はじめに
発売以来人気のスティーズ A TWですが、見た目はスティーズの他のモデルと大差がありません。気になってはいるけれど違いがよく分からない人や、所有しているにも拘わらずその特徴を理解してない人もいるのではないでしょうか?そんな人のためにも、スティーズ A TWが如何に素晴らしいリールであるかを、インプレを交えながら伝えていきたいと思います。
スティーズ A TWのスペック
まず、スティーズA TWのスペックやギア比のバリエーションを見てみましょう。
ギア比の違い
ギア比は全部で4種類あります。巻きモノ向けの5.3、標準的な6.3、ハイギアの7.1、超ハイギアの8.1の4種類です。
これだけのバリエーションがあれば、あらゆるシチュエーションに対応できますが、よく分からないという人は6.3を選ぶといいでしょう。それぞれのギア比を搭載したモデル名を下に記載しているので参考にしてください。
モデル名 | ギア比 | ハンドル一回転あたりのライン巻取り量 |
1016CC | 5.3 | 56cm |
1016H | 6.3 | 67cm |
1016SH | 7.1 | 75cm |
1016XH | 8.1 | 86cm |
それぞれのモデルにレフトハンドルモデルもあるので左利きのアングラーも安心です。
ウエイト
重量は190g。他のスティーズより若干重くはなっていますが、高い堅牢性を持ちながら200gを切るリールは世界を探してもなかなかないでしょう。コンパクトで握りやすいボディーのおかげで、握り込んでしまえば重さはあまり気になりません。またギア比に応じてウエイトが変わることはありません。
ラインキャパシティー
ラインキャパシティーはナイロンの14lbで115m、16lbで100mとなっています。フロロカーボンに置き換えても、大きな変化はないでしょう。ウエイトと同様に、ギア比が変わっても、ラインキャパシティーに変化はありません。
スティーズ A TWの特徴
それでは、スティーズ Aは一体どんな特徴を持っているのでしょうか?
剛性感のあるアルミボディー
スティーズ A TWにあって他のスティーズにはない特徴が高い剛性を持つアルミボディーです。そう、名前に含まれている「A」とはアルミニウムを指しているのです。スティーズの他のモデルのボディーにはエアメタルと呼ばれるマグネシウム合金が使われており、一部のパーツにアルミが採用されているのに対し、A TWはボディーフレームはもちろん、サイドプレートやセットプレートまでアルミに仕上げられています。
ストレスを軽減するTWS
ダイワのベイトリールの代名詞といっても過言ではないTWS(Tウイングシステム)もスティーズ A TWに搭載されています。そう、スティーズ A TWの「TW」はこのシステムを指しているのです。このシステムでスティーズ A TWはどのようにパワーアップするのでしょうか?
飛距離アップ
キャスト時にラインとレベルワインダーに生まれる摩擦を軽減し、ストレス無く、従来よりも伸びのあるキャストを可能にしたのがこのシステムです。ダイワのテストでは、従来のレベルワインダーに比べるとTWSを搭載したリールは飛距離が約5%UPしたという結果が出ています。
中~近距離キャストもスムーズに
このリールがアルミボディーから生まれる剛性感を持ちながら、スティーズが本来持つ繊細なフィーリングを維持できるのは、このレベルワインダーによって、軽い力で伸びのあるキャストができるからに他なりません。そのため、スティーズ A TWはブレーキセッティング次第でこれまでの剛性を売りにしたリールに比べ、軽量ルアーも気持ちよく扱うことができ、多用途に活躍するリールになりました。
剛性のメリット
剛性といっても、リールにどれほどの恩恵を与えるのか意外と知らないアングラーが多いのではないでしょうか?剛性が上がることで、単に外からの衝撃に対して強くなるだけではありません。剛性が高ければ、フルパワーでのフッキング、抵抗の強い巻きモノルアーを巻く際に、ボディーが撓むのを防ぎ、ギアがスムーズに回転し続けるのです。つまりパワーゲームを快適にしてくれるのが剛性ということになります。
スティーズ A TWはこんなアングラーにおすすめ!
それではスティーズ A TWが向いているのは一体どういった人たちなのでしょうか?
重量のあるルアーを使用するアングラー
上でも説明したように、重量級のルアーを投げて巻く動作においてリールのフレームが撓まないので、リールやアングラーの腕に負担を掛けず釣りを楽しむことができます。大型のルアーを扱うために十分なブレーキ力もあるので安心です。
1つのタックルセッティングでいろんなルアーを使いたいアングラー
タフな使用に耐えながらも繊細なフィーリングを持つリールなので軽量ルアーも十分扱えます。なので、1つのタックルで幅広いルアーを扱いたい人に最適になります。適切なラインやブレーキセッティングと多用途なロッドを組み合わせれば、1/4ozから3ozのルアーを1つのタックルセッティングで扱えるでしょう。
長期間リールをベストな状態で使いたいアングラー
その高い剛性により、ボディーが撓まず、ギアが正常に作動し続けるので故障などのリスクを軽減されます。タックルセッティングを選ばない多用途リールなので、ベストコンディションが長続きすることは大きなメリットになるでしょう。
自分だけのスティーズ A TWにカスタマイズ
用途に合わせてカスタマイズできるスティーズ A TW。標準装備のMAG-Zスプールをダイワのバーサタイルスプールに変更すれば、さらにバーサタイル仕様になり、HLCスプールを搭載すれば、遠投性に優れたスティーズ A TWに生まれ変わります。もちろん剛性はそのままで、このリールの持ち味は損なわれません。
スティーズ A TWユーザーとしてのインプレ
スティーズ A TWユーザーである私のインプレを書かせていただきます。私が使用しているのはギア比5.3も右ハンドルです。
文句のない飛距離
私は16lbのフロロカーボンラインに6ft11inのバーサタイルロッドを組み合わせて使用しています。この組み合わせで、3/8oz~2ozまでのルアー気持ちよくキャストできています。ロングキャストだけに注目するとメタニウムのようなシマノリールが優れているように思えますが、A TWはブレーキセッティングを変えずに近~長距離のキャストを高い精度を保ちながら実現できるリールだと感じています。
剛性がボトム探知機に
スティーズA TW以前もスティーズシリーズを使用していましたが、謳い文句通り、剛性感は大きく違うと感じることができます。特にラバージグをフルパワーでフッキングした際に、撓みを一切感じさせない安心感には感動しました。また、バイブレーションなどがボトムにヒットした際に、リールのしっかりとしたボディーを通してボトムを感じることができます。
ソルトでも使用できる
マグシールドを搭載し、ソルトウォーターでも活躍してくれるスティーズA TW。シーバスなどの重量級のファイトを挑んでくる相手に対しても、このリールの剛性の高いフルメタルボディーはいい仕事してくれるでしょう。
マグシールドとは?
現在、多くのダイワリールに施されているマグシールドという防水構造は、海水がベアリングやスピニングリールのスプールに侵入するのを防いでくれる技術です。シールドと言っても、磁力を持ったオイルがパーツを海水や細かな砂から守り、リールのベストコンディションを保ってくれるという画期的なギミックです。
まとめ
豪快と繊細という両極な側面を併せ持つハイクオリティーなベイトリール、スティーズ A TW。高い剛性感が謳い文句なので、ニッチなベイトリールだと勘違いしていた人も、このインプレを読めば、誰にでもマッチする多用途なリールであるということを理解していただけたと思います。気に入った人は複数所有するのもおすすめです。