ダイワ-17エクセラーの概要について
「17エクセラー」は、大手総合タックルメーカーである「グローブライド」が製造する、「ダイワ」ブランドの汎用スピニングリールです。ダイワの汎用スピニングリールの製品ラインナップでは下位に位置しています。詳細については後述しますが、コスパの良さと、釣り初心者でも扱いやすい無難な使い心地が評判のリールです。
ダイワ-17エクセラーの特徴を解説!
ダイワ-17エクセラーのインプレッションを見るうえで、まずは、このリールの持つ特徴について理解しておく必要があります。ここでは、ダイワ-17エクセラーの特筆すべき2つの特徴を解説していきます。
ダイワ-17エクセラーの特徴① 初期性能の長期維持
使用時間の増加と共にリールの初期性能は損なわれていく
水分, 塩分, 粉塵がリールの動作に大きな悪影響を及ぼす
実際の釣りにおいてリールがさらされる環境は、想像以上に過酷です。回収されるラインには必ず水滴がついているため、ラインローラーに集まった水滴が、ラインローラーの円滑な動作を損なう原因になります。特に海水のフィールドでは、結晶化による動作不良やサビの原因となる塩分が水に含まれていますし、水しぶきを被る釣り場では、なおさら影響は深刻です。また、砂浜のフィールドでは、風に舞った細かい粉塵によっても性能低下を引き起こします。
性能低下の要因が徐々に蓄積され, 初期性能は失われていく
前述した、性能低下につながる様々な要因は、すぐにリールの性能に影響を及ぼすことは少なく、使用を重ねるに従って徐々に蓄積されていくことによって、そのリールの購入当初の性能を少しずつ損なっていきます。特別に高性能なリールの場合は、もともとの品質レベルが高いため、初期性能の低下までに掛かる期間や感じ方に違いがありますが、それでもやはり長期間使用していれば、いずれは初期性能は失われていってしまいます。
ダイワ-17エクセラーは初期性能の長期維持を実現
ダイワ-17エクセラーには、ダイワ独自のメカニズムで初期性能の長期維持を実現する、「マグシールド」テクノロジーが採用されています。マグシールドテクノロジーは、鉄にくっ付く性質を持つ磁性成分を含んだ特殊なオイルを、各種動作機構と外部との隙間に塗布することにより、水分、塩分、粉塵の侵入を徹底的にシャットアウトします。そのため、使用を重ねても、購入当初の高性能な状態を長期間維持することが可能になりました。
ダイワ-17エクセラーの特徴② 高性能なドラグ
ドラグの性能は魚のキャッチ率を大きく左右する
ドラグが適切に機能しないとバラシにつながる
ドラグは、掛かった魚の体力を消耗させ、ラインブレイクを防止する重要な役割を担っています。そのため、設定したドラグパワーできちんと動作してくれなかったり、利き出す際の滑り出しがスムーズでなかったりする事態は何としても避けなければなりません。また、周囲にストラクチャーがあるポイントでは、ドラグを最大限活用して掛かった魚を思い通りにコントロールできないと、ストラクチャーにラインがこすれて切れてしまいます。
細いラインが使える高性能なドラグは釣果向上に有利な場合も…
ドラグが高性能であれば、他のリールよりも細いラインでファイトができる場合もあります。細いラインを使えるメリットはいくつかあり、例えばライトゲームでは、ルアーの動きに影響を与えにくい細いラインの優位性は非常に大きいでしょう。また、ウキフカセ釣りなどの、潮流が激しい場所で行う釣り方においても、潮流の影響を受けにくい細いラインが使用できるタックルセッティングはアドバンテージとなります。
ダイワ-17エクセラーの高性能なドラグは魅力の一つ
ダイワ-17エクセラーには、「ATD (オートマチックドラグシステム)」というドラグが採用されています。ATDは、ダイワが世界に誇る超高性能ドラグであり、ドラグパワーが変化しやすい滑り出しのタイミングのスムーズさが特徴です。もちろん、長時間のファイト中の安定した動作も折り紙付きで、過去には、104kgのキハダマグロとの壮絶なファイトを制した実績もあります。これだけの高性能なドラグがこの価格帯のリールに採用されているのは非常に魅力的です。
ダイワ-17エクセラーのモデルごとのスペックとインプレッション!
2019年9月1日現在、ダイワ-17エクセラーには11種類のモデルがラインナップされています。ここでは、各種モデルのスペックとインプレッションについて見ていきます。
ダイワ-17エクセラーのモデル別スペック&インプレ: 小型モデル
2019年9月1日現在、ダイワ-17エクセラーにおける3000番未満のサイズのモデルラインナップは6種類となっています。ここでは、各種モデルのスペックとインプレッションについてご紹介していきます。
ダイワ-17エクセラーの小型モデル① 2004
ダイワ-17エクセラー [2004]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 2004 (2000サイズ)
参考価格: 13,824円
自重: 250g
最大ドラグパワー: 2kg
ギア比: 4.8
最大巻き上げ長: 64cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン4lbが100m, PEライン0.6号が100m
ダイワ-17エクセラー [2004]の実際のインプレッションは?
