はじめに
耳にしたことはあるものの、一体どんなルアーなのか理解できていないアングラーも多いでしょう。それもそのはず。ブレーデッドジグというルアーは広く流通している一方で、その名前自体はほとんど使われていないからです。一体どういうことなのでしょう?今回はこのブレーデッドジグの特徴、使い方や使用感を徹底的に解説していきます。
ブレーデッドジグとは?
ブレーデッドジグとはラバージグのアイの部分に薄いブレードが装着されたルアーのことです。このブレードは単なる反射板などではなく、ブレーデッドジグの動きの原動力となる大事なパーツで、激しくもハイピッチなバイブレーションを生み出します。一般的に、ブレードは金属製ですが、プラ製のものも発売されています。
それってチャターベイトじゃないの?
そうです。上の画像を見て既に気づいている人も多いかと思いますが、ブレーデッドジグとは、いわゆるチャターベイトなのです。ではなぜ、チャターベイトという呼び名が定着したのでしょうか?
チャターベイトは製品名
元々チャターベイトとは、アメリカのZ-MANというブランドから発売されているブレーデッドジグの製品名でした。そのブレーデッドジグがアメリカで人気となり、日本に持ち込まれたことから、日本ではチャターベイトという名前で呼ばれるようになったのです。
ブレーデッドジグの使い方
ブレーデッドジグは特別なテクニックを必要とせず、基本的にただ巻くだけで、本来のポテンシャルが発揮し、釣れるルアーです。気にしなければいけないことがあるとすればリトリーブスピードとトレースコースぐらいでしょう。
ある程度の速いリトリーブを心掛ける
スローリトリーブでも釣れるブレーデッドジグですが、ある程度スピーディーにリトリーブするとルアー本来のポテンシャルと使用感を感じることができるでしょう。ハイピッチでアクションするルアーが高速で目の前を横切ることで、ルアーを正体を即座に判断できないので、賢いバスも釣れるのがブレーデッドジグの真骨頂なのです。
ブレーデッドジグにトレーナーは必要?
ブレーデッドジグにはトレーラーが装着されていることが大半です。スピナーベイトやバズベイトだとトレーラーは好みや状況に応じた判断で装着しますが、この違いは何なのでしょうか?
トレーラーを付ける前提でデザインされている
ブレーデッドジグは基本的にトレーラーの装着を前提として設計されています。また、トレーラーを装着することでアクションが暴れ過ぎないうえに、より生き物らしい艶かしい動きになります。そして、トレーラーを付けることで重量や水の抵抗も大きくなり、キャストや巻き抵抗などの使用感も向上させてくれるので、ブレーデッドジグがさらに釣れるルアーへと進化します。
ブレーデッドジグのアクション
それではブレーデッドジグの動きに注目していきましょう。ブレーデッドジグはタダ巻きするだけでも、ブレードが高速で左右に振れ、それに伴ってジグそのものが細かく振動します。基本的にフォーリングではブレードは折りたたまれるように、ジグに密着するので、フォーリング時は振動しません。
千鳥アクション
現在は日本でも完全に定着したブレーデッドジグですが、その要因となったのが千鳥アクションと呼ばれる動きです。簡単に言うと真っ直ぐな軌道で泳ぐルアーが、突然バランスを崩し、起動が変化するという不規則なアクションです。ブレーデッドジグが見せるこの千鳥アクションが、トーナメントでも通用するほどにバスを狂わせるパワーを秘めていると話題になりました。
ブレーデッドジグはトレーラーでアクションが大きく変わる
ブレーデッドジグはトレーラーで動きが大きく変わります。特に千鳥アクションともなれば、ワームのテールだけでなく、リブの有無次第で、アクションが変化してしまうほど繊細なルアーなのです。特別なテクニックを要さないルアーだけに、セッティングが釣果を左右してしまいます。ベストなトレーラーセッティングは、そのブレーデッドジグによって違うので、プロスタッフのセッティングなどを参考にしましょう。
どんなワームがマッチするのか?
