ブッコミ釣りは簡単でも実はポイントがいっぱい
ブッコミ釣りは時期・場所・時間帯を選ばずいつでもできる釣り方で、簡単な仕掛けを使い幅広い種類の魚が釣れます。しかし、ブッコミ釣りをする時期・場所・時間帯によって魚の行動が異なるので、仕掛けや釣り方の工夫が多い釣りです。場所・仕掛け・エサ・釣り方などのポイントをしっかり把握しましょう。
ブッコミ釣りの場所
ブッコミ釣りをする場所は、河口付近・防波堤まわり・漁港まわり・捨て石まわりや、沈み根・しもり・藻場が近くにあるような岸辺などが、よいポイントです。ブッコミ釣りではサオを置いて釣りをするので、ポイントが狙える足場が良いスペースを確保しましょう。
日中のブッコミ釣りのポイントとなる場所
日中のブッコミ釣りは狙う魚が決まっていて、時期をえらんで行う場合は場所が限られます。一般的な日中のブッコミ釣りでは、河口・防波堤・海岸でサオが置けるスペースを確保します。魚が潜んでいたり、魚がエサを求めて回遊するであろう、捨て石・沈み根・障害物周りが狙える場所を選ぶのがポイントです。
夜のブッコミ釣りのポイントとなる場所
夜のブッコミ釣りの場所と日中のブッコミ釣りのできる場所に大きな違いはありません。夜のブッコミ釣りでは、河口・漁港・防波堤で常夜灯のあるところで、海面に落ちる光の境目から外側あたりが好ポイントです。夜なので釣場は見通しが効きませんから、明るい間に周囲を見ておくなど安全には注意しましょう。
ブッコミ釣りで狙える魚
ブッコミ釣りで狙える魚の日中と夜の差は、対象とする魚の食性の差によります。日中の明るい間にエサを探して捕食する魚と、夜行性の魚の違いです。夜行性の魚は日中には物陰に潜み、暗い時間帯に活発に捕食します。しかし、夜行性の魚も日中でも目の前にあるエサは捕食するため、場所の選定は重要です。
日中のブッコミ釣りで狙える魚
日中にブッコミ釣りで釣れる魚は、スズキ・クロダイ・ヒラメ・マゴチ・カサゴ・キジハタなどと多彩です。ただ、釣れる魚は天候と場所に左右されるので、ターゲットに応じて判断しましょう。
スズキ・クロダイ・キチヌなどはまず目時や曇天時に回遊場所を狙います。海が荒れていなければ、マゴチ・ヒラメなどを海岸で、カサゴなどの根魚は防波堤・漁港・海岸の障害物周りがポイントです。
夜のブッコミ釣りだから狙える魚
夜のブッコミ釣りで釣れる魚は、夜行性のカサゴやキジハタなどの根魚、アナゴやウナギなどの長もの、大型のスズキ・クロダイなどです。日中は物陰に潜んでいた魚が、積極的にエサを求めて動き回ります。その他、大型のマダイなどもエサを求めて浅場に来ます。ゴンズイ、エイなど危険な魚もいますので注意が必要です。
ブッコミ釣りの道具
ブッコミ釣りの基本の道具は、サオとリールが2,3セットとさお置きです。日中と夜で道具立てには大きな違いはありません。サオとリールは同じものが理想ですが、リールは道糸3号以上150メートルほどが巻いてあればよく、サオは3メートル以上でオモリ負荷があえばサビキザオやシーバス用ロッドでも兼用できます。
日中のブッコミ釣りのポイントはリール
ブッコミ釣りでは、ドラグ機能のついたリールが必須です。ブッコミ釣りは、ドラグを緩めに調整し道糸を張らずに置きざおにしてアタリを待ちましょう。アタリが出れば、ドラグを締めて合わせますので、操作しやすいのはリアドラグです。3000番くらいのリールに、3号以上のナイロン糸を150メートル巻いておきましょう。
夜のブッコミ釣りのポイントは小物