ダイワ-17エクセラーの中では、最小クラスのサイズのモデルです。リールに繊細さが求められるライトゲームでの使用が想定されるモデルですが、高性能をうたう高価格帯の他の汎用スピニングリールと比較すると、バイトに対する感度や繊細な操作のしやすさなどの点における性能の違いは否定できません。とはいえ、コスパの良さは一定の評判があり、ライトゲーム初心者向けのリールとしては、選択肢の一つでしょう。
ダイワ-17エクセラーの小型モデル② 2004H
ダイワ-17エクセラー [2004H]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 2004H (2000サイズ)
参考価格: 13,824円
自重: 250g
最大ドラグパワー: 2kg
ギア比: 5.6
最大巻き上げ長: 75cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン4lbが100m, PEライン0.6号が100m
ダイワ-17エクセラー [2004H]の実際のインプレッションは?
前述したダイワ-17エクセラー [2004]との違いはギア比で、2004よりも高い5.6のギア比で75cmの最大巻き上げ長を確保しており、素早いライン回収が必要となる場面で違いを見せつけます。とはいえ、ギア比以外の違いはなく、”価格と性能とのバランスという面から見たコスパの良さを判断すると、高性能なリールとの性能レベルの差はやはり否めない”という評判が多くなっています。
ダイワ-17エクセラーの小型モデル③ 2500
ダイワ-17エクセラー [2500]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 2500
参考価格: 14,256円
自重: 265g
最大ドラグパワー: 7kg
ギア比: 4.8
最大巻き上げ長: 72cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン12lbが150m, PEライン1.5号が200m
ダイワ-17エクセラー [2500]の実際のインプレッションは?
標準2500番サイズの最大の特徴であるオールマイティー性の高さをしっかりと形にしており、ユーザーからの評判も上々です。コスパの良さをウリにしているリールであることを考慮すれば、かなりお買い得なモデルなのではないでしょうか。とはいえ、ダイワ-17エクセラーは、このサイズでのハイギアのモデルが用意されいないため、ハイギアリールを選択したいアングラーからは、マイナスの評判も多数聞かれます。
ダイワ-17エクセラーの小型モデル④ 2506H
ダイワ-17エクセラー [2506H]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 2506H (2500サイズ)
参考価格: 14,256円
自重: 270g
最大ドラグパワー: 3kg
ギア比: 5.6
最大巻き上げ長: 84cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン6lbが100m, PEライン1号が100m
ダイワ-17エクセラー [2506H]の実際のインプレッションは?
釣り初心者の方は特に間違えやすいのですが、このモデルは、ダイワ-17エクセラー [2500]のハイギアモデルではなく、ラインキャパシティーや最大ドラグパワーにも違いがあります。比較的限られた用途に適したスペックのモデルですが、特定の用途ではコスパの良さが高く評価されていることも事実です。ただし、高性能を特徴とする他のリールと比較した場合、特に回転のスムーズさの違いが大きく、"用途によってはまったく使い物にならない”という評判も散見されます。
ダイワ-17エクセラーの小型モデル⑤ 2508RH
ダイワ-17エクセラー [2508RH]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 2508RH (2500サイズ)
参考価格: 8,300円
自重: 285g
最大ドラグパワー: 7kg
ギア比: 5.6
最大巻き上げ長: 84cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン8lbが150m, PEライン1号が200m
ダイワ-17エクセラー [2508RH]の実際のインプレッションは?
良い意味でも悪い意味でも、”ダイワ-17エクセラーが持つさまざまな特徴を最も強く反映しているモデル”と評価できるでしょう。陸続きの釣り場からアプローチする釣り方全般において最もバランスの取れたモデルであり、釣り初心者に最もおすすめです。確かに高性能とは言い難い品質レベルですが、低価格であるという意味でのコスパの良さを重視する方からの評判はよく、初心者であれば、高性能なリールとの差を感じることは難しいでしょう。
ダイワ-17エクセラーの小型モデル⑥ 2506H-DH
ダイワ-17エクセラー [2506H-DH]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 2506H-DH (2500サイズ)
参考価格: 15,660円
自重: 285g
最大ドラグパワー: 3kg
ギア比: 5.6
最大巻き上げ長: 84cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン6lbが100m, PEライン1号が100m
ダイワ-17エクセラー [2506H-DH]の実際のインプレッションは?
