ダンクルとは?
発売以来、全国各地でデカバスの捕獲に貢献しているジャッカルのスイムベイト「ダンクル」。ジャッカルの名物プロである秦拓馬が開発&愛用し、目を見張る釣果で一般アングラーを釘付けにしてたことも人気に拍車をかけました。現在主流となっている日本のスイムベイトと比較すると、頭デッカチなボディーシェイプをしたこのスイムベイトですが、なぜこの形状でなければいけないのでしょうか?他のスイムベイトと照らし合わせながら、ダンクルの持つポテンシャルを徹底解明してみましょう。
ダンクルのサイズラインナップ&スペック
現在、ダンクルには最小の5in、オリジナルサイズの7in、最大のサイズである9inの3種類のサイズがラインナップされています。このラインナップが絶妙で、3種類を使いこなせばあらゆるフィールドやコンディションに対応可能になります。使い分けは、下で紹介しているのでチェックしてみてください。
スペック
ブランド:ジャッカル
5in | 29.5g | カラー全13色 | 1,680円 |
7in | 62g | カラー全13色 | 1,980円 |
9in | 4.6oz(約130g) | カラー全8色 | 2,980円 |
ダンクルに適したタックル
サイズによってかなりの重さの違い、それに伴う使用感の違いが生まれるので、適したタックルも大きく変わってきます。
ダンクル5in
ミディアムクラスのベイトロッドがあれば扱えてしまうサイズと重さが5inのアドバンテージです。おかっぱりでロッドを1~2本しか持っていけない状況では強い味方になるでしょう。ラインはフロロカーボンの14lb前後がおすすめですが、他の使用ルアーを考慮しながら調整するといいでしょう。リールもスタンダードなベイトリールがあれば問題ありません。ただし、コンパクトサイズにも拘らず、大きなバスがバイトしてくるので細すぎるラインは厳禁です。
ダンクル7in
オリジナルサイズの重さになるとヘビークラスのロッドを使用しないと扱い辛くなります。扱えるルアーの最大重量が2.5oz以上のロッドをセレクトしましょう。また、ヘビーアクションでも、テーパーアクションがファストテーパーなるとキャスト時にルアーの重さがロッドに乗らず、キャストし辛くなることを知っておきましょう。デカバスがヒットする確率が高いだけでなく、キャスト時にかかる負荷も相当なものなので、ラインは16lb以上のフロロカーボンが好ましくなります。
ダンクル9in
メガロダンクルと呼ばれる9inモデル。9inクラスのルアーは10年前のバス釣り業界なら規格外でした。現在ジャッカルから発売されているルアーの中でも最重量級で、もちろんその重さも規格外。ジャイアントベイトに対応しているロッド無しでは釣りが成立しません。リールも堅牢性の高いモデルを使わないとキャストする度にがたつきを感じてしまうかもしれません。ラインもフロロカーボンの25lbクラスは用意しておきましょう。
独自のボディーシェイプ
現在日本で多く発売されているスイムベイトは、ハイプレッシャーな日本のフィールドを想定して、細身なシルエットのモデルが目立ちます。それとは逆に、ダンクルはへッドが大きなボディーシェイプ。こういったタイプは近年のスイムベイトにはあまり見られません。
しかし、ダンクルは革新的な形状というわけではなく、昔から存在した形状を現代風にアレンジしたものです。スイムベイトの元祖とも言えるオスプレイ社のタロンなどの、第一次スイムベイトブームを牽引したスイムベイトを踏襲したビッグヘッドタイプは、その面積の広い頭で水を大きく動かすという特徴を持っています。さらに、ダンクルのユニークな点はその面積の広いヘッドに対して、かなりテールの根本が細くシェイプアップされている点です。なぜ細くなっているかは下のアクション解説で説明します。
ダンクルのアクション
アクションは、一見すると普通のスイムベイトですが、大きなヘッドが水を掴み、安定したスイム姿勢をキープしてくれます。そして、細くシェイプアップされたテールが素晴らしい働きをしてくれます。このテールのおかげで、ナチュラルなテールアクションを持続することができるのです。テールは低速リトリーブでもしっかり動くだけでなく、ある程度のスピードでも破綻することなくアクションを続けます。ボトムでも倒れにくく、ステイさせたりサイトフィッシングにも使用できます。
サイズによってアクションは違いはあるのか?
