渓流ベイトフィネスとは?
軽いルアーを使いフィネスタックルで渓流魚にチャレンジする釣り方です。ベイトフィネスの利点として、ベールを返さなくて良い手返しの良さ、ピンポイントキャストがしやすい、糸ふけがでにくいことが挙げられます。これは渓流では大きなアドバンテージです。昨今のタックル(主にリール)の進化により、初心者でも楽しめるようになった釣りです。そのためベイトフィネスタックルでなければならない、タックルあり気の釣りになります。仕掛けはヘビーシンキングミノー等のルアーを用います。管理釣り場で良く釣れるセニョールトルネードなどの仕掛けは渓流の急な流れに負けて流されてしまうので使えません。
渓流ターゲットフィッシュ
ニジマス(レインボートラウト)
日本にはもともと生息していない外来種ですが、管理釣り場の増水等で逃げだし野生化で繁殖した魚です。大型は比較的流れの緩やかで水深がある場所を好みます。またルアーを追うのがあまり上手くいない魚なので直線的でゆっくりとした動きのルアーで誘う釣り方をおすすめします。
ヤマメ、アマゴ
日本の渓流の在来種です。ヤマメに朱色の点があるのがアマゴで、生息域が混在している場合もありますが、関東より東はヤマメ、西はアマゴと言われます。渓流の女王と言われるターゲットで非常に美しい魚です。生息域は上流から中流になり、流れが強い場所を好みます。流れが強い場所にいるので泳ぎは得意であるためハイピッチでリールのハンドルを巻きアピールする釣り方をおすすめします。通常20cm前後のサイズですが、30cmを超えることもあります。渓流で餌釣り仕掛けで狙っている人がいれば、ほぼヤマメ、アマゴ狙いの人です。餌釣り仕掛けの人の周りにキャストすると怒られる場合があります。
イワナ(ニッコウイワナ、ヤマトイワナ)
日本の渓流の在来種で渓流の王様と言われる魚です。非常に獰猛な性格で自分よりも小さな稚魚は食べてしまいますし、小さなネズミを捕食することもあるそうです。生息域は源流から上流になり、流れが強く物陰がある場所を好みます。ヤマメほど泳ぎが上手くないのが特徴です。20cm前後が釣れることが多いですが、場所によっては40cmにもなる大型も潜んでいます。トゥイッチのダート幅を大きくしてルアーを食う間を与えてあげる釣り方をおすすめします。
初心者向けおすすめルアーと使い方
渓流でのヘビーシンキングミノーの使い方
現在の渓流釣りでのメインルアーです。主に4g程度のミノーがおすすめです。使い方はポイントにキャストをして、水深に応じてカウントを取り、ルアーを沈めます。その後はトゥイッチと呼ばれるロッドアクションを繰り返してアピールをする釣り方です。ヤマメを狙うときは「タ・タ・タ・タ」と八分音符くらいのスピードでアピールします。対してイワナは「タン・タン・タン・タン」と四分音符のスピードでダート幅を大きくしてアピールします。基本は上流に投げてトゥイッチのアップでの釣りですが、平たい形のミノーは水噛みが良いのでダウンに向きます。
おすすめヘビーシンキングミノー
Forest社iFish FT 5S
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これがあれば他のルアーはいらないのではないかと思われるほどよく釣れるルアーです。渓流はルアーを木に引っ掛けたりして無くすことが多い釣りです。アカキンカラーやヤマメカラーなど定番カラーは2個タックルボックスに入れておくと安心です。使い方は上記の通りトゥイッチで誘ってください。
Smith社 D-コンタクト50
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iFishが登場する前によく使っていたルアーです。こちらも良く釣れます。ルアーマンのサガなのか色々なルアーを購入して試します。しかし結局釣れない場合に助けてもらったルアーはiFishとD-コンタクトになります。こちらの使い方のトゥイッチで使ってください。
渓流でのスピナーベイトの使い方
ルアーを追うのが比較的苦手なニジマスを狙うときに活躍します。もちろん他のターゲットも釣れます。チェイスをあまりしてこないような場合に効果的です。使い方はキャストしてカウントを取り、ただ巻きをしてアピールする釣り方です。少し重めの6g程度でなるべく遠投してアピールする時間を稼ぐと良いでしょう。初心者のうちはダウンでアピールするほうがブレードに水が良く噛むので使いやすいでしょう。
