キングノットとは?
キングノットは、村田基さんが考案したPEラインとリーダーとの結束方法のひとつです。結束方法にはさまざまなやり方がありますが、キングノットはPEラインでダブルラインを作ってからリーダーと結ぶので結び目の強度が高く、結束方法の中でも最強といわれています。
最強のキングノットのやり方・コツ・インプレを確認しながら、他の結び目と比較して違いをみていきましょう。
キングノットのやり方をチェック!
キングノットのやり方を4つのステップに分けてみていきましょう。ビミニツイストでダブルラインを作ったあと、リーダーとPEラインを結ぶキングノットの工程に入ります。
細かい作業になりますが、難しいところは特になく、ゆれている船の上でも結べるほど簡単です。ゆるめるところや締めるところのコツもあわせてチェックしてください。
やり方①:リーダーを8の字に結ぶ
カラー付きの糸でリーダーとPEラインを代用していきます。リーダー(赤糸で代用)を必要な長さにカットしたら、輪っかを作ってリーダーの先端を2回巻き付けます。そのまま両端をゆっくり引っ張って、8の字を作ってください。
コツ:リーダーの8の字はゆるくする
8の字の輪っかにはビミニツイストで作ったダブルラインを入れて結ぶので、ゆるくしておきましょう。強く締め付けてしまうと、ダブルラインをいれたあとの工程がタイトになってしまいます。結び直しも難しくなってしまうので、気をつけてください。
やり方②:8の字にPEラインを入れて引っ張り出す
リーダーの先端からダブルライン(黄色の糸で代用)を通します。次に、8の字の結び目にダブルラインを通しましょう。ダブルラインの下糸を引っ張ってラインの中で高低差を作り、リーダーの先端を3回か4回巻き付けてください。巻き付ける回数が多いと結び目が大きくなってしまうので、少なめがおすすめです。
やり方③:8の字を締めてPEラインを整える
先に8の字のリーダーを引っ張ってグッと締め込んでいきます。たがみがあったダブルラインを整えてから、ダブルライン全体を下に引っ張って締めましょう。ダブルラインの長さを調節しながら引っ張るのがポイントです。調節しないとダブルラインの長さが不揃いになって、ガイドに引っかかりやすくなります。
コツ:締める順番はリーダーが最初
締める順番は、リーダーを最初にしてください。ダブルラインを先に引っ張ってしまうと結び目に歪みが出ます。リーダーとダブルラインを締める工程は何度か出てきますが、すっきりしたコブを作るためにも、必ずリーダーを先に締めましょう。
やり方④:全体を整えてさらに締める
もう一度、リーダーを引っ張ってからダブルラインを引っ張りましょう。さらにグッと全体を締め上げたら、リーダーの余った部分を切って完成です。完成した結び目を軽くあぶって焼きあとをつけると、さらに結びが強くなるのでおすすめです。結び目にシュッ!などのかためるスプレーを使用するのもよいでしょう。
キングノットのインプレは?
キングノットのインプレは、「初心者でも簡単に結べること」「すっぽ抜けが防げること」「結束強度が高く釣りあげやすいこと」の3つが多くありました。「結ぶのが難しい」「ロッドに合わなかった」などマイナスな声もありますが、ほぼ肯定的な意見です。ひとつずつみていきましょう。
インプレ①:初心者でも結べる
キングノットは「驚くほど簡単に結べる」というインプレが目立ちました。特に他のノットから覚えた初心者は「今度からキングノットにする」という人が多くいます。練習して早く正確に結べようになると、どんな場所でも結び直しができるので、使い勝手のよさを実感するのでしょう。
インプレ②:すっぽ抜けない
キングノットも是非
— 響輝/がぁちゃん@Anglers Unite (@FishAdmiral) May 5, 2020
簡単で摩擦系みたいにすっぽ抜けたりしませんし
コブも小さくて抜けが良いですよ
ノットのすっぽ抜けの主な原因は、編み込みが雑なことと締め込みが不十分であることです。キングノットは編み込みの工程がなくリーダーに結び目を作るノットなので、締めるところをしっかり締めればすっぽ抜けません。
「編み込みが苦手な人向き」との声もありましたので、うまくできない人はキングノットを試してみましょう。
インプレ③:結束強度が高い
今日バス釣りして思ったけどキングノット最強ですね。簡単でめっちゃ強い。ありがとうございます!#キングノット
— みやたく 🎋 (@sakusakumiyata1) July 5, 2019
結束強度は、ライン自体の強さとラインを結んだりして変化した時の強さの割合いです。摩擦系ノットは結束強度が高いのですが、キングノットも負けていません。だいたい80パーセントの強度があり、ライン本来の強さを引き出せます。
他の強度の高いノットと比較!
