすめです。特に北風の場合はちょうど追い風になるため、かなりの遠投が可能となります。またテトラの上からの釣りとなることから、取り込みには長めの磯タモが必要となります。大型がヒットする可能性も大いにありますので、あとで後悔することの無いよう準備万端で釣行して下さい。
まとめ
今回は雄島を中心に紹介しましたが、福井県にはまだまだ釣りの名所があります。サクラマスで有名な「九頭竜川」、防波堤からの釣りが1年中楽しめる「福井新港」、そして海岸全体が魚の棲み処と言える「越前海岸」や「若狭湾」。そして風光明媚な観光地や歴史的な名所も数多くありますので、ご家族や仲間でゆっくりと、福井県の釣りと観光をあわせて堪能してみてはいかがでしょうか。
「雄島」全景。朱色の橋がかかっていて徒歩で渡れます。観光名所として人気で、週末には多くの観光客が訪れます。
出典:ライター撮影