おすすめスピナーベイト
Smith社AR-Sトラウトモデル
渓流ルアーフィッシングの一流メーカーが10年かけて開発したと言われるだけあって、非常に使いやすいルアーです。他のメーカーのスピナーベイトと比べると引いてきたときのルアーの安定感が違います。使い方はただ巻きあるのみですが、状況に応じてトゥイッチでも姿勢が安定します。
Smith社 AR HDミノー
こちらも大御所Smith社製です。一見、スピナーベイトなの?と思われるシルエットですが、水深が浅いポイントなどで非常に重宝するルアーです。活躍する機会は少ないかもしれませんが、持っていて良かったと思うことが多いルアーです。使い方はただ巻きでもトゥイッチでも釣れてしまう素敵なルアーです。
初心者向けのフィールド
一口に渓流と言っても原流域から中流域まで幅広く釣りができます。しかし山深くなればなるほど野生生物や滝など危険を伴うこともあります。初心者のうちは中流域から上流域までの比較的アクセスしやすく人里付近で釣りをされることをお勧めします。さらに最初の入門は自然渓流エリアのある管理釣り場でイメージを掴まれることをおすすめします。仕掛けはシングルフックのみ等の管理釣り場ルールはありますが、安心して釣りができるので入門の場には最適と言えます。
初心者でもベイトフィネスで釣果を延ばすコツ
一か所で粘らないこと
4、5回同じ場所をキャストしてチェイスが無い場合は、そのポイントを見切ってください。渓流には魚が付いているポイントが他にも数多くあります。その一箇所で粘るより、それ以外のポイントのやる気のある魚を狙う方が効率が良いです。
キャストしようと思う立ち位置から3歩後ろに下がる
渓流魚は警戒心の強い魚です。そのため自分がキャストしようと思った立ち位置から少し離れることで警戒心を下げさせます。
少しでも水深のある場所を狙う
渓流のポイントは瀬、トロ場、プール等 様々あります。しかし初心者の方は全てを理解するのは難しいと思います。ターゲットは魚であるため水が多い場所を好みます。まずは水深があるところは必ずキャストしてください。
流れの合流地点を狙う
流れの合流地点を狙うこと。流れが合流する地点は上流から餌が流れてくる可能性が高い場所です。そういった場所付近の岩陰には渓流魚が潜んでいることが多いので狙ってみてください。
物陰を狙う
渓流魚は回遊魚とは異なるので何もないところを漂っていることは少ない魚です。基本、物陰に身を潜めて餌が来るのを待っています。そのため岩陰や木陰等は優先的にキャストしてください。ただし仕掛けを落とし過ぎると障害物に引っ掛かりロストする可能性があることを頭の片隅に入れておいてください。
初心者向けの心得
どこの渓流で釣りをするか
まずはこれを調べることが最優先です。Googleマップやネットで河川を調べ、その河川が属する漁協を調べます。そして禁漁期間や放流ポイント等の情報をその漁協ホームページから調べておきます。もしも難しければ近くの釣具店に聞いてみるのが良いのでしょう。ただし場所によっては渓流関係の品ぞろえが悪いところは情報も少ないかもしれません。入門したての初心者におすすめするのはGoogleマップ上で川と道路の距離が近い場所です。
先行者に注意
渓流は日の出とともに開始することが多い釣りです。少しでも遅れると先行者が釣り上がっていることがあります。そういった場合は魚が潜むであろうポイントはルアーを投げられている可能性が非常に高く、魚が抜かれているか見切られている場合があります。そういった場合は先行者よりも1㎞くらい先まで登るか、別の河川に入ることをお勧めします。間違っても後ろから何も言わないで釣り上がらないでください。
無理はしない
入渓すると思うのが、釣り進んでいくと意外と危機意識が無くなっていきます。悪路でもどんどん進んで行ってしまいます。特に2m程度の高さの場所なら上がっていくこともあります。ただし上がることは簡単でも下がることが難しい場所はたくさんあります。安全に釣りが終われることが一番ですので釣り上がった後のことも考えておく必要があります。
ロストを覚悟する
