鳴門骨とは?天然物のタイで見つかる、特殊な骨が生まれる原因をご紹介!

鳴門骨とは?天然物のタイで見つかる、特殊な骨が生まれる原因をご紹介!

天然のタイで見られる鳴門骨について説明します。鳴門骨とは何か?どのようなメカニズムで発生するのか、鳴門骨の由来、手に入れるには?手に入れたらどうすればよいか?など、このページを見ることで、鳴門骨についての疑問を解消することができます。

記事の目次

  1. 1.タイで見つかる鳴門骨とは?
  2. 2.天然のタイにみられる鳴門骨の原因とは?骨折?疲労骨折?
  3. 3.鳴門骨を持ったタイは食べられる?おいしい?
  4. 4.鳴門骨はどのぐらいの確率でみられるのか?
  5. 5.鳴門骨は縁起物とされている鯛の九つ道具の一つです
  6. 6.まとめ

タイで見つかる鳴門骨とは?

釣り好きであれば、タイに発生するといわれている『鳴門骨』というワードを一度は聞いたことがあるかもしれません。ただし、すべてのタイに発生するわけではありませんので、タイ釣りが好きな方でも、実際に出会ったことがない方も多いと思います。この記事では、鳴門骨とはなにか?どのようにして発生するのか?食べても平気なのか?などの疑問を解消するために、いくつかの項目について詳しく説明していきます。

鳴門骨とは?

鳴門骨とは、『なるとぼね』または『なるとほね』と読みます。タイ、中でもマダイで見られる現象で、骨の一部がちからこぶの様に隆起したものを指します。すべてのタイが持っているわけではなく、わずかな確率でおこる現象であり、また、外観では見分けることが困難であることから、この鳴門骨に出会うのは完全に運であり、その希少価値から非常に幸運なことと言えるでしょう。

なぜタイの骨がこのような形状になるのか?

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魚類学用語で書くと、脊椎骨(せきついこつ)の血管棘(けっかんきょく)が肥厚(ひこう)した状態です。少しわかりやすく書くと、魚の中心にある大きな骨(脊椎骨)から分岐した骨(血管棘)がこぶのようにふくれた(肥厚)状態です。何かが骨に付着したわけではなく、骨自体がふくれてこの形になっています。原因については各方面にて研究されていますが、明確な答えが見つかっておらず、さらなる研究が待たれるところです。

なぜ鳴門の名がついているの?

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江戸時代前期の医師『人見必大』が記した『本朝食鑑』には、「一種に、形・色は普通で肉の中の大骨の節の辺に瘤(こぶ)をつけたものがある。俗に、鯛が阿波の鳴戸の急灘を乗りきると骨が疲れるので瘤が出来るといわれている」と記されています。江戸時代から鳴門骨の存在は認識されていて、鳴門を越えてくるとこぶができる?と考えられていたので、この名前がついたのです。

天然のタイにみられる鳴門骨の原因とは?骨折?疲労骨折?

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おもに天然のタイにみられる鳴門骨の原因について、明確な答えが見つかっていないと説明しましたが、骨折、疲労骨折が原因であるといわれています。人体においても、骨折した箇所が治癒する過程で、太く丈夫になることが知られていますが、鳴門骨ができているタイも同様のメカニズムで起きていると考えられます。

激流を泳ぐタイに鳴門骨が発生しやすい理由は?

骨変形の要因は、おもに筋肉の異常緊張、物理的外圧、骨化不全の3点に集約されます。また、直接の原因は骨折である事が多く、鳴門骨も例外ではないと考えられます。天然のタイが激流の鳴門海峡を泳ぐことを考えると、筋肉の緊張、物理的外圧(水圧)が他の水域よりも高くなり、強い水圧による骨折、激流を泳ぐことにより筋肉が緊張状態になり、疲労骨折をおこしてしまう。そう考えると激流で発生しやすいことが想像できます。

天然のタイだけの現象?

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激流を泳ぐタイに多く見られるといわれていますが、そのほかの海域、まれに養殖等でも見られます。また、タイ特有の現象かというと、太刀魚でもしばしば発生する事がわかっており、天然のマダイのみに発生する現象でもありません。筋肉の異常緊張、外圧などによる骨折、疲労骨折で発生するとすれば、その条件が満たされれば発生してもおかしくはありません。海域環境による確率の問題と考えられます。

鳴門骨を持ったタイは食べられる?おいしい?