サイズによって引き抵抗によって感じる重さや使用感が変化するのは言うまでもありませんが、アクションはいずれも同じなのでしょうか?実は、サイズによってアクションに微妙な違いがあります。比較してみると、5inモデルはテールの振りが力強くクイックなように感じます。小さくなった分、アピール力をあげるという配慮かもしれません。そして、9inは心なしか、テールの振り幅が7inに比べてタイトに感じます。機会があれば3サイズを実際にアクションの違いを比較してみると面白いでしょう。
使い方&使い所
一般的なスイムベイト同様、タダ巻きがダンクルの基本アクションになります。冬~春にかけての低水温期は比較的スローにリトリーブすることを心掛けましょう。そして問題は、サイズ別の使い分けです。上でも紹介したように、現在ダンクルには3種類のサイズラインナップがあります。最小は5in、最大は9inで、中間の7inが最初に発売されたオリジナルサイズとなるわけですが、もちろんそれぞれに適した使用シチュエーションがあります。
5in
スタンダードの7inに対し、5inは野池などの比較的に小規模フィールドやプレッシャーの高いエリアにマッチします。ポストスポーン(産卵直後)のゲッソリしたバスでも躊躇なく咥え込めるので、タフだと感じたら5inをセレクトしましょう。
7in
十分なインパクトでデカバスを誘う7in。これくらいのボリュームになると軽い濁りなら問題なく使えるので、春先の濁った水質でデカバスを狙うのに最適です。しかも、野池でも十分に通用する範疇のボリュームなので、フィールドを選びません。
9in
9inは池原ダムや琵琶湖などフィールドを選んで使う必要がありますが、他のサイズのダンクルに反応しないモンスタークラスのバスにスイッチを入れることができるという強みがあります。
それでもサイズ選びに困ったら
それでもサイズ選びに迷ったら、自分がストレス無くキャストし続けることができる重さで、尚且つ、釣れると信用できるサイズをキャストしていきましょう。キャストにストレスが伴ったり、「こんなデカいの釣れるのかよ?」という疑念があると釣りのリズムが狂うので、実際に使用感を比較しながら信頼できるサイズを確立しましょう。
使い所
3サイズがラインナップされているので、フィールドの規模やバスのアベレージサイズにルアーのサイズをアジャストしていけば、その規模を問わず、どんなフィールドであっても通用します。適度な濁りや流れの中では、強い波動で存在感をキープしながらも、柔らかなボディーでバスに本物の餌だとバスに思い込ませることが可能なので、そういった条件下では積極的にキャストしてみることをおすすめします。
おすすめしないシチュエーション
強い波動を生み出すダンクルですが、あくまでもスイムベイトなので、カフェオレのように濁った水域では、派手なカラーをもってしても通用しない場合があります。また、ヒシモ密集地帯のようにテールのアクションさえままならないカバーでは、他のルアーに頼るのが賢明です。
豊富なカラーラインナップ
最近のジャッカル製スイムベイトに多く見られる、なんともスイムベイトらしくないカラーラインナップが釣り人の好奇心を駆り立ててくれます。特に、他のメーカーにはない派手なカラーが多く、大きなヘッドが生む強い水押しと相乗効果を生み出して濁りに弱いスイムベイトの宿命をカバーしてくれます。俺達。スパーク(プリスポーンダイナマイト)のようなカラーは、ジャッカルの技術によって、ハードルアーに近い発色でカラーリングされている点も、他のメーカーのスイムベイトとの大きな違いです。
視認性の高いカラーは必需品!
スイムベイトに慣れていないアングラーには背中にピンクやチャートなどの視認性の高いカラーを選ぶと、スイムベイトの上達に貢献してくれます。理由は、ナチュナル系のカラーと比較すると、ルアーがどこを泳いでいるのかが目で確認しやすいからです。この類のルアーはリトリーブスピードでアクションが変化するうえ、どのレンジを泳ぐかでバスの反応が大きく変わります。にも拘わらず、スイムベイトは自然なアクションゆえに、泳いでいる姿を把握し辛い傾向にあるため、視認性の高いカラーは大きなアドバンテージになるのです。
カスタマイズ可能なボディー構造
ダンクルにはアングラーが簡単にカスタマイズできるように、ありがたいギミックが搭載されています。
フックポジションを変更できる
ダンクルは腹部にフックが搭載された状態で店頭に並んでいますが、上の画像のように、簡単に背中にフックを搭載することができます。フックが背中に来ることで、立木などの障害物にコンタクトさせても、根がかりすることなくリトリーブを続けることができるようになります。
ボディーの突起はどう使う?
腹部を見てみると、ボディーに金属製の突起があるのが分かります。これはボディーを傷つけることなく、フックをボディーに固定するのに使うパーツです。比較的に耐久性のあるボディーですが、ダブルフックにこの金属パーツを挟むことで、ボディーにフックを刺さずに使用することができ、破損のリスクを軽減できます。特に、背中側にフックを搭載する場合、フックの固定は必要不可欠になるので、この金属パーツを活用しましょう。
ヒッチフックでショートバイト対策
背中にフックを装着すると、スナッグレス性能の向上と引き換えにフッキングの低下が気になることがあります。そんな時に役に立つのが、ザップから発売されているヒッチフック。ダンクルだけでなく、すべてのスイムベイトに重宝するアシストフックです。注意点としては、テールの動きを殺さないセッティングをすることです。特にダンクルはテールが細いのでヒッチフックを差し込む場所を間違うと、柔らかなアクションが抑制されてしまいます。
まとめ
伝統的なスイムベイトのシェイプを現代風なアレンジで復活させたジャッカルのダンクルは、サイズセレクトやフックポジションの変更を臨機応変に行えば、その可能性は無限大のルアーだということが分かっていただけたでしょうか?そこに繊細なカラーセレクトを交えれば、レコードブレイカーのキャッチも夢ではないでしょう。