ヒラメとは?
高級魚で有名なヒラメ。食べても絶品で、アングラーにも人気なヒラメですが、その生態について詳しい方は少ないのではないでしょうか?ヒラメの生態を知ると釣りにも役立ちます!ここではヒラメの種類、特徴、旬、有名な産地などを説明していきます!
ヒラメの種類
ヒラメの種類はヒラメ(ヒラメ科)、テンジクガレイ(ヒラメ科)、タマガンゾウビラメ(ヒラメ科)やシタビラメ(ウシノシタ科)がいます。一般的にみかけるのはヒラメ科のヒラメです。ヒラメとシタビラメは形が大きく異なり、ヒラメは円形様、シタビラメは牛の舌のように細長い形で見分けが容易に行なえます。ヒラメも美味ですが、シタビラメも見た目に反してとてもおいしいです。
ヒラメの特徴
ヒラメの形は平べったく、周囲の砂に模様を合わせ擬態し、餌となる魚を待ち伏せします。ヒラメはフィッシュイーターという魚で、サバ・アジ・イワシなどの小魚を餌にしています。特に、成魚になるとほぼ小魚しか食べなくなりますが、甲殻類も捕食します。ヒラメは歯が鋭く、餌に噛み付いて捕食します。釣ったヒラメが天然物かどうか判別するには、お腹を見ます。天然物のヒラメはお腹が真っ白で綺麗ですが、養殖物・放流物はお腹に斑点があります。
ヒラメは白身魚
ヒラメは瞬発的な動きをするため白身魚です。魚の身の色はミオグロビンの数によって決まります。ミオグロビンは筋肉に酸素を供給する役割があるので、ミオグロビンが多いと持久力に富んだ筋肉になります。代表的なのが、マグロやカツオです。逆に白身魚はミオグロビンが少なく、持久力には乏しいですが瞬発的な動きが得意です。
ヒラメとカレイの違いは?
ヒラメとカレイは形が似ていますが目の向きが異なり、ヒラメは左向き、カレイは右向きに目があります。目が上にくるように魚を置いたときに目がどちら側にくるか確認しましょう。ヒラメのヒは左のヒ!と覚えると忘れません。
ヒラメの生息地
ヒラメは沖縄県を除く日本の全域を生息地としています。ヒラメは砂地を生息地としており、水深10〜200mと浅い場所から深場まで幅広く生息しています。産卵期には20m程度の比較的浅瀬にきて産卵します。夏と冬では生息する場所が違うので、釣り方が変わります。
ヒラメの大きさと寿命
ヒラメは成長速度が速く、生息する海によって成長速度が異なり相模湾で一番大きくなります。大きいものになると1mを越える個体も存在します。ヒラメの寿命は5年から10年といわれています。
ヒラメの有名な産地
ヒラメ釣りで有名なのは茨城県の鹿島市です。鹿島港は11月からヒラメ釣りが解禁され、11月〜3月頃まで楽しめます。鹿島の寒ビラメは肉厚でとても美味しく、釣り物としてもとても楽しめます。
ヒラメの生態
ヒラメは時期によって生息する場所がかわる
ヒラメは夏は浅瀬の砂地、冬は沖合にいます。そのため夏は砂浜から投げ釣りで、冬は船で泳がせで釣ることができます。ヒラメは砂地で餌が通るのをじっと待ち、餌が近づくと海底から飛び上がり餌に噛みつきます。飛ぶ高さは1mも飛び上がります。
ヒラメは餌に何度も噛み付く
ヒラメは餌となるイワシやアジが通ると鋭い歯で噛みつきます。そのまま丸呑みするのではなく、何度も噛み直すことで餌を弱らせ、弱ったら飲み込みます。泳がせ釣りで焦ってフッキングすると、ヒラメは掛からず歯型のついたイワシのみ上がってきます。
ヒラメは大きさによって呼び方が異なる
ヒラメは大きさによって呼び方が異なります。30cm以下のヒラメはソゲと呼ばれ、リリース対象となります。また、60cm以上は座布団と呼ばれます。ソゲを持ち帰ってしまうとヒラメの個体数が減ってなかなか座布団級が釣れなくなってしまうため、リリースを徹底しましょう。
ヒラメにはアニサキスがいることがある