ダイワ-17エクセラー唯一のダブルハンドルのモデルです。ダブルハンドルは、エギングをはじめとする縦方向のアクションが多いゲームフィッシングやナイトゲームにおいて好んで使用されますが、ダブルハンドルの仕様が想定される用途での評判は今一つで、初心者が使う場合でもコスパはあまり良くありません。ハンドル以外のスペックについては、前述のダイワ-17エクセラー [2506H]との違いはなく、リールとしての基本的な性能は2506Hと同じです。
ダイワ-17エクセラーのモデル別スペック&インプレ: 大型モデル
2019年9月1日現在、ダイワ-17エクセラーにおける3000番以上のサイズのモデルラインナップは5種類となっています。ここでは、各種モデルのスペックとインプレッションをご紹介していきます。
ダイワ-17エクセラーの大型モデル① 3000
ダイワ-17エクセラー [3000]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 3000
参考価格: 15,336円
自重: 305g
最大ドラグパワー: 7kg
ギア比: 4.7
最大巻き上げ長: 79cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン16lbが150m, PEライン2号が250m
ダイワ-17エクセラー [3000]の実際のインプレッションは?
ショアジギングなどに適したモデルですが、同スペックでのハイギアのモデル設定がなく、高いギア比を望むアングラーのニーズにはこたえられません。とはいえ、リールとしての評判は良く、高価格帯の高性能リールとの違いはやはり大きいものの、釣り初心者でも扱いやすいという評価が数多く聞かれます。ギア比が低い分、この製品クラスのリールにありがちな巻き上げパワー不足をカバーできていると考えることもできるでしょう。
ダイワ-17エクセラーの大型モデル② 3012H
ダイワ-17エクセラー [3012H]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 3012H (3000サイズ)
参考価格: 9,330円
自重: 315g
最大ドラグパワー: 7kg
ギア比: 5.6
最大巻き上げ長: 95cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン12lbが150m, PEライン1.5号が200m
ダイワ-17エクセラー [3012H]の実際のインプレッションは?
5.6のギア比によって生み出される95cmの最大巻き上げ長は、多くのゲームフィッシングにおいて確かな武器となるに違いありません。コスパの良さは初心者からも評判で、近年特に人気が高まっているライトショアジギングに初めて挑戦する初心者にはぜひともおすすめしたいモデルです。高いトータルバランスが特徴のこのモデルは、幅広い用途において高いポテンシャルを発揮することでしょう。
ダイワ-17エクセラーの大型モデル③ 3500H
ダイワ-17エクセラー [3500H]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 3500H
参考価格: 16,740円
自重: 400g
最大ドラグパワー: 8kg
ギア比: 5.7
最大巻き上げ長: 97cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン16lbが200m, PEライン2.5号が250m
ダイワ-17エクセラー [3500H]の実際のインプレッションは?
低価格という意味でのコスパの良さを重視している汎用スピニングリールの多くは、大型のモデルになると性能の低さを露呈するケースが多い傾向にあり、実際の評判もやはり芳しくありません。このダイワ-17エクセラーも例外ではなく、高価格帯に位置する製品グレードの高い高性能なリールとの差は歴然です。それでも、やはり日本の二大タックルメーカーの製品だけあって、二流メーカーの製品に比べればまだまだ使い物になるレベルであることは事実です。
ダイワ-17エクセラーの大型モデル④ 4000
ダイワ-17エクセラー [4000]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 4000
参考価格: 16,740円
自重: 405g
最大ドラグパワー: 8kg
ギア比: 4.9
最大巻き上げ長: 87cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン20lbが200m, PEライン3号が250m
ダイワ-17エクセラー [4000]の実際のインプレッションは?
4000番サイズになると、前述した高コスパ汎用スピニングリールならではの短所がますます顕著に表れています。4000番サイズは、パワーと堅ろう性とが高レベルで必要不可欠な用途で用いられることが想定されるため、高性能なリールでないと使い物にならないことも少なくありません。このモデルでは、”パワーや堅ろう性の高さを特徴として前面に押し出している高性能リールが品質の違いを見せつけている”と言わざるを得ないでしょう。
ダイワ-17エクセラーの大型モデル⑤ 4000H
ダイワ-17エクセラー [4000H]のスペックは?
ダイワ(Daiwa) スピニングリール 17エクセラー 4000H
参考価格: 16,740円
自重: 405g
最大ドラグパワー: 8kg
ギア比: 5.7
最大巻き上げ長: 101cm
ラインキャパシティー: ナイロンライン20lbが200m, PEライン3号が250m
ダイワ-17エクセラー [4000H]の実際のインプレッションは?
ダイワ-17エクセラー [4000]のハイギアのモデルであり、ギア比以外のスペックに違いはありません。ギア比が高い分、通常ギア比のモデル以上に巻き上げパワーの不足が心配されますが、[4000]のインプレッションと同様、本来適する用途での使用における評判は、決してよいものではありません。コスパ重視のリールで入門したいと考えている初心者の場合は、SWタイプで手ごろな価格のスピニングリールを選ぶのが望ましいでしょう。
ダイワ-17エクセラーをさまざまな釣りで活用していこう!
ダイワ-17エクセラーは、コスパに重きを置いて開発された汎用スピニングリールです。高性能リールとの性能の違いを露呈している部分もありますが、釣り初心者でも扱いやすい点や手ごろな価格設定などの特徴は魅力です。皆さんもぜひ、ダイワ-17エクセラーをさまざまな釣りに活用していきましょう。