太刀魚ってどんな魚?
太刀魚はスズキ目サバ亜目タチウオ科に属する魚で、サバやマグロの遠い親戚です。サバ同様、群れで回遊する習性を持ち、日中は深いところにいますが、夜になると浅場まで浮上してエサを捕食します。主食は小魚なので、魚の切り身やルアーなどを使って釣りましょう。
太刀魚のエサの食べ方
太刀魚は立って泳いで自分の頭上を通った獲物に、下から襲いかかる形でエサを捕食します。頭上に仕掛けを持っていく方法で食わせることが釣果につながるでしょう。水中で立って泳ぐことは、太刀魚の名前の由来のひとつにもなっています。
テンヤとは?
テンヤとはオモリと針が一体化したものです。ルアー釣りに詳しい方はジグヘッドのようなものを想像すると、わかりやすいのではないでしょうか。自宅と仕事場がつながった町屋のことを「店屋(てんや)」と呼んでおり、オモリと針が繋がった様子が「店屋」に似ていたためテンヤと名付けられました。
太刀魚以外の魚もテンヤ釣りできる?
太刀魚以外にもテンヤで釣れる魚がいます。テンヤ釣りといえば、マダイのテンヤ釣りのことを指すことが一般的でしょう。タイ用のテンヤに大きなエビを付けてアクションをあたえ、食わせる方法です。釣る方法は違いますが、基本的なスタイルはタチウオと同じ方法をとります。
その他にはタコのテンヤ釣りがありますが、こちらはひっかける釣りなのでタチウオやタイとは使い方が異なります。
船釣り用の太刀魚テンヤの道具は?
竿
太刀魚テンヤ用の竿を使います。長さ2メートルくらいが主流で、掛け調子と食わせ調子の2種類があります。掛け調子の竿は穂先の感度が良く小さなアタリもアワセやすいのが特徴です。頻繁に巻き上げて、小さなアタリにもアワセていく方法で使いましょう。
食わせ調子の竿はしなやかに曲がるため食い込みが良く、スローで巻いてじっくり食わせてからアワセる人に向いています。
リール
リールは小型で軽い両軸型(ベイト)リールを使います。PEラインが200メートルほど巻ける大きさを選んでください。手巻きリールと電動リール、どちらでも大丈夫ですが、タナが重要な釣りなのでカウンターが付いているとよいでしょう。
ライン
ラインはPEラインを使います。2号で200メートルほど巻くことができますが、船宿によっては号数の指定があるので、よく確認しましょう。
リーダー
太刀魚の鋭い歯からPEラインを守るために、テンヤと道糸の間にワイヤーかリーダーを付けます。ワイヤーの方がより安全ですが、最近ではアクションがなるべく自然になるように、ワイヤーではなくリーダーにする場合が多くなってきました。
リーダーはナイロンとフロロカーボンの2種類。8号前後のものを4〜5メートル巻きましょう。
発光体
集魚効果を出すために、ケミホタルなどの発光体を付けることがあります。船宿によっては、そういった道具は禁止のところもあるのでよく確認しましょう。
その他あると便利な道具
タチウオの歯は鋭く針を外す時に気をつけないと危ないため、プライヤーなどの針を外すための道具を持っていきましょう。地べたに置いて針を外す人がいますが、せっかくの綺麗な銀色が剥がれてしまうのでおすすめしません。
タチウオ専用のハサミを使えば針を外す際にタチウオを挟んで押さえることができ、しめる際にも使えます。とても便利な道具です。
船釣り用の太刀魚テンヤの種類は?
ヘッドと呼ばれるオモリの部分の種類が製品によって異なりますが、大きな違いはありません。フックの部分がシングルフックだったりダブルフックだったり、フックの軸の部が長かったりという違いがある程度です。
同じ製品でもヘッドの色が異なりますので、状況によって色や形の異なるテンヤを使い分けることが釣果につながります。
船釣り用の太刀魚テンヤの選び方は?
船釣りにおけるテンヤは、オモリの号数と同じように選びます。使う号数は30〜50号なので、状況によって使いわけましょう。船宿で号数が統一されることが多いため、しっかりと確認しましょう。
活性が高い時はシルエットが大きくグローがあるテンヤを使用し、活性が低い時はシルエットが小さいグローがないテンヤを選ぶことをおすすめします。
船釣り用の太刀魚テンヤの使い方は?
テンヤへのエサの付け方
テンヤの使い方で大切なのがエサの付け方です。最初は難しいのですが、慣れてくるとスピーディーに付けれるようになります。エサは主にイワシで、テンヤの針に付いているエサ止めと呼ばれる出っ張りに刺して固定します。
そのあと、上の図のように針金を巻いてエサを完全に固定しましょう。強すぎるとエサが潰れてしまい弱すぎると外れてしまうので、力加減に気をつけましょう。
船釣り用の太刀魚テンヤの仕掛けは?
仕掛けの種類
仕掛けの種類は特にありません。リーダーの先にテンヤを結ぶだけです。その際、リーダーとテンヤの間にケミホタルやワイヤーを付けることがあります。ワイヤーの長さやケミホタルの位置で釣果が変わることもありますので試してみましょう。
仕掛けの使い方
仕掛けの使い方は、テンヤを底まで沈めて、指示タナまで巻き上げて誘って喰わせる方法になります。アクションやアワセが釣果の差に繋がりますので、次項の「太刀魚の船釣りの釣り方は?」をしっかり読みましょう。
太刀魚の船釣りの釣り方は?
