シマノ15ストラディックは評価が高い
シマノ15ストラディックは、廃番になったいまでも評価が高いスピニングリールです。ストラディックシリーズは20ストラディックSWまで改良されていますが、15ストラディックは新しいモデルに負けない魅力を持っています。
とくに、巻き心地のよさとドラグの性能の評価が高く、さまざまな釣り方に対応できる凡庸性の高さが評判です。
シマノ15ストラディックは旧型モデル
シマノ15ストラディックは、2015年に販売され、いまでは廃番になった旧型モデルです。シマノでは、海外輸出用のスピニングリールとして2015年より先にストラディックシリーズを製作されていたため、完全な新作ではありませんでした。
しかし、バイオマスターシリーズの後続モデルであると、発売前から話題になり、発売後は大ヒット商品の仲間入りをはたしています。
バイオマスター後続モデル
15ストラディックのもとになったモデルは、2011年に販売されたバイオマスターシリーズです。シマノのリールは4年ごとに改良されますので、4年後の2015年にストラディックとしてバイオマスターのモデルチェンジがおこなわれました。
15ストラディックは、バイオマスターに使われているHAGANEボディを引き継いでいます。
もとは海外輸出用のモデルだった
ストラディックというシリーズのスピニングリールは、もとは海外輸出用モデルでした。海外モデルを国内販売へつなげるのは、シマノの販売戦略のひとつです。
2015年の時点で、すでに海外モデルとして販売されていたSTRADIC Cl4+は、15ストラディックの新モデルである16ストラディックCI4+の原型として知られています。
シマノ15ストラディックのスペック
シマノ15ストラディック2500S
参考価格: 27,280円
1回転で巻ける長さ(cm) | 73 |
---|---|
最大ドラグ力(kg) | 4 |
重さ(g) | 230 |
ギア比 | 5 |
15ストラディック品番 | 1回転で巻ける長さ(cm) | 最大ドラグ力(kg) | 重さ(g) | ギア比 |
---|---|---|---|---|
1000S | 66 | 3 | 200 | 5 |
C2000HGS | 79 | 3 | 200 | 6 |
2500S | 73 | 4 | 230 | 5 |
2500HGS | 88 | 4 | 230 | 6 |
C3000 | 73 | 9 | 230 | 5 |
C3000HG | 88 | 9 | 230 | 6 |
3000XGM | 91 | 9 | 250 | 6.2 |
4000 | 77 | 11 | 275 | 4.8 |
4000HGM | 93 | 11 | 280 | 5.8 |
4000XGM | 99 | 11 | 285 | 6.2 |
シマノ15ストラディックは、1000Sから4000XGMと品番が多く、スペックも品番によってさまざまです。スペックに違いがあるぶん、楽しめる釣り方や狙えるターゲットが多くなります。
価格は2万円前後ですが実売価格だと違い、もっと安い場合があるため、15ストラディックは総合的にコスパがいいリールといえるでしょう。
スペック①:品番は1000Sから4000XGM
15ストラディックの品番は、1000S・C2000HGS・2500S・2500HGS・C3000・C3000HG・3000XGM・4000・4000HGM・4000XGMの10種類です。
シマノのスピニングリールのスプールやギアの仕様は、番号のうしろにあるアルファベットで表示されています。初心者は、釣り方を選べる2500番台がおすすめです。
スペック②:最軽量の自重は200グラム
15ストラディックの最軽量は、15ストラディック1000SとC2000HGSの200グラムです。1番重たいのは15ストラディック4000XGMの285グラムで、最軽量と比較すると85グラムの差があります。最軽量の200グラムはワイシャツ1枚と同じで、とても軽くて持ちやすいのが特徴です。
スペック③:1回転で巻けるラインは99センチ
1回転で巻けるラインの最大値は、15ストラディック4000XGMの99センチです。アルファベットのXGは、エキストラハイギアをあらわし、速くラインを回収できるぶん、巻き上げる感触に重さがでるのが特徴です。
1回転で巻けるラインの最大値が1番少ないのは、15ストラディック1000Sの66センチで、4000XGMと比較すると33センチの差があります。
スペック④:狙えるターゲットが多い
15ストラディックは品番が10種類あり、リールの種類によってさまざまな特徴があるため、楽しめる釣り方も狙えるターゲットも多いです。管釣りやサーフ、バス釣りなどが楽しめ、メバル・アジなどの小型の魚から、シーバス・ワラサ・ヒラマサといった大型の魚まで対応しています。