夜のブッコミ釣りのポイントはヘッドライトなどの小物です。懐中電灯も使いますが、必要以上に周囲に光が漏れず、両手が使えるようにヘッドライトを使います。荷物はコンパクトにまとめ、穂先にケミホタルをテープで留めたり、その他の道具には反射シールを貼って、暗い夜のブッコミ釣りに備えて準備をします。
ブッコミ釣りの仕掛け
ブッコミ釣りの仕掛けは、基本を押さえ狙う魚や釣りをする場所・時期によって変えます。まずは上図のような基本の仕掛けを作り、釣場で釣れる魚やサイズを確かめながら仕掛けに工夫を加えていくこともできます。基本のオモリの使い方、ハリス、針の選び方を覚えましょう。
日中のブッコミ釣りでポイントとなる仕掛け
日中のブッコミ釣りの仕掛けのポイントは、潮の流れに合わせたオモリの重さと形状を選ぶことと、狙う魚に合わせたエサと、針の形とサイズを選ぶことです。ブッコミ釣りは複数のサオを使う釣りですので、サオによって仕掛けを変えておき、状況を探ります。アタリがでるまではいろいろと工夫をしてみましょう。
オモリとサルカン
オモリは5号から10号を中心に、潮の流れが速い場合は15号くらいまでの中通しのオモリを使います。底に定着させて置く場合は平型を使い、誘いを入れたり、流れに乗せて移動させる場合はたる型、丸型を選びましょう。
仕掛けは誘導式ですが、オモリがハリスまでいかないようにサルカンを結びます。オモリとサルカンの間にゴム管をいれてクッションにするのがポイントです。
ハリスと針
ハリスはフロロカーボンの2号から3号を50センチメートルから1メートルほどとるのが基本です。狙う魚、使うエサによってハリスの長さ太さを調節しましょう。
使用する針はチヌ針3号、伊勢尼11号くらいが基本です。針がかりをしないときは「ハリス落とすな針落とせ」という格言のように針のサイズをかえます。エサで針が隠れるようにつけ、針のチモトにしもり玉を入れることもあります。
夜のブッコミ釣りにポイントとなる仕掛け
夜のブッコミ釣りの仕掛けは、ハリスの太さや針の大きさを基本の仕掛けより一つサイズを上げます。エサ取りも少なくなり魚の警戒心も薄くなっていますので、釣れる魚のサイズアップが望めるからです。夜なので仕掛けの目印と集魚のためにサルカンの下にケミホタルをつけるのは夜釣りのポイントの一つです。
夜のブッコミ釣りの針のポイント
夜のブッコミ釣りでは、狙える魚にウナギやアナゴなどの長ものと呼ばれる魚があります。長ものは一般的に口が小さいので、針は専用のものをつけることがポイントです。長ものが釣れるとくるくると巻き付き針を外すのは手間がかかります。ハリスごとかえられるように、ハリス付きの仕掛けを用意しておきます。
ブッコミ釣りのエサ
日中や夜のブッコミ釣りでは、オモリが底に定着していますので、エサは魚を寄せる魅力のあるものを使います。動きで誘う生きエサやにおいで寄せるエサです。もっともよくつかわれるのは青イソメ・本ムシなどのイソメ類で、カメジャコ・ザリガニなどの小型の甲殻類や魚の切り身や、小魚などの生きエサも使います。
日中のブッコミ釣りに適したエサ
日中のブッコミ釣りのエサのポイントは何種類かのエサのローテーションです。エサ取りに弱いイソメ類も外せません。穴釣りや船釣りなどで使うサバやサンマの切り身も使いますし、アナジャコなど甲殻類はクロダイの特効エサです。近くで釣れる小魚やキビナゴを一匹掛けするとフィッシュイーターも狙えます。
夜のブッコミ釣りに適したエサ
夜のブッコミ釣りでは、釣れる魚のサイズアップが望めますので、狙う魚の好むエサを使うのがポイントです。チロリ・袋ムシなどの夜にめだつイソメ類や、スナモグリ(ボケ)・カメジャコなどの甲殻類、ユムシ・本コウジなど夜のブッコミ釣りで大物狙いに使われます。大物が浅場にやってくる時期にはぜひ使いましょう。
