まず初めに
普通の結び方との違いとは?
なぜ魚釣りには普通の固結びなどが使われず専用の結び方が存在するのでしょう?それはラインやリーダーの特性が関係します。一般的な釣り糸は表面がコーティングされていてとても滑りやすく作られています。そのため摩擦力が働く専門の結び方が必要になります。
摩擦力が働く結び方とは?
釣り専用の結び方はたくさんありますが、どれもに共通するべき点があります。それは同じ工程を何回か繰り返して締め込むことです。ユニノットの場合ですと、ラインの先端を4~5回繰り返して結びます。こうすることで、摩擦力がきいて魚に引っ張られても切れない結び方が完成します。
種類別に5選紹介
ここで強力で簡単にできるスナップとライン、リーダー部分をつなげる結び方を5選紹介します。この中から自分に合うノットを見つけて覚えて実際に使ってみてください。また、この結び方はスナップとラインをつなげるだけでなく、他の難しい仕掛けを組む時などにも応用が利きます。
おすすめのスナップとラインの結び方1 ユニノット
ライン、リーダー部分をスナップを結ぶノットで1番基本的な結び方です。とてもクイックに仕掛けを組むことができてしっかりと強度を出すこともできます。この仕掛けを覚えたら、他にも電車結びなどのリーダーとメインラインを結ぶノットにも応用が利きます。
ユニノットの結び方
①スナップの穴にライン、リーダーの先端を通します。
②10センチ弱折り返します。
③再び折り返して、わっかを作り5~6回くぐらせます。
④ラインの先端を湿らしながら締めて完成です。
ユニノットのポイント
ポイントとして最後のラインをくぐらす回数は細ければ細いほど回数を重ねて巻いたほうがいいです。基準としましては、仕掛けの太さが3号以下なら8回以上、4号より太ければ5回前後で十分強度がでます。太いラインであまり多く巻きすぎると、締め込みづらくなり弱い結び方になりますので気を付けてください。
おすすめのスナップとラインの結び方2 クリンチノット
こちらも簡単にクイックにできる結び方ですが、比較的細いラインに使用されることが多いノットです。ユニノットがブラックバスやシーバスなどの大型魚向きなら、クリンチノットはライトゲーム向きの結び方と言えるでしょう。スナップが使用できないアイが小さめのジグヘッドなどに直接結ぶときなどにとても重宝するでしょう。
クリンチノットの結び方
①ラインの先端をスナップにくぐらして、10センチ弱で折り返します。
②本線にラインを巻き付けていきます。
③根本のわっかの部分に糸を通します。
④本線をしめこんで端糸をカットして完成です。
クリンチノットのポイント
基本的に巻き付けて締め付ける工程はユニノットとさほど変わりません。しかしクリンチノットの方が細いラインと相性がいいので、小さいスナップや小型ルアーと結ぶ際にはこちらの方が仕掛けが組みやすいです。使用するルアーや狙いのターゲットの大きさなどに応じて使い分けていきましょう。
おすすめのスナップとラインの結び方3 パロマーノット
パロマーノットの優れた点は大物の魚との相性が非常にいい部分です。仕掛けを作る際スナップやルアーの結合部分ではどんなに完璧に結んでも数パーセントは強度が落ちてしまいます。しかしパロマーノットはほとんど強度を保ったまま協力な仕掛けを作ることができます。ランカークラスの魚が多く釣られているフィールドで釣りをするアングラーはぜひマスターするべき結び方です。
パロマーノットの結び方
①ラインを2重にしてスナップのアイに通します。
②そのまま1度くぐらして結び過ぎないようにします。
③道糸側に最後わっかの部分をいれて締め付けて完成です。
パロマーノットのポイント
結び方としてはとても簡単で、巻きつける工程もなく初心者でもクイックに強力なノットを組むことができます。しかしやり方の手順を間違えてしまえばいとも簡単に強度がガタ落ちしてしまうので注意が必要です。さらに、ルアーを1回わっかの部分にくぐらさなければならないので、ビッグベイトやオフショア用のメタルジグなど、大きめのルアーを結ぶ場合輪の大きさもしっかり考えて作らなければいけません。