骨が変形したタイと聞くと、食べられるかどうかが気になりますが、鮮度などほかの要因は別として、問題なく食べられます。むしろ、激流にもまれた天然ものである可能性が高く、身の引き締まったおいしい個体である場合が多いです。また、鳴門骨はまれにしか発生しないことから、縁起物のように扱われることもあります。もし自分でタイをさばく機会があれば、骨の状態に注目してみてください。運が良ければ出会えるかもしれません。

おいしい料理を作るための注意点は?

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鳴門骨を持ったタイは、天然で身が引き締まったおいしいタイである可能性が高いといえますが、残念ながら開いてみないとわかりません。鳴門骨は骨が隆起した状態ですので、包丁でさばくときに、骨に引っかかってしまう、または包丁がすべってずれてしまうケースもあります。貴重な身を傷つけないように、調理前にイメージしておきましょう。

鳴門骨はどのぐらいの確率でみられるのか?

明確に統計があるわけではないので、数字で示すのは困難ですが、毎日のようにタイをさばいている寿司職人でも遭遇したことが無い方もいますので、非常にまれであると言えます。自ら釣った天然ものであれば確率は上がりますが、天然ものが市場に流通する場合は料亭などに卸される可能性が高く、販売されているタイで鳴門骨に出会える可能性はそれほど高くありません。

自分で釣りたい!マダイはどこにでもいるの?

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マダイの生息は比較的広く、北海道の一部、琉球諸島をのぞいた日本全国、東南アジアまで生息しています。ただし、漁獲量でみてみると、長崎がもっとも多く、福岡、山口、愛媛、島根、兵庫が続きます。比較的西のほうが多く生息しているといえますので、自分で釣りたい場合は西側が有利かもしれません。

鳴門骨は縁起物とされている鯛の九つ道具の一つです

鳴門骨に出会える確率は高くないため、縁起がよいとされています。もともと縁起がよいことの象徴とされるタイ、そのタイの中でも大変貴重なものであることを考えると、幸運のしるしとされているのも理解できます。江戸時代から、『タイの9つ道具』の一つとされている鳴門骨。古くから縁起物として扱われていました。

鯛の九つ道具とは

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タイの九つ道具とは、おもにマダイにみられる骨の俗称です。鯛中鯛(タイのタイ)は比較的有名ですので、ご存じかもしれません。それ以外に小龍、大龍、鯛石、鍬形、竹馬、三つ道具、鯛の福玉、そして鳴門骨の9種の骨を指します。骨の形を縁起のよいものにたとえたものですが、特に、鯛の福玉、鳴門骨は出会える可能性が低く、貴重なものです。すべてをそろえると、『ものに不自由せず、幸福になる』とされている縁起物です。

鳴門骨を取っておきたい場合はどうすれば良い?

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もし幸運にも鳴門骨に出会えた場合、貴重な物なので保管したくなるかもしれません。どうせ保管するならきれいに、衛生的に保管したいところです。誰かに見せたいだけであれば丁寧に水洗いで良いかもしれませんが、縁起物として末永く保管するのであれば、骨標本として処理することをおすすめします。もちろん、本格的な標本を作るのは大変ですが、身近なものを代用して処理できますので、その方法を説明します。

骨をきれいにする工程

タイをおいしく食べたあと、できるだけきれいに身を取り除いてください。生の調理であれば、一度煮沸すると身を取りやすくなります。処理によっては大分きれいに見えるかもしれませんが、保管するには完全に身を取り除く必要があり、もう一工夫必要です。ここで、排水管洗剤、漂白剤、酵素が入った入れ歯洗浄剤などを使用すると、さらにきれいに処理する事ができます。注)漂白剤などを使う場合、手袋着用など、十分に注意が必要です。

仕上げ処理

洗剤などで処理をした場合、よく水洗いしてください。その後、ペーパーなどで水分をふき取り、十分に乾燥させてください。その後、透明な袋、タッパー、ケースなどで保管してください。椎骨は外れやすいので、取り扱いには注意してください。比較的簡単な処理で保管可能ですので、手にいれた場合には、ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

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今回は鳴門骨について説明しましたが、何度も書いたように、大変貴重な、めずらしいものであるといえます。運よく出会えた場合には、おいしい料理で舌鼓をうつとともに、ぜひ大切に保管してください。また、9つ道具の中でも貴重とされていますので、それを機に9つすべてを集めてみても良いかもしれません。幸運になる言い伝えがありますので、釣果があがるかもしれません。

伊瀬 瀧人
ライター

伊瀬 瀧人

釣り好きエンジニアの視点で記事を書いています!

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