船長の指示があったら、テンヤを底まで沈めます。船長からタナの指示があれば、そのタナまでテンヤを沈めてください。指示がなければ、10メートルくらいまで巻き上げながらアクションを加えて誘います。アタリがなければ、また底まで沈めて巻きあげましょう。
アクション
ただ巻き
その名の通りただ巻くだけですが、太刀魚の活性に応じて早く巻いたり遅く巻いたり、速度を変えていきます。アタリがある速度を見つけたら、その速度を維持しましょう。
ストップアンドゴー
ルアー釣りでも使われるテクニックで「巻く止める巻く」を繰り返すアクションです。巻く回数、止める時間、巻く速さの3つを変えることで、タチウオが食いつくパターンをつかみます。活性が高い時は止める時間を短く、活性が低い時は止める時間を長くしましょう。
ジャーク
竿を一回シャクってリールを1回巻くアクションを繰り返してから、テンヤを止めて(ステイ)食わせるアクションです。シャクり幅やリールを巻く速度、ステイの時間を変えてパターンをつかみましょう。
活性が高い時は大きくシャクり早く巻いてステイは短く、低い時はシャクりを小さくゆっくり巻いてステイは長くしてください。
アタリとアワセ
アタリはコツコツという小さなアタリからグっと重くなるアタリ、フワっと食い上げて軽くなるアタリとさまざまです。ベテランには小さなアタリでアワセる人もいますが、慣れないうちは小さなアタリがあってもそのまま巻き続け、しっかりとしたアタリがきてから小さく鋭くアワセてください。
急に軽くなる現象があれば、食い上げの可能性があります。その際もアワセましょう。
太刀魚の釣り方のコツは?
タチウオはよく動くものに反応しますが、エサを獲るのが下手な魚です。アクションでアピールすると同時に、喰わせるための間合いを与えることが釣果につながるコツになります。アクション後のストップやフォール中に食うことが多くなるでしょう。
堤防でも太刀魚は釣れる!?
太刀魚は船釣りだけではありません。堤防からでも釣ることができますし、堤防でテンヤ釣りもできます。堤防釣りは夜釣りになりますので、仕事終わりにできる点が魅力です。
船釣りとの違い
堤防からのテンヤ釣りにおいて、船のテンヤとの大きな違いは投げることです。簡単に説明すると、投げて、レンジ(タナ)まで沈めて、巻いて、食わせるという釣り方になります。アタリやアワセは、船釣りと同じ感触と覚えておきましょう。
堤防からの太刀魚テンヤをする道具は?
竿
竿は、シーバスロッドや固めのエギングロッドを使用してください。太刀魚とのやりとりを楽しみたい方はエギングロッド、安全に釣り上げたい方はシーバスロッドを使うと良いでしょう。タックルや仕掛けについては、船釣りのものよりライトです。
リール・ライン・リーダー
2000〜3000番くらいのスピニングリールに、1号前後のPEラインを巻いてください。巻いたPEラインに適応したナイロンやフロロカーボンのリーダーを結びます。リーダーの長さは、1メートルくらいにしましょう。
テンヤ
テンヤは、船釣りで使うものより軽い、堤防用のテンヤを使います。投げるという点以外の使い方は基本的に船釣りと同じですが、堤防釣りならではのちょっと変わった種類のテンヤも存在します。
ブレードが付いたテンヤ、スピナーベイトのようなテンヤ、3つテンヤが付いたものなど、使い方に大きな違いはないので、いろいろなテンヤを試してみるのもおもしろいでしょう。
その他の道具
テンヤとリーダーの間にワイヤーを付けますが、飲み込まれることはそんなにありません。誘いをより自然にするために付けなくても大丈夫です。ケミホタルを付けると集魚効果があり、仕掛けの視認性も上がります。
ワイヤーから(ワイヤーを付けてなければテンヤから)50センチくらいのリーダーの部分に付けてください。青色がおすすめです。
堤防からの太刀魚テンヤの釣り方は?
テンヤをキャストし、5〜10カウントほど沈めてから巻いて食わせます。アタリは船釣りと同じ感覚なので、アワセも同じ感覚です。巻く際は、同じレンジ(タナ)を維持するように心がけてください。
アクション
アクションの方法は、ただ巻き、少し巻き上げてフォールさせる、軽くしゃくりあげてフォールさせるなどがあります。状況によりますが、フォール中によく食いついてくるでしょう。
堤防での太刀魚の他の釣り方は?
ウキ釣り
電気ウキを使う方法です。ウキが沈んでからアワセまで時間がかかることが特徴の釣りで、竿は3号くらいの4〜5メートルの磯竿、リールは4000〜5000番、ラインはナイロン4〜5号を使用します。針はタチウオ針や5号くらいのチヌ針。ハリスにはワイヤーを使ってください。
エサは、サバやサンマの切り身やキビナゴを使います。タナは、3〜5メートルの間でとりましょう。
ルアー釣り
ジグやワインドでワームを使ったルアー釣りで、昼でも釣れることがあります。竿は専用の竿が一番よいのですが、ジグが投げられる9フィートくらいの竿であれば問題ありません。
2500〜3000番くらいのリールに1号前後のPEラインを使用し、それに適応したリーダーを巻きましょう。ワイヤーは、付けても付けなくても大丈夫です。状況によっては、エサよりも有利な場合があります。
いざ太刀魚テンヤをやりに行こう!
いかがでしたか?テンヤ釣りは、エサ釣りとルアー釣りのいいとこどりをした釣り方です。慣れると簡単ですので、初心者のうちは基本の釣り方、慣れてきたら自分なりに工夫した釣り方を試してみましょう。