おすすめのスナップとラインの結び方4 ハングマンズノット
その昔絞首系に実際使用さらた結び方なります。その執行者のことを「ハングマン」と呼んだことから「ハングマンズノット」という名前の由来がある結び方です。魚が掛かった時スナップ側に負荷がかかればかかるほど締め付けが強くなるノットです。今まで紹介したノットと比べると比較的難しく、クイックに結べるとは言えませんが、摩擦力が非常に強くPEラインともリーダーを介さずに直接結ぶことができます。
ハングマンズノットの結び方
①ラインの先端をスナップのアイに通します。
②5回以上本線ラインに巻き付けます。
③先端部分のラインを最後にできたわっかの部分に通します。
④通した先をゆっくりと締め付けて完成です。
ハングマンズノットのポイント
これまでの結び方よりもちょっと手間がかかり難しい感じのノットですがマスターしてしまえばとても重宝する結び方になります。ノットを組むコツとしましてはわっかの部分をしっかり作ることと、最後締め付ける時にゆっくりと形を整えながら締め込むことです。後は摩擦熱で強度が落ちないように結合部分を水分で濡らしながら組むことも大切になります。
おすすめのスナップとラインの結び方5 漁師結び
「完全結び」ともいわれる結び方です。実際の漁師さんたちも日ごろから使用している結び方でとても強度が高いノットになります。きれいに結ぶには何点かポイントがあるので、その部分を解説していきます。この結び方はスナップとラインを結ぶだけでなく、ハリとラインを結ぶ場合にも応用できますので、ぜひ覚えていってください。
漁師結びの結び方
①ラインを2重にしてスナップのアイに通します。
②スナップに通したわっかの部分を手前に折り返します。
③余った端線で巻き込むように5回巻きます。
④先端のわっかにラインをいれてゆっくり締め付けて完成です。
漁師結びのポイント
2重にしてアイに通す段取りなどから、先に紹介したパロマーノットに近い感じともいえるでしょう。そこに編み込みをしたりするなどしているのでとても強度が高いノットです。注意するべき点として、パロマーノットと同じですが、最初のわっかが小さいと大きいルアーを使う場合大変になります。また巻き込む時にライン同士がいびつに重なると強度がでませんので、最後の締め込みの際ゆっくりと形を整えながら仕上げていくことも大切です。
まとめ
どのノットにもいえることですが箇条書きで重要部分をまとめます。
スナップとラインの結び方の重要ポイント!
- しっかりと形を整えながら仕上げる
手順通りに行ったとしても見た目がいびつなら十分な強度は出ません。形を意識して結びましょう - 締め付けるときはゆっくり
急いで締め付けても形が崩れるだけで意味がありません。両手でスナップとラインをしっかりと保持してゆっくりと締め付けましょう。 - 水分を含ませながらしっかり締め込む
最初に解説しましたが、釣りの結び方はすっぽ抜けを防ぐために摩擦力が起こるようになっています。それに伴いどうしても摩擦熱が発生しますので結合部分の強度が低下してしまいます。これを防ぐためにも結合部分に水分を含ませながら締め込むことが大切になります。
今回のスナップとラインの結び方だけにあらず、魚釣りの仕掛けを組む際は上記の3点が非常に重要になってきます。この部分を意識してノットを組んでください。
最後に
さて、今回は初心者でも分かりやすくスナップとラインの結び方を解説しましたがいかがでしたでしょうか?実は今回紹介した結び方の他にも結束するノットはたくさんあります。初心者向けということで比較的簡単で強度がでるノットを簡潔にご紹介しました。このページがきっかけで様々なノットに興味がわき、ご自身のステップアップにしていただけたらと思います。案外釣りの仕掛けは「巻き付ける」、「しっかり締め込む」など共通点が多い部分もありますので応用を利かせながら頑張ってください。