スペック⑤:価格は2万円前後
15ストラディックの価格は2万円前後です。店頭などの実売価格では、1万円台で買える場合がありますので、しっかり下調べをしましょう。中古品でも発売当時の価格より少し安くなる程度なので、15ストラディックの人気ぶりと評価の高さがうかがえます。
シマノ15ストラディックの特徴
シマノ15ストラディックの特徴は、ボディもギアもHAGANEである・負荷に強いX-SHIPである・継ぎ目がないワンピースベール・防水効果がアップするコアプロテクト・巻きやすいねじ込み式ハンドルである、5つの点があげられます。
シマノは「永遠に変わらない巻き心地」を目指したHAGANEという構想のもと、リールの内側を強化したスピニングリールを製作しました。
特徴①:ボディもギアもHAGANE
15ストラディックのボディとギアは、プレスをかけてかためた高い密度の金属製です。15ストラディックでは、もとになったモデルのバイオマスターと同じHAGANEボディと、ギアもHAGANEギアになりました。
強く軽い金属を複合したボディと、精密冷間鍛造で切削せず製作したギアを使用しているため、負荷がかかっても損傷しにくいのが特徴です。
特徴②:負荷に強くなるX-SHIP
15ストラディックはギアの噛みあわせに、X-SHIPという技術を使用しています。X-SHIPもHAGANE構想のひとつで、ハンドルへの力の伝達がスムーズになり、ギア比が高いリールでも軽く速い巻き上げができるようになりました。
シマノではX-SHIPをスピニングリールだけでなく、ベイトリールにも搭載しています。
特徴③:継ぎ目がなく美しいベール
15ストラディックは、継ぎ目がないワンピースベールを採用しています。冷間鍛造という技術で製作されたベールは、強度が高く、傷がつきにくいのが特徴です。でこぼこしたところがないので見た目も美しくなり、ラインが引っかからず、トラブルを起こしにくいと評価されています。
特徴④:コアプロテクトで防水効果アップ
コアプロテクトは、水玉を作って水の侵入を防ぐ撥水機能です。どんな天気でも気兼ねなく釣りを楽しめるうれしい機能で、水を弾いてくれるぶん、メンテナンスをしなくても長く買った状態の使い心地を楽しめます。
しかし、砂や海水が乾いたあとに残る塩などは防げません。油の注入も推奨されていませんので、15ストラディックをメンテナンスするならメーカーへお願いしましょう。
特徴⑤:巻きやすいねじ込み式ハンドル
15ストラディックのハンドルは、ねじ込み式ハンドルです。聞き手にあわせてハンドルの左右の入れ替えができますし、ハンドルがボディに固定されているため、スムーズな巻き心地で釣りを楽しめます。
「永遠に変わらない巻き心地」のHAGANE構想と、ねじ込み式ハンドルの両方を搭載した15ストラディックでは、いままでになかった軽い巻き心地を実感できるでしょう。
シマノの新型ストラディックと比較
シマノの新型ストラディックは、16ストラディックCI4+・18ストラディックSW・19ストラディック・20ストラディックSWの4つです。4つの新しいモデルと15ストラディックのスペックは、ぜんぜん違います。
15ストラディックのスペックが劣っている場合が多いのですが、シーンや釣り方によっては旧型モデルの15ストラディックがおすすめな場合もあります。
比較①:16ストラディックCI4+
シマノ16ストラディック CI4+2500S
参考価格: 24,800円
1回転で巻ける長さ(cm) | 68 |
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最大ドラグ力(kg) | 4 |
重さ(g) | 185 |
ギア比 | 5 |
15ストラディック | 16ストラディックCI4+ | |
---|---|---|
リールのシリーズ | コソアッド | クイックレスポンス |
カラー | シルバー | レッド |
同じストラディックの名前が付けられていますが、15ストラディックはコソアッドシリーズで、16ストラディックCI4+はクイックレスポンスシリーズです。15ストラディックと16ストラディックCI4+は、スピニングリールのシリーズ分けに違いがあるほど別物だと認識しましょう。
カラーリングも違い、16ストラディックCI4+は特徴的なカラーで赤ストラと呼ばれています。
シーンによって使いわけがおすすめ
15ストラディックと16ストラディックCI4+はコンセプトが違いますので、シーンごとの使いわけがおすすめです。ライトゲームでは軽くはやく、レスポンスしやすい16ストラディックCI4+を、パワーが必要になったら15ストラディックを使用しましょう。
比較②:18ストラディックSW
シマノ18ストラディック4000HG
参考価格: 29,620円
1回転で巻ける長さ(cm) | 93 |