ブレーデッドジグに装着するワームはストレートワームが一般的です。ブレーデッドジグ本来のアクションを殺さないことが主な理由で、千鳥アクションのキレも損なわれません。スローリトリーブで使用する場合はシャッドテールワーム、ボトムバンピングなどテクニックを使用する際は、パドルテールなどを使用することも稀にあります。
ブレーデッドジグに適したタックル
ブレーデッドジグは名前にジグという言葉が含まれていますが、あくまでもファーストムービング系のルアーになります。つまり、ラバージグを扱うようなタックルではブレーデッドジグを快適に扱えないということです。かと言って、クランクベイトを扱うようなグラスロッドもあまりおすすめできません。それはなぜか? ブレーデッドジグの特徴と照らし合わせながら、このルアーにあったタックルについて考えましょう。
ロッド
ロッドはパワーはM~MHクラスが無難です。問題はテーパーになります。ファストテーパーではバスのバイトを弾いてしまうのですが、かと言って、クランクやバイブレーションを扱うノリ重視のロッドだと、ブレーデッドジグの太いフックを貫通させられない可能性があります。スピナーベイトが気持ち良く扱えるような、少しハリのある巻きモノロッドがブレーデッドジグのマッチするでしょう。
リール
リールはハイギアがおすすめです。なぜなら、ブレーデッドジグはその動きの特性もあり、早巻きが有効になるシチュエーションが頻繁にあるからです。もちろん、スローリトリーブが有効になる場合もありますが、ハイギアリールをゆっくり巻くことで対応可能なスピードが大半なので、ローギアリールは必要ないでしょう。
ライン
ラインは12~14lbのフロロカーボンが相場となっています。ブレーデッドジグは太軸のフックをバスの顎に貫通させる必要があるので、伸びのあるナイロンラインを使用してしまうと、どうしてもフッキング率が落ちてしまいます。
PEラインはダメなのか?
ナイロンの伸びがデメリットならば、伸びがゼロに等しいPEラインは有効ではないのかと思う人もいることでしょう。しかし、ブレーデッドジグへのバイトは激しく反転するようなものがとても多く、伸びが全く無いと高速で動くルアーに喰いついてから反転できなくなってしまいます。なので、僅かながら伸びの残るフロロカーボンがベストとされています。
日本にブレーデッドジグを定着させたモグチャ
現在多くのブレーデッドジグを店頭で目にすることができますが、実はZ-MAN製のオリジナルチャターベイトが日本に持ち込まれた当初は、その真価を理解されることなく、日本のバスフィッシングシーンに定着しませんでした。そして、オリジナルチャターベイトが持ち込まれてから数年の歳月を経て発売されたのが、イマカツのモグチャことモグラモスチャターでした。
モグチャの特徴
モグチャの最大の特徴は、トーナメントでも通用するほどのクオリティーでの千鳥アクションでした。それまでは千鳥アクションという言葉さえ浸透していませんでしたが、このモグチャを使用してトーナメントで好成績を出すプロが現れたことで、一躍注目の的となったのです。この千鳥アクションはワームとのセッティングさえマッチすれば、誰ども具現化できるので、全国各地でブームとなりました。
ブレーデッドジグはまだまだ進化する
ジグ+ブレードというシンプルな作りのルアーですが、技術の進歩に伴ってまだまだその進化を止めることはありません。新素材を使用することで、極薄ブレードやタングステンヘッドが実現。新たなアクションや使用感を体験することが可能になっています。そのうち、タダ巻きだけでなく、ジャーキングなどのテクニックに対応したモデルも登場するかもしれません。
まとめ
シンプルながら奥が深いルアーであるブレーデッドジグはタックルやトレーラーとの組み合わせ次第でその可能性は無限大です。シーズンやフィールド、水質を問わず活躍するルアーなので、まだ使ったことのない人は是非一度使ってみてください。