アニサキスは魚に寄生する寄生虫で、アニサキスに寄生された魚を食べることで人間にも寄生します。アニサキスはサバ、アジなどの小型の魚に寄生していることが多く、この魚を餌としているヒラメにも寄生していることがあります。そのため、ヒラメを刺し身で食べる際にはアニサキスに注意しなくてはなりません。
アニサキスは冷凍後24時間か加熱で死んでしまう
アニサキスに注意する調理法は生で食べる場合だけであるため、加熱処理する調理法では気にする必要はありません。もし、刺し身でヒラメを食べたい場合はアニサキスがいないことを確認するか、冷凍後24時間で死滅するので冷凍しましょう。ヒラメを冷凍する場合はジップロックに包み、できるだけ空気が入らないようにします。もし真空パック機がある場合は、真空パックするのがおすすめです。
ヒラメの旬
ヒラメの産卵と味の関係
ヒラメは4月〜7月に産卵をするため、その前あたりは産卵に向けて栄養をつけるために活発に捕食行動をします。産卵後は体力を消耗し身に栄養が少ないためあまり美味しくないと言われています。「夏ヒラメは猫も食わぬ。」という言葉は、このためです。
ヒラメは冬がうまい
ヒラメは越冬に向けて秋頃から活発に捕食行動をするため、秋〜冬にかけてが旬であり一番美味しいといわれています。特に冬の寒い時期のヒラメは寒ビラメといい、脂がのってとても美味しく、高級料理店でもみかけるほどです。
ヒラメはエンガワがおいしい
ヒラメにはエンガワがあります。エンガワは縁側と書くので、ヒラメの縁に沿った身のことをいいます。エンガワはヒレを動かす筋肉で、活発に動かすため発達しており独特な食感があり、うま見が詰まっています。座布団級の大きさのヒラメは特に大きく発達しているので、ヒラメが釣れたらぜひ食べていただきたいです。
ヒラメの釣り方
夏の釣り方
ヒラメは夏に浅瀬の砂地に移動するため、砂浜から狙います。ルアーはイワシに似た綺羅びやかなものがアピールに向いています。また、ワームにも食いついてくるので、メタルジグなどで反応がない場合はワームを使うのも一つの手です。ただしヒラメの歯は鋭いので、ワームが噛じられてしまい使い捨て状態になってしまうのでワームは余分に持っているといいでしょう。
ヒラメ釣りのポイントは?
ヒラメは小魚を餌としているため、小魚が集まりそうなところにヒラメが潜んでいます。小魚は餌を求めて河口に集まるため、河口付近はヒラメ釣りのポイントとなります。また、砂地のかけ上がりは小魚が居着くので、ここもポイントの一つです。
冬の釣り方
冬のヒラメは沖に移動するため、船釣りがメインとなります。釣り方は胴付き仕掛けで活きイワシを泳がせます。イワシは活きがいいものを選び、強く握らないように可能な限り水の中で針をつけましょう。また、タナも重要でオモリが海底から50cm程度浮き上がるようにこまめにタナ取りをしましょう。タナを上げすぎるとヒラメが餌を追ってきません。タナが低すぎても根掛かりしてしまうので、置き竿ではなく持ち竿で対応しましょう。
冬ヒラメを釣るならがまんが大事!
ヒラメは餌を丸呑みせず噛み付いて餌を弱らせるので、アタリがあってもすぐにフッキングしないこと。すぐにフッキングしてしまうと針がかりしないため、徐々にアタリが強くなったらフッキングする。2本針の場合、孫バリの方にヒラメがかかることが多いので、孫バリもしっかりイワシに掛けるようにしましょう。イワシは尾びれと尾っぽ側の体を動かして泳ぐため、孫バリは体の真ん中あたりに掛けましょう。
出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2610408?title=%E6%B5%B7%E5%BA%95%E3%81%AE%E3%83%92%E3%83%A9%E3%83%A1