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最大ドラグ力(kg) | 11 |
重さ(g) | 305 |
ギア比 | 5.8 |
15ストラディック | 18ストラディックSW | |
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防水対策 | コアプロテクト | Xプロテクト |
ハンドルの素材 | 金属 | カーボン |
4000番台の価格(円) | 26,800 | 32,000 |
18ストラディックSWは、15ストラディックよりスペックが高いです。15ストラディックの特徴だったコアプロテクトはXプロテクトになり、海水に対しての防水効果がアップしています。ハンドルも金属ではなく、カーボン素材で軽くなりました。
しかし、スペックがあがったぶん、価格も18ストラディックSWのほうが1万円ほど値上がりしています。
初心者は15ストラディックから使おう
初心者は、まず15ストラディックを使用するのがおすすめです。18ストラディックSWのようなSWモデルは、海での過酷なパワー系のルアーゲームを想定して製作されています。
初心者が挑む釣りでは、18ストラディックSWのスペックをいかせません。釣りに慣れ、ビッグゲームに挑みたいときに18ストラディックSWを選びましょう。
比較③:19ストラディック
シマノ19ストラディックC3000HG
参考価格: 19,752円
1回転で巻ける長さ(cm) | 89 |
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最大ドラグ力(kg) | 9 |
重さ(g) | 225 |
ギア比 | 6 |
15ストラディック | 19ストラディック | |
---|---|---|
防水対策 | コアプロテクト | Xプロテクト |
ギア | HAGANEギア | New HAGANEギア |
2000番台の重さ(g) | 200 | 185 |
2000番台の価格(円) | 25,200 | 26,000 |
15ストラディックと19ストラディックは品番数が近く、比較すると違いがよくわかります。同じ品番を比べると、19ストラディックのほうが最大で25グラム軽量化され、平均では10グラムも軽いです。
X-SHIP・ねじ込み式ハンドル・ワンピースベールはそのままですが、19ストラディックではプロテクトとギアがバージョンアップしています。
価格をおさえるなら15ストラディック
15ストラディックと19ストラディックの同じ品番を比較すると、19ストラディックのほうが価格が千円ほどプラスされています。19ストラディックのスペックの進化を考えると、安く感じる値上げ幅ですが、価格をおさえたいなら15ストラディックを選びましょう。
比較④:20ストラディックSW
シマノ20ストラディックSW4000XG
参考価格: 29,870円
1回転で巻ける長さ(cm) | 101 |
---|---|
最大ドラグ力(kg) | 11 |
重さ(g) | 300 |
ギア比 | 6.2 |
15ストラディック | 20ストラディックSW | |
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品番 | 1000Sから10種類 | 4000HGから10種類 |
防水対策 | コアプロテクト | Xプロテクト |
ギア | HAGANEギア | New HAGANEギア |
品番が1000番台からある15ストラディックと違い、20ストラディックSWの品番は4000番台からです。20ストラディックSWは18ストラディックSWと同じSWモデルなので、パワーゲームで力を発揮してくれます。
スペックは15ストラディックより19ストラディックと近く、4000番台の内部構造を比べるとほとんど同じです。
軽いルアーが欲しいなら15ストラディック
15ストラディックと20ストラディックSWの4000番台を比べると、15ストラディックのほうが少しだけ軽いです。20ストラディックSWは1000から3000番台の品番もありませんので、軽くて幅広い釣りに対応できるリールを求めている人は15ストラディックを選びましょう。
シマノ15ストラディックを使ってみよう
シマノ15ストラディックは、発売から5年以上経ち、すでに廃番になった古いモデルです。後続の新モデルと比較するとスペックは劣りますが、釣り方やシーンごとに使いわけられる凡庸性の高さが評価されています。
シマノのスピニングリールのなかでも価格が安めで、コスパがよいと評価されているシマノ15ストラディックを、ぜひ使ってみましょう。
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