- ユムシ:タイの大物狙いに用いられるエサ
- スナモグリ:冬場にクロダイなどの大物狙いに使われるボケとよばれるエサ
- カメジャコ:スズキ、チヌ狙いによく使われるエサ取りには強い、アナジャコともよばれるエサ
ブッコミ釣りの釣り方の極意
ブッコミ釣りのでは、複数のサオを出し投げ込むポイントを変えるのが昼・夜共通の釣り方の極意です。防波堤であれば捨て石の切れ目あたり、沈み磯があればその周り、漁港であればテトラ周りや船道のかけあがりあたりを狙います。ブッコミ釣りでは、投げ釣りのように遠投する必要はありません。
日中のブッコミ釣りの極意
ブッコミ釣りでは、地合いになった時、仕掛けが魚の通るであろう場所にあり、おいしそうなエサがついていることが大切です。日中のブッコミ釣りの地合いは短く、潮の動きはじめ、潮どまりの前など、状況が変化した時がチャンスです。夜のブッコミ釣りと共通する部分もありますが、ポイントを3つほどご紹介します。
アタリの見極めが極意
ブッコミ釣りでは、置きざおの穂先がお辞儀するような動きがアタリです。道糸をピンと張らずドラグは緩めてありますが、遊動仕掛けなので魚が食いつくと糸がはり穂先に魚信が出ます。アタリを見極め、サオを持ち、ドラグを締めて糸ふけを取ります。サオから魚信が感じられたら、合わせを入れて取り込みます。
エサの点検が極意
日中のブッコミ釣りでは、エサの有無を点検することと新鮮なエサへの取り換えは、当たり前のことながら特に重要です。日中ならではのエサ取りの動きも活発で、エサを取られます。10分に1回くらいの間隔でサオを持ち糸ふけを取って魚信がないかを確かめ、仕掛けを上げてエサを新しいものに取り換えます。
仕掛けの変更が極意
ブッコミ釣りで、エサを交換をしてもアタリがでないとか、アタリがあっても食い込みが浅く針掛かりしないことがあります。エサに変化がない場合は、しもり玉をつけ、エサを目立たせるのも有効です。食い込みが悪い場合は、仕掛けを見切られている可能性があります。仕掛けのハリスを長くしたり、針をサイズダウンします。
夜のブッコミ釣りの釣り方の極意
夜のブッコミ釣りでは、明るい間に周りの状況を確かめ、安全に釣りをすることを心がけるとともに、仕掛けを投げ込む場所も考えておくことが大切です。魚の活性の上がる夜でも、やはり、潮の動きはじめ、ゆるみ始めの地合いを逃さないようにします。日中のブッコミ釣りのポイントに加え、2つのポイントをご紹介します。
魚に警戒心を抱かせないのが極意
夜のブッコミ釣りでは、活性の上がっている魚に、警戒心を抱かせないことが重要なポイントです。夜ですからヘッドライトや懐中電灯が必需品ですが、仕掛けの投げ込みや釣れた魚の取り込みの時に光を水面に向けないようにします。また、釣り人同士の大声での会話は控えましょう。
しっかり食わせておそあわせが極意
夜のブッコミ釣りでは、しっかり食わせてあわせをいれるのがポイントです。大物ほど警戒心は強く、違和感があると警戒します。アタリが穂先に出てすぐにサオを持ち、糸を張ったりするとエサを離します。穂先が引き込まれるような大きなアタリが出るまで待って合わせるのがコツです。針をのみこまれたら仕掛けをかえます。
夜でも昼でも手軽なブッコミ釣りを楽しもう
日中や夜のブッコミ釣りの釣り方、仕掛けのポイントをご紹介しました。ブッコミ釣りは、夜でも昼でも、場所を選ばず手軽にできる釣りです。昼夜の魚の特性、釣場の環境などに合わせた工夫を加えると、思わぬ大物の顔を見られることもあります。サオやリールは兼用が効きますから、ぜひブッコミ釣りを試してみてください。
出典:PhotoAC