キングノット以外にも強度の高いノットが存在します。ナイロンラインやフロロカーボンとは違う、PEラインが普及したことで、さまざまな結束方法が生まれました。代表的なSCノット・PRノット・FGノット・ノーネームノットの4種類とキングノットを比較していきます。
SCノット
SCノットはフィッシングの現場でも結びやすい摩擦系ノットです。2つに折ったPEラインをリーダーにぐるぐる巻きつけて結んでいくのですが、結束強度は100パーセント近いという報告があります。
ただ、締め込みが不安定になるので強度が不安定になりがちです。細いPEラインや太いPEラインを使用するゲームではおすすめできません。
キングノットとの違い
SCノットとキングノットは、手順の中で巻き付けるか結ぶかの違いがありますが、どちらも太めのライン向きのノットという共通点も存在します。キングノットの場合は細いラインを使うことが想定されていません。
SCノットは細ければ細いほど締め込みにくくなります。摩擦が強く、細いラインで結ぶとすっぽ抜けの原因になるため、ライトゲームには不向きです。
PRノット
PRノットはノッタやボビンという器具を使って結ぶ結束方法で、摩擦系ノットの中では最強といわれています。器具を使用して結んでいくので、結び目が揃うため強度も安定します。結び目が他のノットよりも長く、キャスティングゲームには不向きですが、ビッグゲームやジギングに向くノットです。
キングノットとの違い
PRノットとキングノットの違いは結束方法です。PRノットは道具を使って結束し、キングノットは手で結んで結束します。前準備がいらないキングノットのほうが使い勝手がよいのですが、結束強度はPRノットに軍配が上がるでしょう。どちらも大物に対応してくれますし、ジギングに向いている点は似ています。
FGノット
FGノットは結び目のコブが小さく、ガイドが小さくてもすんなり通ってくれます。ルアーフィッシングで人気があるノットで、強度の安定率が高く、いまの釣り現場で1番使用されているポピュラーな結束方法です。指にPEラインを巻いて作る方法と、巻かずにリーダーへPEラインを編んでいく方法があります。
キングノットとの違い
キングノットのほうが結束方法が簡単です。キャスティングゲームで大人気のFGノットは、締め込みが甘いとすっぽ抜ける確率が高くなるので、完璧に結べるようになるまで練習が必要になるでしょう。結びコブが小さくガイドもスムーズに通る点はキングノットと似ています。
ノーネームノット
ノーネームノットとは、リーダーとPEラインが両方細い場合に向いているノットです。8の字ぐるぐる結びという別名のとおり、リーダーで作った8の字にラインを同じ方向へぐるぐると巻いていきます。編み込まないので摩擦系ノットの中でも結び方が簡単で、結びコブが小さくガイド抜けがよいノットです。
キングノットとの違い
キングノットとの違いは使用するリーダーやラインの号数です。キングノットは太めのリーダーやラインに適していますが、ノーネームノットは細めに適しています。ノーネームノットとキングノットは、リーダーで8の字を作ってからPEラインを通すという工程と、強度が80パーセント前後でるという点が共通点です。
強度の高いキングノットを試そう!
キングノットは、400キロ以上のマグロでも対応できる最強ノットです。いまは摩擦系ノットが主流ですが、編み込みの工程がないのでキングノットのほうが簡単に結べます。ガイドの通り抜けもよくシーバスや青物釣りにも有効ですので、ぜひお試しください。
出典:ライター撮影