岩陰や木陰などピンポイントキャストが求められる釣りです。そのため少しでも外れると木に引っ掛かったり、岩に引っ掛けたりと仕掛けを無くす可能性が高い釣りでもあります。しかし渓流ベイトフィネスを続けていると、キャスト能力は飛躍的に上がります。
障害物を避けながらキャストする
源流域に行けば行くほど、キャストがしにくい場面に出くわします。満足にロッドを振れないことがあります。何の障害物も無い状態でのキャストができることが稀です。基本はバックサイドキャストです。慣れればピッチングが最強です。渓流ベイトフィネスタックルではロッドを小さく振っても充分低弾道でポイントまで飛んでいきます。
偏向サングラスはするべき
ロッドやリールと比べると重要視されませんが、エキサイティングな渓流釣りをしたければ購入するべきです。偏向サングラスがあればルアーを追ってくる姿を視認できるのでワクワク感が増します。
遊漁券は忘れずに
漁協管理の河川で釣りをするには遊漁券が必要です。今はコンビニでも購入することができます。もしも現地で購入される場合には確実にお金を釣りに持参してください。この遊漁券のお金で放流魚が購入され釣りが楽しめますので、くれぐれも忘れずに。
初心者向けベイトフィネスタックル
入門ということで価格も重要なファクターになります。最初にコストを抑えて、続ける気があればハイエンドモデルを購入するか、最初からハイエンドモデルを購入してご自分を追い込むかは個人的なお考えで決めてください。ただしハイエンドモデルを購入した場合、それなりの金額で販売できます。
ベイトフィネスロッド
渓流ベイトフィネス用に開発されたロッドであれば問題なく使用できます。価格もピンからキリまであるので、ご予算に応じて選んでください。
スミス Be Sticky Trout BST-HM55UL/C
BST-HM55UL/C Be Sticky Trout Hiro Motoyama Model スミス (ビースティッキートラウト) トラウトベイトロッド
参考価格: 35,037円
本山博之が提唱する”渓流ベイトフィネス”スタイルロッド。言うだけあって非常に使いやすいです。価格は初心者が手を出すには渋る価格ですが、これを買っておけば間違いないロッドです。
メジャークラフト ファインテール FSX-B452L
初心者に優しい価格帯ですが、長く使えるので入門にはお勧めします。スキルが上がってくるとハイエンドモデルが欲しくなるかもしれません。
ベイトフィネスリール
1g~7g程度が対応範囲のフィネスリールを選んでください。その中でギア比が8:1などのハイギアモデルでないと流れの速さにリールを巻く速さが負けてしまいます。個人的にはこちらは頑張って良いものを購入されることをお勧めします。またリールはブラックバス用のベイトタックにも応用できます。
ダイワ T3 AIR 8.6 TW
金額が高いだけあります。色々なセッティングが出来るので幅広い状況に対応できます。軽いルアーも難なくキャストできます。
シマノ アルデバラン BFS XG
本体が非常に軽いので、移動することが前提の渓流釣りにとっては非常に適しているリールです。もちろんバックラッシュもしにくい設計でお勧めです。
ベイトフィネスライン
ラインに関しては意見が色々とあります。PEライン+ショックリーダーを使われている方もいらっしゃればナイロンラインを使用されている方もいらっしゃいます。他の釣りでノットを組むことに慣れてらっしゃる渓流初心者にはPEライン(0.3~0.4号くらい)とリーダー(1~1.5号くらい)をお勧めします。そうでないのであれば最初はナイロンラインをお勧めします。現地でノットを組むことは想像以上に大変です。
まとめ
自然渓流には危険が多くありますが、それ以上に魅力もたくさんあります。渓流釣り入門はハードルが少し高い釣りではあります。しかし川を釣り歩き、価値ある一匹をを探す釣り方は何とも言えない楽しさがあります。ご自宅近くの自然渓流を使った管理釣り場で渓流ベイトフィネスのデビューを飾ってみては如何でしょう?ピンポイントでキャストが決まったときの感覚や魚がチェイスしたときのどきどきなど楽しさ満点の釣りになります。ただ釣るだけなら餌釣り仕掛けでも釣れてしまいます。しかし渓流ベイトフィネスにはこの仕掛けでしか楽しめない釣りが待っています。